新竹には台湾のシリコンバレーと呼ばれる「新竹科学園区」が置かれ、エレクトロニクス、化学工業、軽工業などが新竹市の発展を支えています。海抜は120メートルで、東南は十八尖山、牛埔山などの山に囲まれ、西は海に面しています。冬には「新竹の風、基隆の雨」と言われるほど強い風が吹くため「風城」と呼ばれています。台湾で最も有名な新竹の米粉(ビーフン)は、その風を利用して作られるので格別おいしいのだそうです。
そんな新竹は台鉄の立派な駅舎、そして廟の前ではなく、内部に屋台があるという新竹都城隍廟(xīnzhú dūchéng huángmiào シンジュドウチェンファンミャオ)でも知られています。さっそく見ていきましょう。
台北から新竹への行き方
台北から新竹へのアクセス手段は、台鉄(鉄道)、高鉄(高速鉄道)とバスの3つです。
台鉄
朝8時以降に台北駅を出発してお昼頃までに新竹駅に着く列車は、自強號(特急)が5本、莒光號(急行)が1本、区間車(普通)が8本です。特急の所要時間は1時間8~12分、急行は1時間26分、普通でも1時間30〜44分です。料金は特急が177元(特急料金込)、急行が137元(急行料金込)、普通が114元です。
高鉄
高速鉄道の台北駅は台鉄と同じところにありますが、新竹駅は台鉄の内湾線の六家駅が接続駅で、六家駅から台鉄に乗換える必要があります(新竹駅は六家駅から5つ目、19分で着きます)。
朝8時以降に台北駅を出発、台鉄に乗換えて台中駅にお昼までに着く列車は、高鉄新竹~台鉄六家間の徒歩移動時間と待ち時間を十分余裕をみて40分(内湾線の運転間隔は30分毎)とすると、8時台3本、9時台3本、10時台3本です。
徒歩移動時間込の所要時間は1時間30分程度、高鉄の料金は指定席290元、自由席280元プラス台鉄料金16元となります。
高鉄には予約時期、列車によって10%、20%、35%の割引料金が設定されています。
バス
4つのバス会社が台北と新竹を結ぶ路線を運航しています。運行番号は以下の通りです。
國光客運:1822番
新竹客運:9003番
豪泰客運:2011番
三重客運:9003番
料金は國光客運の場合135元で、バス会社により5元程度の差があります。概ね10分毎に出ていて、所要時間は1時間30分です。
バスは台北駅の北にある台北轉運站(バスターミナル)から出ています。
新竹でも台鉄新竹駅正面と反対側にあるバスターミナルに到着します。正面出口に行くには地下道を使います。
アクセスのまとめ
台鉄、高鐡、バスのいずれも結局のところ、所要時間は大差ありません。料金や運転頻度の点ではバス、乗り場などのわかりやすさや確実性では台鉄ということになりそうです。
鉄道、バスに限らず車内のエアコン設定温度は寒さの限界を超えますので、夏場でも上に羽織る長袖はもちろん、ブランケットを用意するか、男性は半パンではなく長いパンツを履かれた方が良いと思います。
新竹火車站
現在の新竹駅舎は、建築家の松崎萬長が日本統治時代の台湾総督府鉄道局勤務時に設計したもので1913年3月完成、台湾で現存する最古の駅舎です。1998年に台湾の国定古蹟に指定され、2015年に東京駅と姉妹駅になりました。
駅区分は一等駅で縦貫線(西部幹線)と内湾線が発着します。一部の特急(自強號)を除く全ての列車が停車します。
駅の構造は相対式、島式ホーム3面5線の地上駅で、正面入口から改札口を抜けるとそこが1番ホームです。典型的な旧国鉄タイプで、なんとなく京都駅を思い浮かべてしまいます。
1
西部幹線(上り) 桃園、板橋、台北、基隆方面
東部幹線直通列車(下り) 宜蘭、花蓮、台東方面
2
ホームはありません
3(2A)
4(2B)
西部幹線(下り) 苗栗、台中、台南、高雄、屏東方面
西部幹線(下り待避) 台中、嘉義、台南、高雄、屏東方面
西部幹線(上り待避) 桃園、板橋、台北、基隆方面
西部幹線(上り発車) 桃園、板橋、台北、基隆方面
西部幹線(下り発車) 台中、彰化、嘉義方面
5(3A)
6(3B)
西部幹線(上り発車) 中壢、板橋、台北、台東(台東線経由)方面
西部幹線(下り発車) 台中、彰化、嘉義方面
内湾線(下り発車、上り終着) 竹東、六家、内湾方面
駅を出たところにあるロータリーにはダミーのレールが敷かれています。
昔の路面電車の跡なのだそうです。方向転換のためループ構造になっていたようです。
新竹駅前にあった「遠東そごう新竹店駅前館」は2019年8月末に閉店、20年の歴史に幕を閉じました。
「遠東そごう新竹店駅前館」は「太平洋そごう新竹店」として1999年に開業、日本資本による最後の新規出店でした。この新竹店は2017年に太平洋そごうが「遠東そごう」に商号変更したあとも看板が「遠東そごう」に変更されていませんでした。今回の閉店は20年の契約満了とのことで、実質的にはを新竹郊外の「そごうビッグシティ」(遠東巨城)への統合ということのようです。
新竹都城隍廟
新竹駅から15分ほど歩いたところに、神様を祭る廟と屋台が一体化された「新竹城隍廟」があります。タクシーでも結構信号待ちなどがありますので10分足らずかかります。
入口のところから大変な人出です。それをかき分けて中に進むと奥に立派な廟が現れます。新竹都城隍廟は道教の寺で、都市の守神であり、死者を裁く裁判官に相当するに城隍神が祀られています。「隍」とはお城を囲む城壁を意味します。
廟と屋台の屋根がつながるという珍しい構造になっています。
石版芸術や柱、獅子など様々な彫刻を見ることができます。
右入口から入り、上を見上げるとこんな綺麗な天井が現れます。八角藻井という特殊な工法で釘を一本も使わず、蜘蛛の巣のように木材を組み合わせて作られています。これは必見です!
さて、廟でのご挨拶を済ませれば「食い気」ですね。
何はともあれ米粉(ビーフン)は必食でしょう。この「新竹城隍廟」でビーフンといえば、創業100年の老舗「阿城號米粉(アーチョンハオミーフェン)」です。
炒米粉(ビーフン炒め)はコシのある米粉に肉そぼろともやしを加え、醤油ベースのにんにくの効いたタレがかかっています。貢丸湯(つみれスープ)をセットで頂きましょう(スープは要らないの?と勧められます)。
そして、もう一つ外せないのが紅糟肉圓(バーワン)。肉圓とは澱粉の皮で豚肉団子を包んで蒸して、赤いソースをかけて食べます。この屋台では「林家肉圓」がおすすめです。
九份の名物にもなっているこの肉圓は「バーアン」と言いますが、これは台湾語の発音ですね。中国語の「ローユアン」とはあまり言っていないようです。蚵仔煎と同じですね。
基本情報
新竹城隍廟
住所 新竹市北區中山路75號
営業時間 5:00〜22:30
まとめ
台湾に行って台北から南下するというと、台中、台南、そして高雄に行ってしまって、新竹は通り過ぎてしまうことが多いようです。わずか1時間半で訪れることができますので、ぜひ一度行ってみましょう!
それでは台湾🇹🇼でお会いしましょう! 大家台湾見!
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