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一年延期されて開催された「第18回ショパン国際ピアノコンクール」で見事優勝を飾ったブルース・リウ(劉曉禹)さんが、早くも2021年11月に東京でリサイタルすることが発表されました。
コンクールでの演奏などを振り返るとともに、11月11日に東京オペラシティコンサートホールで開催されたリサイタルの模様をお話していきます(東京で行われたインタビュー記事へのリンク、月刊ショパンインタビュー動画を貼りました)。
2022年3月1日に開催されたショパン生誕212年記念コンサートはライヴ放映されたほか、アーカイブ公開されています。
ブルース(シャオユー)・リウ Bruce (Xiaoyu) Liuさんプロフィール
1997年5月8日パリ生まれ
ご両親は北京からのフランス留学生、後にカナダへ移住
モントリオール・コンセルヴァトワールでリチャード・レイモンドに師事、卒業後ダン・タイ・ソンに師事
仙台、モントリオール、テル・アヴィヴ、ヴィセウの各国際コンクール入賞
クリーヴランド管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、モントリオール交響楽団、 オーケストラ・オブ・ジ・アメリカズなどのオーケストラと共演
直近ではウクライナ国立交響楽団、リヴィウ・フィルハーモニー管弦楽団と各々中国ツアーを実施、またサル・ガヴォーでラムルー管弦楽団と共演
第18回ショパンコンクール演奏動画
予備予選
– Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1
– Etude in B minor Op. 25 no 10
– Etude in G flat major Op. 10 no 5
– Mazurka in C major Op. 33 no 2
– Mazurka in B minor Op. 33 no 4
– Ballade in A flat major Op. 47
(03:09:00から)
一次予選
– Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1
– Etude in C sharp minor Op. 10 no 4
– Etude in A minor Op. 25 no 4
– Scherzo in E major Op. 54
二次予選
– Rondo à la Mazur in F major , Op. 5
– Ballade in F major Op. 38
– Waltz in A flat major Op. 42
– Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22
三次予選
– Mazurka in G sharp minor Op. 33 no 1
– Mazurka in C major Op. 33 no 2
– Mazurka in D major Op. 33 no 3
– Mazurka in B minor Op. 33 no 4
– Sonata in B flat minor Op. 35
– Variations in B flat major on a theme from Mozart s Don Giovanni (Là ci darem la mano), Op. 2
本選
– Piano Concerto in E minor Op. 11
結果発表後のインタビュー
#ショパンコンクール 優勝発表直後に壇上に呼ばれた優勝者のBruce(Xiaoyu) Liu ブルース・シャオユー・リウのスピーチに、字幕を付けてみました。
最後、ちょっと切れてしまいましたが、振り返って師匠のダン・タイ・ソン先生と抱き合うところの感動的なこと!
眩しいほどに素晴らしい才能でした。 pic.twitter.com/8XKFymYFRI
— ピティナ特級【公式】 (@ptna_tokkyu) October 21, 2021
記者会見インタビュー
高坂はる香さんによるインタビュー
https://ebravo.jp/archives/104314
月刊ショパン・インタビュー動画
東京リサイタル概要
日時:2021年11月11日(木) 19:00(ポーランド独立記念日)
開場:18:00
開演:19:00(21:25終演)
会場:東京オペラシティ コンサートホール
<オール・ショパン・プログラム>
夜想曲 第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54
バラード 第2番 ヘ長調 Op.38
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
4つのマズルカ Op.33 (第22〜25番)
ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
「ドン・ジョヴァンニ」の “お手をどうぞ”による変奏曲 変ロ短調 Op.2
<アンコール>
ショパン:夜想曲遺作嬰ハ短調、エチュード第5番変ト長調「黒鍵」
バッハ:アルマンド〜フランス組曲第5番
ショパン:ワルツ第5番変イ長調 Op.42
(以下、個人の感想です)
まず、背筋がピシッと伸びて登場する姿、演奏中も重心がブレない姿が大変美しい。
コンクールで話題になった脚の動きは運動神経の良さということでまったく気になりませんでした。
ホールの良さを活かした素晴らしい演奏で、動画配信よりも立体的、そしてありきたりですがファンタジーを感じました。
このあたりは演奏動画を視聴していただけでは分からないところですね。
豊かな倍音と響きを湛えた芯のある音は、細かいパッセージやオブリガートではブリリアントで煌びやかに輝いていました。
音の魔術師が数えきれないほどの豊富な色のパレットから、太いものから細かいものまで多数揃った筆を使って、素晴らしい音の絵を描いていきます。
ホールは満員の聴衆でブラヴォが飛び出し、最後はほぼ全員がスタンディングオベーション。
アンコールは最初の2曲は準備されていたようですが、鳴り止まない拍手に応えてさらに2曲演奏してくださいました。
うち1曲はまさかのバッハ、おそらくペダルも使った優しく上品かつ知的な演奏はサプライズでした。
ラストはワルツ、冒頭のトリルが聴こえたところでホッと落ち着きました。
ワルシャワで審査員を含めホール全体を虜にした理由がわかったような気がするソワレでした。
ぶらあぼインタビュー
2021年11月の東京公演(8、11日)の合間にインタビューが行われました。
コンクールのこと、今後のことなどについて語っています。

ブルースはやはりブルース・リーのことだったようです。
これまではブルースではなく、本名のシャオユーだけで出ていましたよね。
以下はイープラスのスパイスの記事です。
ショパンコンクール優勝者世界ツアー
今回はショパンコンクールの優勝者ツアーの一環として来日するもので、スケジュールは以下の通りハードに設定されています。
来日は二度予定されていて、一度目は2021年11月(紹介したリサイタルとN響との共演)、二度目は2022年1〜2月となっています。
(N響共演の演奏曲はピアノ協奏曲第1番、チケットはすでに予定数終了となっています)
2021/10/26 Katowice (NOSPR), concert with the NOSPR Orchestra conducted by Victorien Vanoosten
2021/10/29 Wrocław (NFM), concert with the NFM Wrocław Philharmonic conducted by Andrew Litton
2021/10/30 Poznań (University Hall), concert with the Orchestra of the Poznań Philharmonic conducted by Łukasz Borowicz
2021/11/08 東京(オーチャードホール)concert with the NHK Orchestra conducted by 尾高忠明
2021/11/11 東京(オペラシティ・タケミツメモリアル)リサイタル
2021/11/14 Tel Aviv (Tel Aviv Opera Hall) concert with Orchestra Jerusalem conducted by Avner Biron
2021/11/15 Jerusalem (Jerusalem Theatre) concert with Orchestra Jerusalem conducted by Avner Biron
2021/11/27 Seoul (Lotte Concert Hall) concert with Seoul Philharmonic
2021/12/05 Brussels (Bozar) recital
2021/12/09 Buenos Aires (Teatro Colon) recital
2021/12/12 Rio de Janeiro (Sala Cecilia Meireles) concert with the Brazilian Symphony Orchestra
2021/12/14 Sao Paulo (Sala de Concertos) recital
2021/12/16 Brasilia (Teatro Poupex) recital
2022/01/19〜02/03 日本(コンサートツアー)(中止)
2022/02/21 Vancouver (Orpheum) recital
2022/02/28 Luxembourg (Chamber Hall of Philharmonie Luxemburg) recital
ブルース・リウ第18回ショパン・コンクール優勝者ライヴ(SHM-CD、デジタル配信)
ドイツ・グラモフォンから今回のコンクールライヴ録音(各ステージからのチョイス)が急遽リリースされました。
デジタル配信は2021年11月19日から、CD日本盤は12月1日に発売されました。
ブルース・リウ 第18回ショパン・コンクール優勝者ライヴ
収録曲
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
マズルカ 嬰ト短調 作品33の1(第22番)
マズルカ ニ長調 作品33の2(第23番)
マズルカ ハ長調 作品33の3(第24番)
マズルカ ロ短調 作品33の4(第25番)
エチュード 嬰ハ短調 作品10の4(第4番)
エチュード イ短調 作品25の4(第16番)
夜想曲 嬰ハ短調 作品27の1(第7番)
ワルツ 変イ長調 作品42(第5番)
スケルツォ 第4番 ホ長調 作品54
モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》の「お手をどうぞ」による変奏曲 作品2
(2021年10月 ワルシャワ、ショパン国際ピアノ・コンクールライヴ録音)
国内盤SHM-CD:12月1日(水)発売 UCCG-1890 定価¥3,080(本体¥2,800)
デジタル:11月19日(金) 配信
さらに、DG盤にはなかったファイナルの協奏曲やソナタ第2番などを収録したCDも発売されました。
ブルース・リウ~第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ
収録曲
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
マズルカ風ロンド Op.5
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 《葬送》
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11*
(2021年10月 ワルシャワ、ショパン国際ピアノ・コンクールライヴ録音)
*アンドレイ・ボレイコ指揮 ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
Spotifyでも配信されています。
ショパン生誕212年コンサート
2022年3月1日、ショパン生誕212年を記念したコンサートがワルシャワで開催されました。
プログラム
ノクターン嬰ハ短調 作品27−1
マズルカ風ロンドヘ長調 作品5
バラード第2番へ短調 作品38
バラード第3番変イ長調 作品47
(休憩)
ソナタ第2番変ロ短調 作品35
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
このコンサートはウクライナにおける戦闘の犠牲者の方々に捧げられました。
まとめ
鮮やかな演奏で新しいショパン演奏のスタイルを示し、見事優勝を飾ったブルース・リウ(漢字で「劉」と表記されているため、リョウ(liu2)」と発音するものと思われます)さんの日本公演が早くも実現、その充実した演奏はスタンディングオベーションで讃えられました。
2月の来日はキャンセルとなりましたが、またあの演奏を聴く日が訪れることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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👋掰掰👋
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