【台湾/台湾鉄道】新型特急EMU3000 第2編成陸揚げ 試運転情報 営業開始に向けた取組み

台湾
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この記事は過去記事からEMU3000に関するコラムをまとめたものです。

台灣国鉄(台湾鉄路管理局)は、昨年日立製作所が落札した新型特急電車を、2021年に東部幹線へ投入することを発表しています。

2019年11月30日にはそのデザインが発表され、12月13日の台北駅「鉄道美学に関するフォーラム」でそのコンセプトが詳細に説明されました。

2020年8月22日の台鉄の新聞発表(HPで公表)によると、新型特急の形式はEMU3000とされています。

武漢肺炎流行の影響により、2021年6月にずれ込む見込みと報道されていた搬入ですが、台湾域内における警戒レベル3発令などにともなって更に遅れる見込と2021年6月2日に当局発表があり、その後7月30日に搬入されるとの現地で報道されています。

2021年7月21日の台鉄当局発表によれば、台湾への搬出にあたっての安全祈願儀式が山口県下松市の笠戸事業所で行われた後、30日に花蓮に搬入され、その模様はFacebookでライヴ中継されました。

営業運転開始に備え、新たな客室乗務員の採用、ビジネスクラス車両の愛称募集、そして関連グッズの販売が始まりました。
編成表、縦貫線での試運転情報、YouTubeで公開された動画を掲載しました(9月中の試運転情報を追記しました)。

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鳴日-臺鐵美學復興 FUTURE-RENAISSANCE 特別展示の概要



開催時期:2019年12月13日〜22日 10:00〜18:00(当初15日迄の予定を期間延長)
展示場所:台北駅1階コンコース
入場料金:無料

観光列車の改造、新型通勤電車、そして新型特急電車が主なテーマでした。

新型特急電車のモックアップ、設計者のコメントや座席モデル(生地含む)などが展示されていました。





ビジネスクラス車両の座席

一般車両の座席


2020年8月22日ニュース

公式サイトで新型特急や通勤車、また故障の多いEMU500のメンテナンスなどについて発表(最新消息)があり、新型特急の形式はEMU3000とされています。

臺鐵HP 2020/08/22発表

新型特急電車EMU3000の概要

2018年に「城際電聯車」(インターシティトレイン)として12両固定編成600両が新造されることが発表されました。
最終入札は日立製作所とスイスのシュタッドラーの一騎打ちで、2018年12月日立製作所が落札しました。

12両固定編成全50編成(計600両)のうち

ビジネスクラス(商務車)各1両:48編成
食堂車各1両:2編成

とされることが、当初の計画では発表されています。

今回の発表では車両のデザインとビジネスクラスと一般車両のインテリアが公表になっています。
前面はホワイトとブラック、その他のエクステリアとインテリアはホワイトとグレーを基調としたモノトーンでシンプルなデザインとなっています。

発表内容は以下のサイトで確認することができます。

http://japan.cna.com.tw/news/afav/201911300006.aspx
https://today.line.me/TW/article/R1QPkz?utm_source=lineshare

現在台湾で運行されている特急太魯閣、普悠瑪が8両編成なのに対し、新特急は12両編成で座席数は139席増。
今後50編成全てが投入されれば、輸送力は平日で36%、休日では43%向上することが見込まれるとのことです。
営業運転では最高速度130km/hということですので、特急太魯閣、普悠瑪と同水準です。

なお、2021年4月9日の現地紙には「台鉄改革」に関する記事が掲載されています。政府に対して、現行の西部幹線の速達列車の運転時間制限の解除を求めることで、台北〜台中を1.5時間、台北〜高雄を3時間で結ぶ「直達」列車の導入を考えているようです。EMU3000の投入によって高鐡並みの列車本数が確保できるとのことです。

記事はこちらから:https://udn.com/news/story/12562/5376017

当初編成の搬入は2021年7月30日

2020年の末頃に最初の2編成が搬入されて、2021年から東部幹線へ投入される予定でしたが、2020年に入って流行した武漢肺炎の影響により、最初の編成の搬入は2021年2月以降にずれ込む見通しとの報道がありました。

報道はこちら:https://news.ltn.com.tw/news/life/breakingnews/3142182?fbclid=IwAR29Gw-2qs_WxYCqYlSTQfL9YlshkvlhuYKC969ecw1owY9kDs3aX6pRST0

普悠瑪TEMU2000は基隆港で車両の積み下ろしを行いましたが、この新型車両は600両全車が山口県下松市の日立製作所笠戸事業所で製造後、船積みされ花蓮へ輸送されます。船からの積み下ろし、線路等周辺設備の修整、乗務員習熟運転、車両整備等すべて花蓮が主体となって行われます。

その後の発表では、さらに遅れる見込みで、2021年4月11日付の発表(FBで公開)によると、搬入予定は以下の通りとなっていました。

2021年6月 1編成12両 7月 1編成12両 12月 5編成60両(計7編成84両)
2022年 15編成180両
2023年 16編成192両
2024年 12編成144両

2021年6月2日、台湾国内での中国ウイルス陽性者急増、全域での警戒レベル3発令などにより、日立担当者のビザ発給が間に合わず、搬入はさらに遅れるとの当局発表がありました。

この発表後、臺灣鐵路管理局の発表は確認できていませんが、2021年7月7日午前の現地報道で搬入は7月30日とされています。

ニュースソースはこちら:https://udn.com/news/story/7266/5583711

EMU3000日立製作所笠戸に姿を現わす

2021年6月22日、EMU3000先頭車両を撮影した画像がツイートされていました。

ホワイトのボディにブラックの前面、連結面側上部に赤いラインが入っていて格好良いですね。
下の「鳴日」で公表されたデザイン(本記事のアイキャッチ画像)通りのようです。

また、ツイッターに車内(おそらく商務車)と扉周りの画像が紹介されていました。

台湾搬出前の「安全祈願儀式」実施

2021年7月21日の台鉄当局発表によると、山口県下松市の日立笠戸事業所で安全祈願儀式が実施されたとのことです。

ニュースソースはこちらから:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac37ac54c46017ac7798fe800cd

日本出港の模様

2021年7月28日には、日本から台湾花蓮に向けて出港したことが当局から発表されています。
ホワイトが主体のブラックフェイス、車端上部に赤いラインが入っているのみという美しさ(営業運転後の汚れが心配)です。

ニュースソースはこちらから:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac37ae958cc017aeb2f6bc300a8

花蓮搬入ライヴ中継

2021年7月30日の花蓮陸揚げ、搬入については現地でも一般開放されないようです。
Facebookの「Fun臺鐵」サイトでライヴ中継が実施されます。

EMU3000型城際列車卸船作業直播
日時:2021年7月30日 午前9:30(現地時間、日本時間10:30)
アーカイヴはこちらから:https://fb.watch/7395-cf5xG/

鳴日號E237牽引回送列車

2021年8月2日、観光列車用電気機関車E237に牽引された回送列車8773次のスジで、花蓮から宜蘭経由樹林調車場に向けて搬送されました。

YouTube
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有

第2編成花蓮で陸揚げ

2021年9月3日、第2編成(3002F)が花蓮で陸揚げされました。

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営業運転開始に向けた取組み

EMU3000新自強號客室乗務員新規採用

新型特急EMU3000導入にともなって、客室乗務員を新規採用することが発表されました。

募集人員:20名(補欠40名)
基本給:NT$25,380(加えて乗務手当、労務手当、賞与などあり)
採用条件:大学卒以上、英検中級またはTOEIC550点以上の英語力、日本語能力検定旧方式3級、新制N4レベルの日本語力
採用試験:2021年9月

ニュースソースはこちら:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac27b0849b2017b0f2d131c31cc

EMU3000商務車(ビジネスクラス)愛称募集

また、新型特急EMU3000の商務車(ビジネスクラス)の愛称募集が発表されました。

募集期間は2021年7月28日〜8月10日。この中から110名のスタッフのオンライン投票(9月1〜24日)によって優秀作品3つが選出されます。さらに、上位レベルの監督者によって最終的に決定されます。

愛称は2021年10月20日に公表される予定です。

ニュースソースはこちら:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac37b272fe3017b2f1c75d3074c

編成表

第1編成は以下の通りの構成、設備、車番となっています。

←屏東・高雄方面

試運転情報

EMU3000の試運転予定は以下の通りです。
縦貫線西部幹線山線・成追線・海線で実施されます。

2021年8月19~21・23~27・30・31・9月1日
8771次 樹林調車場(9:49)→豐原
8771C/D/E/F/J次 豐原⇄三義
8771J次 豐原→樹林調車場

2021年9月3・6・7日
8771次 樹林調車場(16:40)→追分→成功
8773次 成功(23:45)→追分→成功

2021年9月4・7日
8772次 成功(10:20)→ 樹林調車場(山線経由)

2021年9月8日
8772次 成功(10:20)→追分→樹林調車場(海線経由)

(中南部地区)

2021年9月14〜17・23・24
8771次 樹林調車場(9:49)→豐原
8771C/D/E/F/G/H 豐原⇄三義
8771J次 豐原→ 樹林調車場

2021年9月22日
8771次 樹林調車場(7:00)→隆田 (山線)
8771C/D/E次 隆田→嘉義
8774B次 嘉義(14:40)→樹林調車場

2021年9月27日
8771次 樹林調車場(9:49)→新營(山線)
8771C/D/E/F/G/H次 新營⇄後壁
8771J次 新營→潮基

2021年9月28日
8772次 潮基(10:30)→樹林調車場(山線)

2021年9月29日
8771次 樹林調車場(7:00)→隆田(山線)
8771C/D/E次 隆田→嘉義
8772次 嘉義(14:40)→豐原 8772次
8772/3次 豐原(23:30)→三義

2021年9月30日
8773B/C/D/E/F/G 豐原(10:30)⇄三義
8774次 豐原→樹林調車場

EMU3000関連グッズ販売

試運転の始まったEMU3000関連グッズの販売が2021年8月21日から始まりました。

商品と価格は次の通りです。
いずれもEMU3000がデザインされています。

雙層經典便當盒(ランチボックス):NT$
領帶夾(ネクタイクリップ):NT$139
造型隨身碟(USB) 32G/64G:NT$390/490
文件資料夾(クリアファイル):NT$50
雷射隨身碟筆(レーザーペン):NT$299
帶蓋雙層玻璃杯(蓋つきグラス):NT$480
簡約保溫瓶(保温マグボトル):NT$399

商品画像はこちら:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/85aef9f1-3dd0-4da7-8d7d-612e7846f714

販売チラシ:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/504bf91c-0b58-4a4a-a21b-78ebd3674952

店頭とネットの両方で販売されます。

臺鐵夢工場(臺北旗艦店、松山店、南港店、鳳山店、花蓮店)
臺鐵本舖(臺北站、臺中站、高雄站)
臺鐵夢工場ネットショップ:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip005/tip511/shop

台鉄のニュースリリースはこちらから:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac37b5fd581017b6341005901d6

まとめ

新型特急車両は評判の良くない西部幹線E1000型PPの置換え用と想像していましたが、東部幹線に優先投入されるようです。
現行の東部幹線の特急太魯閣、普悠瑪の輸送力に限界があって、特急券の入手すら難しくなっていることが最優先されたものと思われます。

2021年7月末に台湾搬入後、試運転を経て営業運転に入る予定です。訪台できないため日本で可能な限り情報を集めて、アップデートしていきます。

2020年3月18日、台湾外交部は、中華民国籍ではない旅行者について、中華民国での在留許可があることを証明する居留証、外交公務証明、商務履約証明のいずれかを所持している人などを除いて一律入国を拒否すると発表、外国人は原則入国禁止となっています。

それでは台湾🇹🇼でお会いしましょう! 大家台湾見!

コメント

  1. あき より:

    民主党政権による経済破綻危機を忘れぬ為

    突然の書込み大変失礼致します。
    この度は今一度 皆様に知って頂きたい事があり、誠に恐縮ですが書込ませて頂きました。

    マスコミの扇動が露骨になる中、2009年この世論誘導により誕生した民主党政権の3年間は、公約をほぼ全て反古にし(公約に反し消費税も増税)、

    異常な円高誘導で国内企業を空洞化した結果、株価は8千円代まで下がり、日本経済は破綻寸前まで追込まれた事は周知の通りです。

    ミスリードが行われるこのコロナにおいても、日本の死者数は世界でも圧倒的に少なく、G7で最も抑制に成功しており(データによりコロナで死んでいない日本人は99%)

    倒産、失業率と突出した低さをキープし(世界2位の補償額)、ワクチン接種回数は1億回を超え現在世界5位の速さですがこれも正しく報道されず、
    メディアは毎日不安を煽り、倒閣の為経済を止める方向へ誘導を続けています。

    自民党が全て良いとは言えませんが、データに基づいた客観的事実や、対策を限界にさせている現法改正に対する民主党の妨害、数々の不祥事も民主党は報道されず、

    2009年同様の政権交代を再現すべく、共闘し世論誘導を仕掛けている事を 一人でも多くの方が気付き、
    自ら情報を拾い判断する大切さや、
    国民1人1人の投票で政権をも決定する重さがある事をどうか知って頂きたいと思い、こちらを貼らせて頂きます。
    https://pachitou.com/2021/08/15/国民の敵マスゴミとの戦いの正念場/
    長文、大変申し訳ありません。

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