台湾の国鉄にあたる台鉄は、環島する縦貫線の最後に残った区間の南廻線が電化されて全線の電化が完了しました。
これにともなって2020年12月23日にダイヤ改正が実施され、ディーゼル特急の電車化による速達化が図られると同時に、人気のあった客車による鈍行列車「普快車」が廃止されることになり、12月22日がラストランとなりました。
今回はその一連の模様についてお話していきますので、最後までよろしくお願いいたします。
2020年12月23日ダイヤ改正の概要
縦貫線の南廻線(枋寮〜台東)の非電化区間、枋寮〜知本間86.6kmの電化開業に伴うダイヤ改正が2020年12月23日に実施されました。
枋寮〜知本を跨ぐ「普悠瑪」とPPによる「自強號」の運行が始まるほか、区間車の一部も電車に置き換えられました。普悠瑪の運行により、所要時間は、高雄~台東間で最大27分、高雄~花蓮間で最大39分のスピードアップが実現しました。
新たに設定された普悠瑪は以下の通りです。いずれも既存ディーゼル特急(自強號)のスジを置き換えた上で、運行区間の延長も合わせて実施されます(改正前時刻表からの変更点を備考欄に追記しました)。
普悠瑪 | 列車番号 | 運転区間 | 主要駅発着時刻 | 備考 | ||
303次 | 新左営→花蓮 | 高雄 | 台東 | 花蓮 | ||
毎日運転 | 08:35発 | 10:25発 | 12:45着 | |||
127次 | 南港→台東 | 台北 | 高雄 | 台東 | 潮州~台東延長 | |
毎日運転 | 13:30発 | 17:09発 | 18:57着 | |||
327次 | 新左営→台東 | 高雄 | 屏東 | 台東 | 金曜日曜運転から 毎日運転に変更 |
|
毎日運転 | 21:42発 | 22:02発 | 23:48着 | |||
110次 | 台東→南港 | 台東 | 高雄 | 台北 | 潮州始発から 台東始発に変更 |
|
毎日運転 | 05:53発 | 07:57発 | 11:33着 | |||
422次 | 樹林→新左営 | 台北 | 台東 | 高雄 | 台東~新左営延長 | |
毎日運転 | 10:48発 | 15:10発 | 17:01着 | |||
326次 | 花蓮→新左営 | 花蓮 | 台東 | 高雄 | 台東始発から 花蓮始発に変更 |
|
毎日運転 | 16:26発 | 18:35発 | 20:50着 |
また、プッシュプル(PP)のE1000形を使用する自強號については以下の通りとなっています。
自強號 | 列車番号 | 運転区間 | 主要駅発着時刻 | 備考 | ||
301次 | 台南→花蓮 | 高雄 | 台東 | 花蓮 | ||
毎日運転 | 07:09発 | 09:20発 | 11:03着 | |||
305次 | 新左営→台東 | 高雄 | 屏東 | 台東 | ||
金曜運転 | 08:43発 | 09:03発 | 10:51着 | |||
324次 | 花蓮→台南 | 花蓮 | 台東 | 高雄 | ||
毎日運転 | 15:58発 | 17:54発 | 19:58着 | |||
310次 | 台東→新左営 | 台東 | 屏東 | 高雄 | ||
日曜運転 | 12:20発 | 14:08発 | 14:28着 |
普快車廃止
今回のダイヤ改正にともない、日本製などの旧型客車を用いて台東~枋寮間で毎日1往復のみ運行されていた「普快車」は廃止されました。
なお「普快車」で使われていた車両は、アコモ改造を施した上で、2021年度以降観光列車として運行される予定です。
ダイヤ改正前日の模様がビデオ公開されています。
普快列車3671次 台東~枋寮


普快列車3672次 枋寮~台東




この「普快車」についてはこちらの記事もご覧ください。
台鉄の発表した新規観光列車計画は別記事にまとめています。
電化開業記念式典
電化開業に先立つ2020年12月20日に台東駅で記念式典が開催されました。

蔡台灣総統が乗車する普悠瑪號TEMU2000を用いた記念列車が屏東〜台東間で運行されました。

蔡総統自身もFBでその模様を公開しています。

まとめ
念願の南廻線の全線電化が完成し、電車特急が環島することになります。景色の良い区間でもあり、のんびりと走るのも味わいのあるものですが、特急で2時間10〜40分かかっていた高雄〜台東間が、30分近く時間短縮されることで利便性の向上が期待されます。
今回の改正では走行距離が500kmを超える「普悠瑪」が登場します(普悠瑪422次)。樹林や台北から花蓮、台東経由で高雄や新左営に行く客は鉄道マニア以外にはいないでしょうが、東部幹線沿線から高雄方面へのアクセスとして重宝することになるのでしょう。
また、新型通勤車のEMU900の増備にともなって、手動ドア客車を使用する莒光號(急行)や復興號(準急)を置きかえていくことになります。急行や準急のスジは特急(自強號)や通勤車を使用した区間快車(快速)とされて、台湾も日本のように急行がなくなってしまうのかも知れませんね。
2020年3月18日、台湾外交部は、中華民国籍ではない旅行者について、中華民国での在留許可があることを証明する居留証、外交公務証明、商務履約証明のいずれかを所持している人などを除いて一律入国を拒否すると発表、外国人は原則入国禁止となっています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは台湾🇹🇼でお会いしましょう! 大家台湾見!
👋掰掰👋
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