【台湾/台湾鉄道】新型特急EMU3000 安全祈願儀式実施後台湾に向け航行中

台湾
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この記事は2019年12月、2020年5月、8月、2021年6月のエントリーに加筆したものです。

台灣国鉄(台湾鉄路管理局)は、昨年日立製作所が落札した新型特急電車を、2021年に東部幹線へ投入することを発表しています。

2019年11月30日にはそのデザインが発表され、12月13日の台北駅「鉄道美学に関するフォーラム」でそのコンセプトが詳細に説明されました。

2020年8月22日の台鉄の新聞発表(HPで公表)によると、新型特急の形式はEMU3000とされています(「3-1.2020年8月22日最新ニュース」をご覧ください)。

武漢肺炎流行の影響により、2021年6月にずれ込む見込みと報道されていた搬入ですが、今回の台湾域内における警戒レベル3発令などに伴って更に遅れる見込と2021年6月2日に当局より発表がありました。その後、7月30日搬入との現地報道がありました(「2-1.当初編成の搬入は2021年7月30日」をご覧ください)。

2021年7月21日の当局発表によれば、台湾搬出にあたっての安全祈願儀式が山口県下松市の笠戸事業所で実施されました。26日に日本を出港しました。

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台湾国鉄の特急列車(自強號)

台湾国鉄では「特急」という名称はなく、「自強號」が最上位列車の位置づけになっています。
ここでは便宜的に「特急」として記載していきます。

現在、特急用の車両は以下のラインナップになっています。

E1000型電車PP(猪車):445両
1996年8月運用開始。
特急運用の主力車両でフランスのTGVなどと同じく、両端に電気機関車、中間に客車を連結するプッシュプル方式を採用。

 

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EMU1200型電車(紅斑馬(赤いシマウマ)):30両
1986年登場のEMU200型電車(南アフリカUCW製)を2003年1~7月に更新改造。
当初の電動車1両、付随車・制御車2両の3両固定編成を9両固定編成に組成変更。
駆動方式は吊掛式。
西部幹線南部で運用。
EMU3000就役とともに引退が予定されています。

 

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EMU300型電車:24両
1989年運用開始。
イタリア・ソシミ社製で3両ユニットを組合わせて6〜9両で運用。
駆動方式は吊掛式。
西部幹線北部で運用。
メーカーの倒産により部品の確保を含め修理が難しく運用が減らされています。
2021年4月から故障により定期運用を外れていましたが、6月に試運転が行われました。
EMU3000就役とともに引退が予定されています。

 

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DR2800型気動車:45両
1982年6月運用開始。
日本東急車輛製造。
北廻線の開通・台東線の改軌により台北から東海岸方面へ新設された特急用として製造されました。

 

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DR2900型気動車:15両
1986年12月運用開始。
日立製作所製造。

 

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DR3000型気動車:75両
1990年運用開始。
日立製作所製造。
DR2900と同形。

 

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DR3100型気動車:30両
1998年8月運用開始。
日本車輌製造。

 

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気動車は3両ユニットで6両から15両編成で特急に使用されるとともに、3両などで各停でも運用されています。
DR2800、2900と3000はEMU3000の配備に伴い、運用から外れることが見込まれています。

TEMU1000型電車「太魯閣」:64両
2007年2月16日運用開始。
日立製作所製造。
北廻線の高速化対応としてJR九州の885系を原型として製造された振り子式電車。

2021年4月2日、3次車第1編成(TEMU1013+1014)が花蓮県秀林郷大清水トンネル手前で、線路上に転落していた工事用トラックと激突し脱線。運転士を含む49人(当初50人から修正)が死亡、200人余りが負傷した事故が発生しました。

このTEMU1013+1014は、2016年3月21日よりエバー航空・台湾サンリオとのコラボによってハローキティのラッピングが施されていました。2018年に乗車した際の画像がありましたので、掲載いたします。





R.I.P.

TEMU2000型電車「普悠瑪」:152両
2013年2月6日運用開始。
日本車輌製造。
花蓮〜台東の電化に伴い高速化対応として製造された車体傾斜式電車。

 

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新型特急電車の概要

2018年に「城際電聯車」(インターシティトレイン)として12両固定編成600両が新造されることが発表されました。
最終入札は日立製作所とスイスのシュタッドラーの一騎打ちで、2018年12月日立製作所が落札しました。

12両固定編成全50編成(計600両)のうち

ビジネスクラス(商務車)各1両:48編成
食堂車各1両:2編成

とされることが、当初の計画では発表されています。

今回の発表では車両のデザインとビジネスクラスと一般車両のインテリアが公表になっています。
前面はホワイトとブラック、その他のエクステリアとインテリアはホワイトとグレーを基調としたモノトーンでシンプルなデザインとなっています。

発表内容は以下のサイトで確認することができます。

http://japan.cna.com.tw/news/afav/201911300006.aspx
https://today.line.me/TW/article/R1QPkz?utm_source=lineshare

現在台湾で運行されている特急太魯閣、普悠瑪が8両編成なのに対し、新特急は12両編成で座席数は139席増。
今後50編成全てが投入されれば、輸送力は平日で36%、休日では43%向上することが見込まれるとのことです。
営業運転では最高速度130km/hということですので、特急太魯閣、普悠瑪と同水準ですね。

なお、2021年4月9日の現地紙には「台鉄改革」に関する記事が掲載されています。政府に対して、現行の西部幹線の速達列車の運転時間制限の解除を求めることで、台北〜台中を1.5時間、台北〜高雄を3時間で結ぶ「直達」列車の導入を考えているようです。EMU3000の投入によって高鐡並みの列車本数が確保できるとのことです。

記事はこちらから:https://udn.com/news/story/12562/5376017

当初編成の搬入は2021年7月30日

2020年の末頃に最初の2編成が搬入されて、2021年から東部幹線へ投入される予定でしたが、2020年に入って流行した武漢肺炎の影響により、最初の編成の搬入は2021年2月以降にずれ込む見通しとの報道がありました。

報道はこちら:https://news.ltn.com.tw/news/life/breakingnews/3142182?fbclid=IwAR29Gw-2qs_WxYCqYlSTQfL9YlshkvlhuYKC969ecw1owY9kDs3aX6pRST0

普悠瑪TEMU2000は基隆港で車両の積み下ろしを行いましたが、この新型車両は600両全車が山口県下松市の日立製作所笠戸事業所で製造後、船積みされ花蓮へ輸送されます。船からの積み下ろし、線路等周辺設備の修整、乗務員習熟運転、車両整備等すべて花蓮が主体となって行われます。

その後の発表では、さらに遅れる見込みで、2021年4月11日付の発表(FBで公開)によると、搬入予定は以下の通りとなっていました。

2021年6月 1編成12両 7月 1編成12両 12月 5編成60両(計7編成84両)
2022年 15編成180両
2023年 16編成192両
2024年 12編成144両

2021年6月2日、台湾国内での中国ウイルス陽性者急増、全域での警戒レベル3発令などにより、日立担当者のビザ発給が間に合わず、搬入はさらに遅れるとの当局発表がありました。

FBに掲載された記事を引用します。

受疫情影響 臺鐵EMU3000新型城際電聯車到港卸船將調整延後

新聞稿
發文單位:交通部臺灣鐵路管理局
發文日期:110年6月2日發
聯絡人:機務處車輛科科長 魏大翔
因受到疫情升級影響,依中央流行疫情指揮中心(CECC)規定,邊境管制到6月18號,原先預定於6月下旬在花蓮港辦理卸船的EMU3000新型城際電聯車第1編組,因立約商日立亞太公司工作人員無法申請赴臺簽證,致EMU3000新城際列車無法按原預定時間抵臺,後續將視疫情趨緩後,持續協助立約商加速工作人員申請赴臺及辦理交車作業。
EMU3000型城際電聯車新車抵臺後,後續將進行約3個月的相關測試,為確保新購車輛之品質與營運安全,臺鐵試車小組將會同立約商台灣日立亞太公司及第三方獨立認證與驗證(IV&V)公司臺灣德國萊茵技術監護顧問股份有限公司等相關單位,密集進行各項交車測試,完成後即可投入營運,預計110年(今年)交車7列共84輛,111年交車15列共180輛,112年交車16列共192輛,至113年將50列共600輛全數交車,並依計畫逐年汰換舊車,提供旅客更為優質、安全的乘車服務。(引用終)

この発表後、臺灣鐵路管理局の発表は確認できていませんが、2021年7月7日午前の現地報道で搬入は7月30日とされています。

ニュースソースはこちら:https://udn.com/news/story/7266/5583711

EMU3000日立製作所笠戸に姿を現わす

2021年6月22日、EMU3000先頭車両を撮影した画像がツイートされていました。

ホワイトのボディにブラックの前面、連結面側上部に赤いラインが入っていて格好良いですね。
下の「鳴日」で公表されたデザイン(本記事のアイキャッチ画像)通りのようです。

また、ツイッターに車内(おそらく商務車)と扉周りの画像が紹介されていました。

台湾搬出前の「安全祈願儀式」実施

2021年の台鉄当局発表によると、山口県下松市の日立笠戸事業所で安全祈願儀式が実施されたとのことです(画像は当局発表サイトから引用しました)。

https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/b8189c3d-48ee-4809-90ce-ebe505742985
https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/fa8d1540-9a28-4e33-b1c7-d143229aa10a
https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/39e40c53-e088-414c-9115-cf145dbf3b07
https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/afad7447-35ad-4b49-9fc5-39953edeb167

ニュースソースはこちらから:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac37ac54c46017ac7798fe800cd

日本出港の模様

2021年7月28日には、日本から台湾花蓮に向けて出港したことが当局から発表されています(画像は当局サイトから引用しました)。
ホワイトが主体のブラックフェイス、車端上部に赤いラインが入っているのみという美しさ(営業運転後の汚れが心配)です。

https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/29de8952-0945-4cf1-95b6-d503015c31cd
https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/9a85092f-75d1-4114-98a9-fd7073a17f3a
https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/file/dc522371-a551-431f-b43c-c7fdf3e4334d

ニュースソースはこちらから:https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac37ae958cc017aeb2f6bc300a8

鳴日 – 臺鐵美學復興 FUTURE – RENAISSANCEの模様



鳴日-臺鐵美學復興 FUTURE-RENAISSANCE 特別展示の概要

開催時期:2019年12月13日〜22日 10:00〜18:00(当初15日迄の予定を期間延長)
展示場所:台北駅1階コンコース
入場料金:無料

観光列車の改造、新型通勤電車、そして新型特急電車が主なテーマでした。

新型特急電車のモックアップ、設計者のコメントや座席モデル(生地含む)などが展示されていました。





ビジネスクラス車両の座席

一般車両の座席


2020年8月22日最新ニュース

公式サイトで新型特急や通勤車、また故障の多いEMU500のメンテナンスなどについて発表(最新消息)があり、新型特急の形式はEMU3000とされています。
臺鐵HP 2020/08/22発表

まとめ

新型特急車両は評判の良くない西部幹線E1000型PPの置換え用と想像していましたが、東部幹線に優先投入されるようです。
現行の東部幹線の特急太魯閣、普悠瑪の輸送力に限界があって、特急券の入手すら難しくなっていることを重視したのでしょう(特急太魯閣、普悠瑪は基本的に全席指定席です)。

プレスリリースを見る限り、いかにも日立という感じがしますね。台湾国鉄のことなので、これから二転三転しそうな予感もしなくもありません。

ここでも武漢肺炎の影響があり納期が遅れていますが、これ以上のトラブルがなく無事搬入されると良いですね。

2020年3月18日、台湾外交部は、中華民国籍ではない旅行者について、中華民国での在留許可があることを証明する居留証、外交公務証明、商務履約証明のいずれかを所持している人などを除いて一律入国を拒否すると発表、外国人は原則入国禁止となっています。

それでは台湾🇹🇼でお会いしましょう! 大家台湾見!

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