【クラシック】反田恭平プロデュースオンデマンド第4回 ソロ・リサイタル

ピアノ
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ピアニストの反田恭平さんが主宰するオンデマンド・コンサート第4回は反田さんのソロ・リサイタルでした。

このコンサートは、中国ウイルスの影響によって次々とリサイタルが中止、延期となっている状況のもとで、なんとかアーティストの演奏場所を確保しようとインターネットライブ配信を行うというもので、第1回の模様はTVの特集や情熱大陸などでも採り上げられました。

第1回は室内楽、第2回は務川彗悟さんとのピアノ・デュオ、第3回はMLMナショナル管弦楽団が出演しました。

そして、今回は反田さんの2020年度リサイタルツアーの東京公演をインターネットライブ配信して実施されました。

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「オンデマンド・コンサート Hand in hand」

第1回コンサートは、サントリーホールのブルーローズで「(管楽器による)室内楽」をテーマとして、ピアノと管楽器のアンサンブルコンサートをネットでライブ配信しました。それまでのYouTubeなどのアーティスト個人の自主的な配信とは違って異なり、有料配信として次のコンサートに繋げていこうという趣旨で、これまで3度にわたって開催されています。

第3回の模様は以下のリンク先をご覧ください。


反田恭平ピアノ・リサイタルツアー2020

2020年度の「反田恭平ピアノ・リサイタルツアー2020」は8月に延期されました。この東京公演も当初は4月2日に予定されていたものです。さらに、中国ウイルス予防対策指針に従って、ホールで使用できる客席数が半分程度となったことなどから、内容が変更されています。

プログラム

Aプログラム

ショパン:ノクターンOp.9、スケルツォ第2番 変ロ長調 Op.31
シューマン:トロイメライ
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54、無言歌集 第1巻 Op.19
グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日
シャブリエ:スケルツォ・ワルツ
リスト:メフィストワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」S.514 R.181

Bプログラム

スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.1、ソナタ イ短調 K.3、ソナタ ニ短調 K.9
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54、無言歌集 第1巻 Op.19
ショパン:ラルゴ 変ホ長調、ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」Op.53
リスト:詩的で宗教的な調べより第7番 「葬送」

(Aプログラム、Bプログラムともに休憩はありません)

ツアースケジュール(変更後)

ピアノ・リサイタルツアー2020〈長野〉

2020年8月12日(水)サントミューぜ(上田市交流文化芸術センター大ホール) Bプログラム

ピアノ・リサイタルツアー2020〈愛知〉

2020年8月13日(木)愛知県芸術劇場大ホール Aプログラム(マチネ)Bプログラム(ソワレ)

ピアノ・リサイタルツアー2020〈兵庫〉

2020年8月16日(日)兵庫県立芸術文化会館 KOBELCO大ホール Bプログラム2公演

ピアノ・リサイタルツアー2020〈東京〉

2020年8月23日(日)サントリーホール Aプログラム(マチネ)Bプログラム(ソワレ)

オンデマンド・コンサートHand in hand Vol.4

2020年8月23日(日)Aプログラム(マチネ)Bプログラム(ソワレ)
アーカイブ視聴可能期間:8/25(火)23:59まで

ピアノ・リサイタルツアー2020〈広島〉

2020年8月29日(土) アステールプラザ Aプログラム(マチネ)Bプログラム(ソワレ)

ピアノ・リサイタルツアー2020〈札幌〉

2020年9月27日(日)札幌コンサートホールKitara Aプログラム(マチネ)Bプログラム(ソワレ)

反田恭平ピアノリサイタルツアー2020

オンデマンド・コンサートHand in hand Vol.4「反田恭平 ピアノ・リサイタル2020」の模様

ピアノ・リサイタルツアー2020に関するつぶやき

今回のリサイタルツアーについてのツイートを拾ってみました。

ツアー初日を迎えての思いなど
https://twitter.com/kyohei0901/status/1293470151967309825?s=21

兵庫芸文でのリサイタルを前に

地元紙で採り上げられています

サントリーホールAプログラムで使用するピアノの選定

オンデマンドコンサートAプログラム 開演から終演まで

とても明るく鳴るピアノを選定されたようで、反田さん独特のキラキラと輝く音が美しく響きました(響きわたりました、としたいところなのですが、ホールで聴いたわけではないので残念)。

逆に、汗かきの反田さんの「汗」は3曲目のショパンのスケルツォ第2番の時点で既に飛び散る状態、そして表情も大きく変化していることがわかったのはストリーミングならではですが、奏でられたのは冷静な音楽運びの落ち着いた音楽でした。ただそれは、醒めているという意味ではなく、自らオーケストラを結成したり、先日の2台ピアノツアーでの経験を経て、その音楽は語彙が豊富で深く聴き手の心に入ってくるものでした。

今回のテーマは「音の声」、ピアノ作品は歌から来たと考えているので、とおっしゃっていましたが、その通り感銘度の高い演奏を楽しみました。

アンコールはショパンのワルツ第4番、そして2曲目は考えた末に「英雄ポロネーズ」でした。この日のBプロでこの曲を別のピアノ「ローズウッド」で弾くので、ピアノによる違いを聴き比べることができるようにあえて弾いたとのことです。既に80分近く連続して弾いたあとに英ポロを聴けるとは思ってもいませんでした。

最後にマイクを持って挨拶をされ、アンコールの3曲目はショパンの「ラルゴ」。これで、メンデルスゾーンの変奏曲と無言歌に加えて、英ポロとこの曲もピアノの違いを味わう楽しみができました。

オンデマンドコンサートBプログラム 開演から終演まで

Bプログラム、ソワレで使用されたのは、1887年製スタインウェイ・ローズウッドでした。

タカギ・クラヴィアが所有されているこのピアノは、反田さんは江口玲さんのリサイタルに出演されたときにも弾いておられますし、新譜発売されたメンデルスゾーンのアルバムの演奏にも使用されています。

Aプロのスタインウェイと比べて、音の分離が明確で繊細、粒立ちのきらめきが際立っている上に、温かみややわらかさを有しているように感じました。

強音のコントロールが難しい、というか割れたりしないのかなと思いましたが、よくコントロールされて丸みを帯びたベルベットのような響きが聴こえてきました。反田さんがこう弾きたい、表現したいということがこのローズウッドに伝わり、ピアノが応えていることがわかります。

もっとも印象的だったのは、最後に演奏された「詩的で宗教的な調べ第7曲「葬送」」で、その感動的な演奏に涙してしまいました。現代スタインウェイでメフィストワルツを、そして葬送をこのピアノで演奏した理由もなんとなく理解できたような気がしています。

アンコールは「これは外さないだろう」と思っていた「トロイメライ」、そしてオンデマンド第1回の最初に演奏したシューマン/リストの「献呈」。美しく、やわらかく優しく語りかける演奏で終演となりました。

終演後のツイート
https://twitter.com/kyohei0901/status/1297519031285506048?s=21

CD「メンデルスゾーン:無言歌集&厳格な変奏曲 Op.54」収録曲

今回発売されたディスクの収録曲は次の通りとなっています。

アルバムの綴り「無言歌」 ホ短調 Op.117
無言歌集第1巻 Op.19 1.ホ長調<甘い思い出>
無言歌集第1巻 Op.19 2.イ短調<後悔>
無言歌集第1巻 Op.19 3.イ長調<狩りの歌>
無言歌集第1巻 Op.19 4.イ長調<ないしょ話>
無言歌集第1巻 Op.19 5.嬰ヘ短調<眠れぬままに>
無言歌集第1巻 Op.19 6.ト短調<ヴェネツィアの舟歌>
無言歌集第2巻 Op.30 1.変ホ長調<瞑想>
無言歌集第2巻 Op.30 2.変ロ短調<安らぎもなく>
無言歌集第2巻 Op.30 3.ホ長調<慰め>
無言歌集第2巻 Op.30 4.ロ短調<道に迷って>
無言歌集第2巻 Op.30 5.ニ長調<小川>
無言歌集第2巻 Op.30 6.嬰ヘ短調<ヴェネツィアの舟歌>
無言歌集第3巻 Op.38 1.変ホ長調<宵の明星>
無言歌集第3巻 Op.38 2.ハ短調<失われた幸福>
無言歌集第3巻 Op.38 3.ホ長調<詩人の竪琴>
無言歌集第3巻 Op.38 4.イ長調<望み>
無言歌集第3巻 Op.38 5.イ短調<情熱>
無言歌集第3巻 Op.38 6.変イ長調<デュエット>
厳格な変奏曲 Op.54

録音:2020年6月 所沢市民文化センターミューズ 大ホール
使用ピアノ:1887 年製ニューヨーク・スタインウェイ〈ローズウッド〉

購入はこちら:https://shop.eplus.jp/novarecord/all/vol.1op.54/

販売期間:2020年8月12日(水)12:00~31日(月)23:59
(9月上旬より順次発送を予定)

今回の東京公演の最後に、反田さんから無言歌は2、3年かけて全曲録音していくとのお話がありました。楽しみですね!

まとめ

反田さんのコンサートツアーも東京公演が終わり、残すところ広島と札幌の2公演となりました。

僕は毎年のように聴いていたツアー、2019年度はあえておやすみしましたが、2年ぶりのリサイタルはとても素晴らしく、感動に浸りました。僭越ながら、音楽のスケールがより大きく、そして深くなったと感じました。これからがますます楽しみです。

オンデマンド第5回の予告は今回ありませんでしたが、6回7回、10回と続けていくとの決意表明がありましたので、お知らせを待ちましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞

コメント

  1. […] […]

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