【ピアノ】反田恭平 NOVA1stソロアルバムMendelssohn 1

ピアノ
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ピアニストの反田恭平さんが自社レーベルのNOVA Recordを立ち上げて一年を経て、ご自身初めてのソロ・アルバムが2020年8月12日にリリースされました。

僕は、ストリーミング視聴した2020年8月23日のリサイタルと同時に、このサイン入りCDを申込み、先日手許に届きました。

今回は、メンデルスゾーンの無言歌を中心とした収録曲について、アルバムのコンセプトなどについてみていきます。

最後までよろしくお願いいたします。

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反田恭平「Mendelssohn 1」メンデルスゾーン 無言歌集Vol.1 &厳格な変奏曲Op.54

アルバム収録曲

今回発売されたアルバムには、メンデルスゾーンの「無言歌集」1〜3巻の18曲などが収録されています。

01.アルバムの綴り「無言歌」 ホ短調 Op.117
02.無言歌集 第1巻 Op.19 1.ホ長調 <甘い思い出>
03.無言歌集 第1巻 Op.19 2.イ短調 <後悔>
04.無言歌集 第1巻 Op.19 3.イ長調 <狩りの歌>
05.無言歌集 第1巻 Op.19 4.イ長調 <ないしょ話>
06.無言歌集 第1巻 Op.19 5.嬰ヘ短調 <眠れぬままに>
07.無言歌集 第1巻 Op.19 6.ト短調 <ヴェネツィアの舟歌>
08.無言歌集 第2巻 Op.30 1.変ホ長調 <瞑想>
09.無言歌集 第2巻 Op.30 2.変ロ短調 <安らぎもなく>
10.無言歌集 第2巻 Op.30 3.ホ長調 <慰め>
11.無言歌集 第2巻 Op.30 4.ロ短調 <道に迷って>
12.無言歌集 第2巻 Op.30 5.ニ長調 <小川>
13.無言歌集 第2巻 Op.30 6.嬰ヘ短調 <ヴェネツィアの舟歌>
14.無言歌集 第3巻 Op.38 1.変ホ長調 <宵の明星>
15.無言歌集 第3巻 Op.38 2.ハ短調 <失われた幸福>
16.無言歌集 第3巻 Op.38 3.ホ長調 <詩人の竪琴>
17.無言歌集 第3巻 Op.38 4.イ長調 <望み>
18.無言歌集 第3巻 Op.38 5.イ短調 <情熱>
19.無言歌集 第3巻 Op.38 6.変イ長調 <デュエット>
20.厳格な変奏曲 Op.54

反田恭平(ピアノ)
使用ピアノ:1887 年製ニューヨーク・スタインウェイ〈ローズウッド〉
2020年6月 所沢市民文化センターミューズ 大ホール

収録に使用した1887年製スタインウェイローズウッド「D-54958」は、かつてカーネギーホールでも使われたあと、日本に渡り、キャピトル東急ホテルに所蔵されていました。

1986年にホロヴィッツの2度目の来日の際にこのホテルに滞在、ローズウッドを見つけて「素晴らしいピアノ」「これなら自分のピアノを持ってくる必要はなかった」と言ったということです。現在はタカギクラヴィアが所有しています。

公式ステージでは江口玲さんのリサイタルに反田さんがゲスト出演された際に、反田さんは(おそらく初めて)ローズウッドを弾いています(このときはCD75とローズウッドの共演でした)。

無言歌集を採り上げたコンセプト

アルバムのブックレットによれば、反田さんが「無言歌集」に初めて出会ったのは小学生の頃で、曲はこのアルバムにも収録されている第3集6曲目6「デュエット」だったそうです。

反田さんに限らずピアノレスナーであれば、小学生か中学生の頃に触れることの多く、比較的「やさしい」と捉えられている作品集ですが、この曲集の「歌」は今まさに反田さん自身がもっとも深めたいと考えている音楽性で、この曲集に取り組むことは音楽家としての反田さんに大切なものを与えてくれると思ったとのことです。

今後の予定

せっかくならば抜粋ではなく、全8集48曲を網羅するとのことで、今後は別のピアノ曲を入れたり、協奏曲イ短調でMLMナショナル管弦楽団との共演で収録することを考えているとのことです。今回のアルバムにも「アルバムの綴り」と「厳格な変奏曲」が収録されています。

NOVA Recordはアーティストの自由な発想を尊重するレーベルとして立ち上げたこともあり、反田さん自身がその象徴となるアルバムを作りたいという思いがあったようです。

そのほか、ブックレットには「無言歌集の全曲網羅の意義」「メンデルスゾーンの書法に対する気づき」などインタビュー形式で掲載されていますので、ご興味のある方はぜひ購入してお読みください。

メンデルスゾーン「無言歌集」

メンデルスゾーンが活躍していた頃には、ブルジョア家庭を中心にピアノが教養として普及しました。
そのために家庭で気楽に弾ける作品が多く作られ、この「無言歌集」もその一つとされています。

この「無言歌集」は各6曲全8集で、メンデルスゾーンの存命中に出版されたのは第6集までで、第7集は1851年に、第8集は1867年に出版されています。

なお、第1集の出版時には「ピアノのためのメロディー」とされ、「無言歌集」の名称となったのは1835年の第2集出版以降ということです。

第1巻 作品19
01 ホ長調「甘い思い出」
02 イ短調「後悔」
03 イ長調「狩人の歌」
04 イ長調「信頼」
05 嬰ヘ短調「眠れぬままに」
06 ト短調「ヴェネツィアの舟歌 第1」(6曲中メンデルスゾーン自身による副題をもつ唯一の作品)

第2巻 作品30
01 変ホ長調「瞑想」
02 変ロ短調「心配(安らぎもなく)」
03 ホ長調「慰め」
04 ロ短調「さすらい人」
05 ニ長調「小川」
6.嬰ヘ短調「ヴェネツィアの舟歌 第2」 (6曲中メンデルスゾーン自身による副題をもつ唯一の作品)

第3巻 作品38
01 変ホ長調「夕べの星」
02 ハ短調「失われた幸福」
03 ホ長調「詩人の竪琴」
04 イ長調「希望」
05 イ短調「情熱」
06 変イ長調「デュエット」(6曲中メンデルスゾーン自身による副題をもつ唯一の作品)

第4巻 作品53
01 変イ長調「岸辺にて」
02 変ホ長調「浮雲」
03 ト短調「胸騒ぎ」
04 ヘ長調「心の悲しみ」
05 イ短調「民謡」(6曲中メンデルスゾーン自身による副題をもつ唯一の作品)
06 イ長調「勝利の歌」

第5巻 作品62(クララ・シューマンに献呈)
01 ト長調「5月のそよ風」
02 変ロ長調「出発」
03 ホ短調「葬送行進曲」
04 ト長調「朝の歌」
05 イ短調「ヴェネツィアの舟歌 第3」
06 イ長調「春の歌」

第6巻 作品67
01 変ホ長調「瞑想」
02 嬰ヘ短調「失われた幻影」
03 変ロ長調「巡礼の歌」
04 ハ長調「紡ぎ歌」
05 ロ短調「羊飼の嘆き」
06 ホ長調「子守歌」

第7巻 作品85
01 ヘ長調「夢想」
02 イ短調「別れ」
03 変ホ長調「狂乱」
04 ニ長調「悲歌」
05 イ長調「帰還」
06 変ロ長調「旅人の歌」

第8巻 作品102
01 ホ短調「寄る辺なく」
02 ニ長調「追憶」
03 ハ長調「タランテッラ」
04 ト短調「そよぐ風」
05 イ長調「楽しき農夫」
06 ハ長調「信仰」

無言歌集の音源

反田さんがおっしゃっている通り全曲盤は多くありません。

エッシェンバッハ(全曲盤(1975年録音/DG)、抜粋盤(1975年録音/DG))

全曲盤は国内盤は廃番で「Romantic Piano Music」というボックスセットで購入可能ですが、検索してみたところ中古盤のみしかありませんでした。

抜粋盤は全曲盤から20曲抜粋したものです。

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バレンボイム(全曲盤(1973年録音/DG))

もう一つの全曲盤はバレンボイムの演奏です。

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ギーゼキング(抜粋盤(1956年録音/EMI))

収録曲は17曲です。

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シフ(抜粋盤(1986年録音/DECCA))

収録曲は22曲です。








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ペライア(抜粋盤(1997年録音/SONY))

収録曲は15曲で、バッハ編曲集とのカップリングです。

まとめ

これまでにすでに何枚もアルバムを出されているだけに、自己レーベルの初アルバムはどういったものになるのか気になるところでした。

印象だけで申し上げるのも躊躇されますが、反田さんらしく考え抜かれたアルバムだという感想を持ちました。「歌」へのこだわりもそうですが、今年に入って「note」で公開されたブルグミュラーの25の練習曲も含め、ピアノ学習者にも優しいアルバムになっているとも感じました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

コメント

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