日本を代表するシエナ・ウインド・オーケストラの第49回定期演奏会が2020年2月8日、オープン20周年を迎えた文京シビックホールで行われました。また、同オーケストラがこのホールを拠点とするようになって10周年でもあります。
今回の指揮者は3度目となるパスカル・ヴェロさん、プログラムのテーマは「ロシア」でしょうか。ショスタコーヴィッチ、デ・メイのチャイコフスキーの作品による変容、ラフマニノフ、プロコフィエフの作品が並びました。
シエナWO第49回定期演奏会プログラム
日時 2020年2月8日 15:00開演 (14:20開場)
会場 文京シビックホール 大ホール
指揮:パスカル・ヴェロ
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
曲目
ショスタコーヴィチ/デ・メイ編曲:ジャズ組曲第2番
ヨハン・デ・メイ:エクストリーム・メイク・オーヴァー 〜チャイコフスキーの主題による変容
ラフマニノフ/森田一浩編曲:パガニーニの主題による狂詩曲
プロコフィエフ/上埜孝編曲:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」から
モンターギュー家とキャピュレット家
メヌエット
仮面
アンティル諸島から来た娘たちの踊り
ティボルトの死
ジュリエットの死
ジュリエットの墓の前のロメオ
指揮者のパスカル・ヴェロさんは第39回、第42回に続き3度目のタクトになりました。
ちなみに、第39回定期演奏会以降の指揮者は以下の通りでした。
第40回 バーンズ
第41回 渡邊一正
第42回 パスカル・ヴェロ
第43回 ヴァン・デル・ロースト
第44回 スパーク
第45回 宮川彬良
第46回 原田慶太楼
第47回 渡邊一正
第48回 原田慶太楼
指揮者 パスカル・ヴェロ 経歴
1959年、フランスリヨン生まれ。
ソルボンヌ大学卒業後、パリ国立高等音楽院で指揮法を学ぶ。
1985年 民音指揮コンクール第3位入賞、齋藤秀雄特別賞受賞。
1986〜1990年 ボストン交響楽団 副指揮者(小澤征爾氏の招請による)
1991〜1998年 ケベック交響楽団 音楽監督
1999〜2001年 新星日本交響楽団 首席指揮者
2001年〜現在 東京フィルハーモニー交響楽団 首席客演指揮者
2003〜2010年 ピカルディ管弦楽団 音楽監督
2006〜2018年 仙台フィルハーモニー管弦楽団 常任指揮者
2009〜2010年 コンビエーヌ帝国劇場 芸術監督
2018年〜 仙台フィルハーモニー管弦楽団 桂冠指揮者
パスカル・ヴェロとシエナWOとのこれまでの公演記録
第39回定期演奏会(佼成WOとのアベック開催)
日時:2015年1月17日 17:00
会場:文京シビックホール 大ホール
出演:パスカル・ヴェロ、シエナWO
曲目:
ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲
ヒンデミット:吹奏楽のための交響曲 変ロ調
ホルスト/C.マシューズ改訂:吹奏楽のための第2組曲 へ長調
ドビュッシー/真島俊夫編曲:喜びの島
ラヴェル/真島俊夫編曲:「ダフニスとクロエ」第2組曲
第42回定期演奏会
日時:2016年5月28日
会場:文京シビックホール 大ホール
出演:パスカル・ヴェロ、シルヴィー・ユー(クラリネット、ゲストコンサートミストレス)、シエナWO
曲目:
ポピー:オリエンタル組曲
真島俊夫:巴里の幻影
イベール:交響組曲「寄港地」
ウェーバー/真島俊夫編:舞踏への勧誘
ラヴェル/真島俊夫編:ラ・ヴァルス
ラヴェル/藤田玄播編:ボレロ
今回の演奏曲目
ショスタコーヴィチ/デ・メイ編曲:ジャズ組曲第2番
マーチ
リリック・ワルツ
第1ダンス
第2ダンス
ワルツ第2番
フィナーレ
この曲は2008年の第56回全日本吹奏楽コンクールで生駒市立生駒中学校が自由曲として演奏していますね。
ショスタコーヴィチ/デ・メイ編曲 ジャズ組曲第2番より マーチ、ワルツ第2番、ダンス第1番、終曲
ヨハン・デ・メイ:エクストリーム・メイク・オーヴァー 〜チャイコフスキーの主題による変容
シエナWOは、佐渡裕さんの指揮で2009年8月に東京文化会館で演奏しており、その際のライヴレコーディングがCD「チャイコフスキー・オン・ブラス」に収録されています。
YouTubeで検索してみると、川崎市立橘高校の演奏がアップされていました。
指揮は高田亮さん、2月8日のシエナ定期に打楽器で出演されています。マリンバで思いっ切り目立っておられました。
ラフマニノフ/森田一浩編曲:パガニーニの主題による狂詩曲
吹奏楽版は何と言ってもこの演奏がパイオニアかと思われます、伊奈学園総合高校。
プロコフィエフ/上埜孝編曲:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」から
モンターギュー家とキャピュレット家
メヌエット
仮面
アンティル諸島から来た娘たちの踊り
ティボルトの死
ジュリエットの死
ジュリエットの墓の前のロメオ
ロメジュリの吹奏楽アレンジは数あれど、その中からシエナが上埜さんの編曲を選んだのは意外でした(「意外」に特に意味はありません)。
このうち、モンターギュー家とキャピュレット家とティボルトの死は1981年の全日本吹奏楽コンクールで駒澤大学吹奏楽部が自由曲で採り上げて金賞を受賞しました。その後、2003年の同大学の第40回記念定期演奏会でもモンターギュー家とキャピュレット家、メヌエット、仮面、ジュリエットの死、ジュリエットの墓の前のロメオを演奏しています。
駒澤大学
個人的に印象に残っている演奏です。
淀彰さんのアレンジを使った天理高校の演奏、ジュリエットの墓の前のロメオも入っています。会場で聴きましたが次元が違う表現力だったと思います。
まとめ
ヴェロさんはとても楽しそうに指揮をなさるのですが、練習はとても濃密で厳しいようです。その甲斐あって、ヴェロxシエナWOでならではの演奏を聴くことができますし、回を重ねて益々息が合ってきているのではないかと思います。佐渡さんとはまた別の世界が広がります。
また、このコンビによる演奏会が聴けることを楽しみにしています!
Viva 吹奏楽!
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