ランタン(天燈)飛ばしのメッカ十份(シーフェン)は、レトロな坂の街として有名な九份より少し南に位置しています。台北からは、台鉄で接続が良ければ1時間30〜40分で行くことができます。また、台湾のナイアガラと言われる十份瀑布も見どころの一つです。
そんな十份への行き方と見どころをご紹介します。
十份へのアクセス
台北駅から台湾鉄路で瑞芳まで宜蘭線(東部幹線)へ、瑞芳で平渓線に乗り換えて行くことができます。
平渓線の1日乗車券「平渓線・深澳雙支線一日周遊券(1日乗車券)」(80元)を購入しておくと、途中駅での乗降が自由にできて便利です。当日販売のみで、発売駅は瑞芳、板橋、台北、基隆、八堵、猴硐、宜蘭、羅東、十分、平渓、菁桐です。台北駅では、1階の広いコンコースにある切符売場正面から右手に入ってすぐの窓口で販売しています。
とても古い画像で恐縮です(今やパタパタの時刻表は使われていませんし、有人の切符販売窓口は閑散としています)が、「臺北車站」(この真下に対號列車の自動券売機があります)の右手向こうの窓口になります。
ただ、瑞芳/十份は片道19元ですから、往復するだけなら「悠遊カード」があれば乗車券を都度購入する面倒もありませんし、一日周遊券を買うまでもないでしょう。
平渓線はほぼ1時間に1本のみのダイヤとなっています。瑞芳から十份までの所要時間は35分ほどで、午前中9時以降のダイヤは以下の通りになっています(左:瑞芳発、右:十份着)
9:10 9:42
9:58 10:34
11:00 11:36
この列車に間に合う台北駅発の列車は以下の通りとなります(左:台北発、右:瑞芳着)
区間4152次 7:52 8:52
区間4154次 8:15 9:03
区間快4022次 8:37 9:15
区間1136次 8:54 9:46
自強212次 9:00 9:35
区間4162次 9:24 10:21
区間1148次 9:49 10:47
莒光642次 10:04 10:52
なお、ダイヤ、運賃ともに2020年1月現在の情報です(春節増発列車は除いています)。
公式サイトで最新情報の確認をお願いします。
十份の観光名所
十份老街
十份駅を出て瑞芳側すぐにあるメインストリートです。線路に沿ってスレスレのところに商店がコンパクトに続いています。土産物店やカフェ、ランタン飛ばし屋さんが軒を連ねています。観光客が多く、平日でも混雑しています。
ランタン(天燈(テンダン))飛ばしは、ランタンの側面に願いごとを書込んで、平渓線の線路の上で飛ばすものです。お店を決めて、ランタンを選んで、筆で願いごとを書いて飛ばします。インスタ映えを考える場合には、その位置にあるお店を選びましょう。
ランタンの色には、それぞれ意味があります。
赤:健康
黄:お金
緑:思い通りになる
紫:勉強
白:明るい未来
水色:仕事
ピンク:幸福
オレンジ:愛情・恋愛
この中から1色、4色(ランタンは4面あります)を選びますが、色の数で値段が変わります(1色150元、4色200元が目安になります)。
また、十份老街は商店街の真ん中をの平渓線が走っています。十份駅に到着するときにその様子を列車から見ることができます。タイフォン(警笛)を鳴らして列車が近づくことを知らせますので、わかると思います。雲の子を散らすように人が両脇に避けていきます。
列車は上下とも1時間に1本で、十份駅で上下列車の交換(すれ違いの待ち合わせ)を行いますので、平渓方面の列車が通ると、そのあとに瑞芳に向かう列車が来ます。これが1時間に1回の割合で起こります。接触事故も発生していますので、列車には十分気をつけてくださいね。
十份瀑布
十份瀑布(シーフェンプーブー)は、幅約40m、落差約20mの台湾最大のカーテン型の滝で、十份老街から徒歩約30分ほどのところにあります。
駅を背にして、老街を抜けて道なりに行くと十份遊客中心(ビジターセンター)が見えてきます。その先にある四廣潭吊橋と觀瀑吊橋の2つの吊橋を渡ると十份瀑布公園です。ここまで約30分ほどかかります。いつになったら滝が現れるのだろうと不安になりますが大丈夫ですよ。
公園の開放時間は9:00〜16:30で入場無料です。中には展望台が4ヶ所(觀瀑平台1〜4)あり、順に回っていけるように遊歩道が整備されています。途中休憩所とトイレもあります。滝の見学時間はおおよそ30〜40分見ておけば十分かと思います。
タクシーやバイクタクシーもありますので、急ぐ場合には利用しましょう。
静安吊橋
十份駅のすぐそばに「静安吊橋」が掛かっています。
橋の上から見える景色が綺麗ですし、橋そのものもなかなか立派なので時間があれば是非渡ってみてください。かつて炭鉱の輸送に使われていましたが、閉山後は歩行者専用の吊橋として残っている60年以上の歴史ある橋です。
足を伸ばして菁桐へ
時間があれば平渓線の終点、菁桐駅まで足を伸ばして、日本統治時代に建てられた木造瓦屋根の駅舎や老街を散策するのも良いでしょう。数年前に中井精也さんの「てつたび」で紹介された「許願筒」(竹筒に願い事を書いて吊るすと叶う)も見ることができますよ。1960年代、菁桐駅の駅員が菁桐老街の氷屋さんの女性店員に恋して、その思いを竹筒に書いて伝えたことに由来するそうです。
台湾の鎌倉高校前駅 八斗子駅
帰路時間があれば、平渓線から瑞芳を介して乗り入れている深澳線の終点「八斗子駅」にも行ってみてはいかがでしょうか。一度廃線となった路線を再整備して復活させました。駅は無人駅ですが、ホームは展望台を兼ねていて、間近の海を見下ろすことができます。
動画「十份 平渓線に乗って」
この記事の画像を動画にしましたので、ご一覧ください。
まとめ
ランタン飛ばしや珍しい商店街の中を走る鉄道、そして見事な瀑布のある十份は、台北から余裕で日帰りすることができます。ぜひ一度行ってみてくださいね!
コメント