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第17回ショパン国際ピアノコンクールの覇者チョ・ソンジンさんの3年ぶりの来日、名古屋、東京に続き横須賀公演が終了しました。
チョ・ソンジンさんについて
今さらになりますので、簡単におさらいしておきます。
1994 ソウル生まれ 6歳からピアノを始める
2009年 第7回浜松国際ピアノ・コンクール優勝(最年少)
2011年 第14回チャイコフスキー国際コンクール第3位
2015年 第17回ショパン国際ピアノコンクール優勝
2012〜15年 パリ音楽院でミシェル・ベロフに学び、アルフレート・ブレンデルに師事
現在はベルリンを拠点に活動中
ジャパンアーツ:https://www.japanarts.co.jp/artist/seongjincho/
オフィシャルサイト:https://seongjin-cho.com/
公開音源
これまでの主な録音(CD)は以下の通りです。
2015年11月 感動のショパンコンクール・ライヴ2015
2016年04月 ショパンコンクールライヴ
2016年11月 ショパン:ピアノ協奏曲第1番、バラード集
2017年11月 ドビュッシー:映像第1集・第2集、ベルガマスク組曲、子供の領分
2018年11月 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、ピアノ・ソナタ第3番、第12番
2020年05月 さすらい人幻想曲
2021年08月 ショパン:ピアノ協奏曲第2番、スケルツォ
ショパンコンクールライブ
予備予選
夜想曲ハ短調作品48−1
幻想曲へ短調作品49
マズルカ作品33−4
エチュード変イ長調作品10−10
エチュードイ短調作品10−2
エチュードハ長調作品10−1
一次予選
夜想曲ハ短調作品48−1
エチュード変イ長調作品10−10
エチュードハ長調作品10−1
幻想曲へ短調作品49
二次予選
バラードへ短調作品38
ワルツへ長調作品34−3
ソナタ変ロ短調作品35
ポロネーズ変イ長調作品53
三次予選
マズルカ作品33−1〜4
前奏曲作品28
スケルツォ変ロ短調作品31
ファイナル
ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11
入賞者コンサート
ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11
ポロネーズ変イ長調作品53
ショパン:ピアノ協奏曲第1番、 バラード全曲など
ドビュッシー:映像、子供の領分、ベルガマスク組曲、喜びの島
シューベルト:さすらい人幻想曲、ベルク:ソナタ作品1、リスト:ソナタロ短調
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、ソナタ第3番、第12番
ショパン:ピアノ協奏曲第2番、 スケルツォ全曲など
最新アルバムのSpotifyリンクはこちら:https://open.spotify.com/album/0NICuwUdAdabpvnHpbTgzy?si=19MURF3zQfSkGyYyNSah-w
2022年来日公演
名古屋国際音楽祭 チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル
日時:2022年8月23日(火) 18:45開演
会場:愛知県芸術劇場コンサートホール(名古屋)
プログラム
ヘンデル:クラヴサン組曲より HWV430、HWV440
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24
ショパン:スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31
ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
ショパン:スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54
東京オペラシティ チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル
日時:2022年8月25日(木) 19:00開演
会場:東京オペラシティコンサートホール(名古屋)
プログラム
ヘンデル:クラヴサン組曲より HWV427、HWV433
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24
シューマン:3つの幻想小曲集 Op.111
シューマン:交響的練習曲 Op.13
横須賀芸術劇場リサイタル・シリーズ65 チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル2022
日時:2022年8月27日(土) 15:00開演
会場:よこすか芸術劇場(神奈川県)
プログラム
ヘンデル:クラヴサン組曲より HWV430、HWV440
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24
ショパン:スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31
ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
ショパン:スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54
横須賀公演の模様
広いホールでもあり、一部当日券も販売されていましたが、ほぼ満席の盛況でした。
ヘンデル:クラヴサン組曲より HWV430、HWV440
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24
(休憩)
ショパン:スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31
ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
ショパン:スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54
チェンバロを意識したタッチ、音色のヘンデルはとても繊細でありながら、現代ピアノらしさも兼ね備えた演奏。
バロック音楽ながら骨格のしっかりしたサウンドがとても素敵でした。あの「調子の良い鍛冶屋」もチョ・ソンジンさんの手にかかると、こんなに美しく楽しい音楽に仕上がるのですね。
ブラームスでは、本格的な音の厚みが加わってロマン派ならではのサウンドが姿を現しました。細部まで丁寧に作り込まれた繊細さを活かしつつ、曲全体の大きな流れを湛えながらクライマックスに向かう演奏に心を揺さぶられました。特に、幾重にも重ねられ、スケールの大きなデュナーミクには痺れました。
休憩を挟んで演奏されたショパンのスケルツォは、4曲からなる組曲のようにすら感じられました。不気味な不協和音の第1番、華やかで技巧的、そして多弁な第2番、オクターヴと10度への挑戦実験と見紛うような第3番を経て、スケルツォ本来の諧謔性が十分に表現された傑作第4番、と40分の大きな流れを楽しませていただきました。
美しい弱音、芯があって豊かに響く太い音や多彩な音色を駆使した華麗なサウンド、そして「ここで頂点」と思わせることなく、気持ちは昂りつつもいったん落ち着かせてさらに高揚させていくクレッシェンドは殊に魅力的でした。
アンコールは、シューマンの森の情景から寂しい花、ショパンのワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」、そしてラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌでした。
まとめ
とにかく素晴らしいリサイタルでした。
スタンディングオベーションからラストは大きな歓声(ルール違反ですが)まで盛り上がったのも当然の感動的な公演でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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