福間洸太朗さんがプロデュースする「レア・ピアノミュージック第9回が2021年3月7日に開催されました。
ピアニスト上原彩子さんが、ラフマニノフ、野平一郎、タニェーエフの作品によって構成されたプログラムを披露されました。
その模様について振り返ってみましょう。
最後までよろしくお願いいたします。
福間洸太朗プロデュース「レア・ピアノミュージック」
このプロジェクトの概要、スケジュールについては過去のエントリーをご覧ください。
上原彩子さんについて
上原さんは1980年、香川県高松市生まれ、岐阜県各務原市のお育ちです。
3歳児のコースからヤマハ音楽教室入会
1990年 ヤマハマスタークラス在籍
江口文子、浦壁信二、ヴェラ・ゴルノスタエヴァに師事。
1992年 第3回エトリンゲン国際青少年ピアノコンクール(ドイツ)A部門第1位
1995年 第2回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール(仙台)ピアノ部門第2位
1998年 第11回チャイコフスキー国際コンクール(ロシア)ピアノ部門で最年少セミ・ファイナリスト
2000年 第5回浜松国際ピアノアカデミー参加
(ピアノアカデミーコンクールではアカデミー史上初のグランプリを受賞)
2000年 第7回シドニー国際ピアノコンクール第2位(ピープルズ・チョイス賞、オーストラリア人作品賞、室内楽賞、ショパン賞、シューベルト賞、ドビュッシー賞、エチュード賞受賞)
2000年 第4回浜松国際ピアノコンクール第2位(日本人作品最優秀演奏賞受賞)
2002年 第12回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門第1位(女性初、日本人初)
2003年 ベルリン放送交響楽団と日本ツアー、ウィグモアホール(ロンドン)でリサイタルデビュー
2004年 モスクワ放送交響楽団と日本ツアー、デュトワ指揮NHK交響楽団と共演(2004年度ベスト・ソリスト)
2006年 ウィグモアホールで2度目のリサイタル
オフィシャルサイト(キングレコード):https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=44645
音楽大学に入学、卒業していないという、日本人ピアニストとしては異色の経歴で、2005年10月にピアノ調律師の斎藤孝史さんとご結婚され、現在は三児の母でいらっしゃいます。
2月下旬、福間さんがインタビュアーとなって上原さんとのプレトークが行われました。
🔸今回のプログラムのテーマ、コンセプト
🔸プログラム各曲の概要
🔸(プログラム各曲の紹介の中で)野平一郎さん登場
🔸今後のスケジュール
🔸ハプニングストーリー
🔸質疑応答
インタビューの詳しい内容については、こちらでぜひご覧ください。
第9回レア・ピアノミュージック プログラム
日時:2021年3月7日(日)20:00 ~ 21:00
プログラム:
ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲 Op.22
野平一郎: ピアノのための響きの歩み
タニェーエフ:前奏曲とフーガ Op.29 嬰ト短調
プレトークでは、プログラム各曲についてざっと以下のようなお話をされています。
ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲 Op.22
上原さんは、ラフマニノフの作品は10代の終わりから勉強し始め、ソナタや協奏曲も含めて大曲は弾いたなかで残ったのがこの変奏曲、とのことです。前衛的なものも含めて色んな要素が入っていて、かつ演奏時間も30分程度と長いので難しいとおっしゃっていました。
この作品は曲の中心がわかりにくく、どこに向かっていけば良いのか半年くらい悩まれたそうです。
主題となっているショパンのプレリュードの20番は、上原さんがこの曲集の中心として捉えている曲とのことです(一般的には15番の「雨だれ」だそうです)。
https://imslp.simssa.ca/files/imglnks/usimg/f/f1/IMSLP105588-PMLP08457-Rachmaninov_-_22_-_Chopin_Variations_(ed.Gutheil).pdf
野平一郎: ピアノのための響きの歩み
この曲は浜松コンクールの2次予選の課題曲として書かれ、上原さんは日本人作品最優秀演奏賞を受賞されました。
作曲者の野平さんもトークに加わられ、作曲の経緯やポイントなどについて興味深いお話をなさっています。
国際コンクールの審査員はこのときが初めて、かつ課題曲の作曲まで依頼され、中村さんのお宅に呼ばれて「あまり難しい曲を書くと大変よ」と言われたとか。
上原さんは、一途に弾いたコンクールのときよりも、音が空間で遊んでいる感じを出したいとおっしゃっていました。
タニェーエフ:前奏曲とフーガ Op.29 嬰ト短調
この作品は福間さんから上原さんへのリクエスト曲なのだそうです。
上原さんは98年に初めてチャイコフスキーコンクールに参加されたときに課題曲(プレリュードとフーガ)として演奏されました(一般的にはバッハ、ショスタコーヴィッチなど)。
曲のリズム感などを保ちつつ、ロシアのロマン的な要素をバランスさせることができるとうまく表現できる作品、と上原さんはおっしゃっていました。
https://imslp.simssa.ca/files/imglnks/usimg/2/2d/IMSLP27461-PMLP06718-Taneyev_op29_Prelude_and_Fugue.pdf
ライブの模様
ツイッターから演奏前のつぶやきを拾ってみました。
ライヴは定刻に始まり、冒頭に福間さんからあいさつと上原さんの紹介ビデオが流れました。
プログラムについてはプレトークビデオの中から抜粋して解説されました。
ラフマニノフはぎっしり詰まった重くて太い和音と美しく煌めいて動くパッセージがとても印象的でした。
プレトークの「どこに向かって行けば良いのか」は、それぞれの楽曲が明確に表現されて、その複雑な組み合わせによって示されているように思いました。
上半身が微動だにせずに、多彩な音のパレット、表現が生み出されており、上原さんの凄さを改めて認識しました。
野平作品では音がふわりと宙を舞い、自由で広がりのある音楽の世界は、この曲に新たな生命を与えたように感じました。
そして、タニェーエフは圧巻でした。
とても技巧的に素晴らしかったのはもちろんですが「熱量」を感じました。
かつ音の美しさや輝きが失われず、ゴージャスな響きも兼ね備えたまさに凄いというほかない演奏でした。
アンコールとしてチャイコフスキーの18の小品作品72から子守歌が演奏されました。
今日ご覧下さった皆さま、どうもありがとうございました‼️
とてもとても緊張しました😣が、久しぶりにお客様に聞いていただけて、嬉しかったです!
ありがとうございました🙇 https://t.co/OL6rB1RdEA— 上原彩子 Ayako Uehara (@ayako_uehara_pf) March 7, 2021
アーカイヴの無料視聴は2021年3月9日までですのでお急ぎください!
まとめ
上原さんの演奏には久しぶりに接しましたが、本当に素晴らしかったです。
ホールでその音が作りだす空気を共有させていただきたいなという願望に駆られました。
レア・ピアノミュージック第10回は永野秀樹さんが出演されます。
どんな衣装で登場なさるのかも興味津々です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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