【ピアノ】森下唯/アルカン ピアノ・コレクション5「幻影」エスキス作品63

ピアノ
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福間洸太朗さんがプロデュースする「レア・ピアノミュージック」第8回チケット購入特典の森下唯さんのサイン付アルバムを手許に届き、さっそく聴かせていただきました。

特典CDは森下さんが継続して取り組んでいるアルカンのコレクションの5枚目で、「幻影」エスキス作品63全曲が収録されています。

その内容などについてお話していきます。

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福間洸太朗プロデュース「レア・ピアノミュージック」

このプロジェクトの概要、スケジュールについては過去のエントリーをご覧ください。

森下唯さんについて

森下さんは1981年、東京のお生まれです。

1994年 筑波大学附属駒場中入学
2002年 筑波大学附属駒場高校卒業
2004年 東京芸術大学卒業(音楽学部器楽科ピアノ専攻)
2006年 同大学大学院修了

2004年 第2回東京音楽コンクール第2位
2006年 東京芸術大学大学院修了時、演奏優秀者によるベーゼンドルファー・ジョイントリサイタル(浜離宮朝日ホール)に選出

作曲家アルカンの紹介には特に力を入れており、アルカン生誕200年となる2013年から継続的にオール・アルカン・リサイタルを行っておられます。
2015年よりアルカン作品を集めたCD「アルカン ピアノ・コレクション」シリーズをリリース。

調布国際音楽祭アソシエイト・プロデューサー、東京藝術大学非常勤講師(指揮科演奏研究員)
ピアノを竹尾聆子、辛島輝治、東誠三の各氏に、リート伴奏をコンラート・リヒター氏に師事。

オフィシャルサイト:http://www.morishitayui.jp/

「レア・ピアノミュージック」第8回

森下さんが出演された「レア・ピアノミュージック」についてはこちらをご覧ください。

【ピアノ】森下唯/ピアニート公爵さん公演終演!第8回レア・ピアノミュージック

アルカン ピアノ・コレクション 5「幻影」

このCDは、森下さんの「アルカン ピアノコレクションシリーズ」の第5集、2019年に販売されたものです。

アルカンはショパンと同時代の作曲家・ピアニストです。

ショパンがジョルジュ・サンドと一緒に暮らしていた時期に、隣人だったこともあり、ショパンの死後その弟子の多くを引き取っています。

アルカンの作品はショパンと同じくほとんどがピアノのためのもので、またリストのようにピアノによる交響的表現を追求したもので、超絶技巧作品として知られています。

高速での大きな跳躍・長時間の早い同音連打・幅の広い対位法的旋律の維持などが求められているために演奏不可能なほどに難しいとも言われています。

超絶技巧では定評のあるピアニスト、マルク=アンドレ・アムランは次のように語っています(ウイキペディアより引用)。

「アルカンという作曲家を知らずにその音楽を始めて耳にした時にほとんどの人がそう感じるだろうが、アルカンの音楽は難しすぎて演奏できないという一面を持っている(中略)しかしある意味では、私は彼の音楽が法外な技巧を用いているわけではないと思っている(中略)アルカンの非常に価値ある音楽は、それらの困難を克服するに足るものなのだ。」

アムランもアルカンのアルバムを録音しています。

そんなアルカンの作品の中でもこの「エスキス―48のモチーフ」はアルカン円熟期に書かれた名作で、技術的には比較的平易なものと評価されているようです。

1861年に4巻に分けて出版されていますが、作曲されたのは古いものでは1847年にまで遡ります。

作品は、24の調性を異なる順序で2周(48曲)、それを受ける終曲「神を讃えん」が加わった形で構成されています。

エスキス 48のモチーフ(1861)

01. 第1巻 幻影
02. 第1巻 スタッカーティッシモ
03. 第1巻 レガーティッシモ
04. 第1巻 鐘
05. 第1巻 入信者
06. 第1巻 小フーガ
07. 第1巻 戦慄
08. 第1巻 偽りの無邪気さ
09. 第1巻 ないしょ話
10. 第1巻 叱責
11. 第1巻 嘆息
12. 第1巻 小舟歌
13. 第2巻 追憶
14. 第2巻 小二重奏曲
15. 第2巻 古い様式の協奏曲のトゥッティ
16. 第2巻 幻想曲
17. 第2巻 3声の小前奏曲
18. 第2巻 小リート
19. 第2巻 恩寵
20. 第2巻 村の小行進曲
21. 第2巻 死にゆく者達が貴殿に挨拶を
22. 第2巻 無垢
23. 第2巻 木靴の男
24. 第2巻 コントルダンス
25. 第3巻 追跡
26. 第3巻 古い様式の小さな歌
27. 第3巻 リゴードン
28. 第3巻 強情
29. 第3巻 熱狂
30. 第3巻 悲しき小さな歌
31. 第3巻 四重奏の冒頭
32. 第3巻 小メヌエット
33. 第3巻 「ねんねしな」
34. 第3巻 私は衆愚を嫌い、彼らを遠ざける:
35. 第3巻 軍楽
36. 第3巻 小トッカータ
37. 第4巻 小さな小さなスケルツォ
38. 第4巻 良き願い
39. 第4巻 ヘラクレイトスとデモクリトス
40. 第4巻 「待ってても行かないよ」
41. 第4巻 異名同音
42. 第4巻 5声の小さな歌
43. 第4巻 小夜想曲-魅惑
44. 第4巻 有頂天
45. 第4巻 小悪魔たち
46. 第4巻 初めてのラブレター
47. 第4巻 小スケルツォ
48. 第4巻 夢の中で
49. 神を讃えん

森下さんは、このアルバムのプログラムノートに以下の通り記載されています(以下引用)。

奇数巻はハ長調から、偶数巻はハ短調から始まるよう工夫されており、結果、鏡像のように対になった第1、2巻と第3、4巻が更に大きな対を形作るよう考え抜かれている。(略)

主に初めと終わりの曲の雰囲気によって、各巻にははっきりとした性格の違いが与えられている。大雑把に言えば第1巻は「緩」に始まり「緩」に終わる。第2巻は「緩・急」、第3巻は「急・急」、第4巻は「急・緩」となり、全巻を通せば、概ね緩・急・緩の流れが感じられるようになっている。(略)

「神を讃えん」は決して4巻の一部ではなく、それまでの48曲を受けたものだと明示されているのである。

まとめ

この作品集は性格的小品集とされ、すべての小品に表題が与えられています。

表題からもわかる通り、多様な内容を備えていますが、森下さんは詩を朗読するように、美しい音と響き、そして自在なタッチを駆使して表現しています。

先般の「レア・ピアノミュージック」ライヴで拝見したところでは、アムランのようにヴィルトゥオージティを誇示して堂々と弾くタイプではなく、誤解を恐れずに視覚的かつ直観的に申し上げると、訥々と、やや不器用な感じすら受けました。

ところが、実際にそこに表現された音楽は、まさにヴィルトゥオーゾを感じさせてくれる多彩なもの、かつ深いものでした。

そのような深い味わいを堪能することができる素晴らしいアルバムだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

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