【ピアノ】齊藤一也さん終演〜第3回レア・ピアノミュージック

ピアノ
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ピアニスト福間洸太朗さんプロデュースの「レア・ピアノミュージック」第3回が2020年9月27日に開催されました。

ベートーヴェンやチェルニー、リムスキー=コルサコフなどよく知られた作曲家の「レア」な作品が、ピアニスト齊藤一也さんによって演奏されました。

今回はその模様について見ていきますので、最後までよろしくお願いいたします。

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福間洸太朗プロデュース「レア・ピアノミュージック」

このプロジェクトの概要、スケジュールについては過去のエントリーをご覧ください。

齊藤一也さんのプロフィールとプレトーク

齊藤さんは山梨県の出身です。
東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校から東京芸術大学に進学されました。

その後フランスとドイツに留学されました。
パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学を最優秀で修了。
2020年春に完全帰国されました。

おもなコンクールの入賞歴は次の通りです。

第79回日本音楽コンクール第3位
第82回日本音楽コンクール第2位、三宅賞,岩谷賞(聴衆賞)
第8回カンピージョス国際ピアノコンクール第1位
第7回マッサローザ国際ピアノコンクール第1位
第66回ARDミュンヘン国際音楽コンクールセミファイナリスト
第22回アルトゥール・シュナーベルコンクール最高位(第2位)

齊藤さんのウェブサイトはこちら:https://www.kazuyasaito-pianist.com/

福間さんがインタビュアーとなって齊藤さんとのプレトークが行われました。

質問内容は以下の通りでした。

🔸この企画への招聘を受けての感想
🔸今回のプログラムのテーマ、コンセプト
🔸プログラム各曲の概要
🔸特典DVDの内容
🔸今後のスケジュール
🔸質疑応答

第3回レア・ピアノミュージックプログラム

日時:2020年9月27日(日)20:00~21:00

ベートーヴェン:サリエリの歌劇「ファルスタッフ」の二重唱「まさにその通り」の主題による10の変奏曲
ツェルニー:前奏曲とフーガ第1番ハ短調 op.400-1
リムスキー=コルサコフ:B-A-C-Hの主題による6つの変奏曲 op.10
オネゲル:7つの小品
コダーイ:9つの小品より第2番「悲嘆」
佐藤眞:ピアノのための即興曲第2番(1970/2003年改訂版)
ツェルニー:シューベルトのウィーン風ワルツによる変奏曲 op.12

プログラム各曲について

プレトークでは、プログラムの各作品について以下のようなお話をされていました。

ベートーヴェン

ベートーヴェンは即興演奏が得意で、プログラムを即興で始めることが多かったそうです。
テーマのアリア「まさにその通り」は当時の流行曲で、ベートーヴェンが演奏会でこのテーマに基づく即興をリクエストされて演奏したとのことです。

楽譜:
https://imslp.org/wiki/10_Variations_on_’La_stessa%2C_la_stessissima’%2C_WoO_73_(Beethoven%2C_Ludwig_van)

ツェルニー

齊藤さんはこの「前奏曲とフーガ」を今回初めて演奏します。
楽譜は未出版でウィーン国立図書館にのみ現存しているもので、コピー譜もきれいではなく譜読みが大変だったとのこと。

なお、プレトークでは「作品856」とされていましたが、演奏されたのは「作品400」の「フーガおよび多声音楽演奏のための教則本」の第1番でした(齊藤さんから事前に訂正ツイートがありました)。

最後に演奏する「シューベルトのウィーン風ワルツによる変奏曲」は福間さんのリクエストだそうです。技巧的な曲ばかりだと思われがちなツェルニーですが、ロマンティックな面も兼ね備えていて、「シューベルトの〜」はまさにそういった作品。

また即興的な要素もあり、最初のベートーヴェンとこの最後のツェルニーが繋がるようなプログラム構成。

楽譜(シューベルトのウィーン風ワルツによる変奏曲)
https://imslp.org/wiki/Variationen_%C3%BCber_einen_beliebten_Wiener-Walzer%2C_Op.12_(Czerny%2C_Carl)

リムスキー=コルサコフ

コルサコフはロシア5人組の一人。
この変奏曲は主題がワルツ、第2変奏が間奏曲、第3変奏がスケルツォ、第4変奏がノクターンというタイトルつきで、第5変奏がプレリュード、第6変奏がフーガという構成です。
最後の「プレリュードとフーガ」の括りで、この前に演奏するツェルニーとも繋がります。

楽譜
https://imslp.org/wiki/6_Variations_on_the_Theme_B-A-C-H%2C_Op.10_(Rimsky-Korsakov%2C_Nikolay)

オネゲル

オネゲルはフランス6人組の一人です。
フランスとスイスの二重国籍でスイスの20フラン紙幣にも使われています。
齊藤さんとオネゲル作品との出会いは、高校生のときに聴いた交響曲第3番「典礼風」で、オネゲルの作品には機関車を題材にした「パシフィック231」や「ラグビー」など特徴的なものが多いです。
この7つの作品の第4曲はJR発車メロディを連想させるものがあります。

楽譜
https://imslp.org/wiki/7_Pi%C3%A8ces_br%C3%A8ves%2C_H.25_(Honegger%2C_Arthur)

コダーイ

横浜みなとみらいでの舞踊家折原さんとのコラボで演奏した作品。
コダーイの作品自体には「悲嘆」というタイトルはついておらず、マーサ・グラハムのダンスの演目の題名。

楽譜
https://imslp.org/wiki/9_Pieces%2C_Op.3_(Kod%C3%A1ly%2C_Zolt%C3%A1n)

佐藤眞

佐藤眞は「大地讃頌」の作曲家で、齊藤さんの芸高当時の校長先生だったそうです。
演奏曲は大地讃頌のイメージとは異なり前衛的なキャラクターを備えたものながら、和風なエッセンスを感じる作品。

楽譜
https://www.musse.jp/scores/19187

ライブの模様

ツイッターから演奏前のつぶやきを拾ってみました。
https://twitter.com/pkazuyaf/status/1309355213648621568?s=21
https://twitter.com/pkazuyaf/status/1310154334458404872?s=21
終演後のつぶやきです。
https://twitter.com/pkazuyaf/status/1310379515869163520?s=21

さて、トラブルがあったようで、URLを変更の上時間を遅らせて開始されました。
僕は22:00開始と勘違いしていたため、やむを得ずライヴではなく終演後に視聴することになりました。

まず、ライヴの冒頭に福間さんのあいさつと齊藤さんの紹介がありました。
プログラムについては、ベートーヴェンからコルサコフまでの前半(最後の曲もツェルニーと併せて)とオネゲルから佐藤眞までの後半に分けて、各々のパートの最初に説明されました。

まさにレアな曲が並びましたが、変奏曲の面白さや楽しさ、オネゲルの独特な世界、コダーイのブダペスト音楽院同級生のバルトークとは異なる音楽が伝わってくる素敵な演奏ばかりでした。また、大地讃頌とはまったく別の作曲家かと思わせる佐藤作品は共感を持った魅力的な演奏で、ぜひホールで聴いてみたいと思いました。

アンコールは青木進さんの「子供のためのピアノ小品集“午後のスケッチ“」から「陽だまり、夕立、虹の架け橋」でした。

青木進さんと聞いて「あれ?」と思い検索したところ、予想通り吹奏楽コンクールの課題曲「フェリスタス」を作曲された青木さんで、この曲を課題曲としてコンクールに参加した僕は個人的に懐かしさがこみ上げてきました。

なお、アーカイヴの無料視聴は2020年9月29日までですのでお急ぎください!

まとめ

初めて聴く齊藤さんの演奏はとても楽しいもので、時間の経つのを忘れました。
レアな作品にアンテナを当てておられるとのことですので、これからのご活躍がとても楽しみですね。

レコーディングをされたとのことで、新しいアルバムも楽しみです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

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