ピアニストの福間洸太朗さんがプロデュースする新プロジェクト「レア・ピアノミュージック」が始まりました。
時代を超えて存在するピアノ音楽の中から、日常聴くことが難しい作品を積極的に採り上げていくというこのコンサート、第1回は福間さんご自身でした。
その内容について見ていきますので、最後までよろしくお願いいたします。
福間洸太朗プロデュース「レア・ピアノミュージック」
このプロジェクトの概要、スケジュールについては過去のエントリーをご覧ください。
今回のコンサートの冒頭でも福間さんからこの企画の趣旨の説明がありました。
2019年夏、あまり弾かれない、聞かれないピアノ作品を演奏する北ドイツで開催された「フーズム音楽祭」に参加して、同じような音楽祭を日本でもやってみたいと思いました。このような作品に触れることで新しい感覚や視点をもつことができるでしょう。
第1回コンサートの模様
日時:2020年7月26日(日)20:00〜21:00
プログラム
このプログラムのテーマは「Shimmering Water」(煌めく水)です。
福間さんのお名前の中にある「洸」は水+光からなっていてアイデンティティとなっています。
このテーマで2012年からリサイタルを行なっています。
CM.レヴィツキ:魅惑の妖精 – ピアノのための詩曲
S.シャリーノ:アナモルフォシ
F.ミリタ:LIN
助川敏弥:『山水図』 Op.58
T.ユイエ:水の主題による7つの俳句
C.グリフェス:アクアパオラの泉 Op.7-3
H.カスキ:泉のほとりの妖精 Op.19-2
P.クラッツォウ:Night Sky, Distant Waters
コンサート視聴方法
これまでのYouTubeライヴと同じくYouTubeで実施(応援投げ銭1,000円)されますが、ライヴ動画は数日間(今回は7月28日まで)しか視聴できません。
その後はアーカイブ動画として別に保存されます。視聴にはアーカイブ動画付チケット(2,500円)の購入が必要となります。
福間さんによる演奏曲解説
コンサートは3つのパートに分かれ、各々2〜3曲がまとめて演奏されました。
各々のパートに先立って、福間さんから演奏曲について解説がありました。
CM.レヴィツキ:魅惑の妖精 – ピアノのための詩曲/人間に恋したニンフ、福間さんのお気に入り
S.シャリーノ:アナモルフォシ/ラヴェル「水の戯れ」「洋上の小舟」とミュージカル「雨に唄えば」からなる曲
F.ミリタ:LIN/ミリタ氏は福間さんの友人 ドビュッシーへのオマージュ(亜麻色の髪の乙女、金色の魚、水に映る影)
助川敏弥:『山水図』 Op.58/長谷川等伯、円山応挙の絵画に触発された作品
T.ユイエ:水の主題による7つの俳句/ユイエ氏も友人 池・湖・川・海・雨を素材とした俳句にもとづく作品
C.グリフェス:アクアパオラの泉 Op.7-3/フランス印象派のような色彩感豊かな作品
H.カスキ:泉のほとりの妖精 Op.19-2/ニンフと泉の情景を描いたグリフェスの作品と同系列の作品
P.クラッツォウ:Night Sky, Distant Waters/南アの友人 福間さんの委嘱作品
色の鮮やかな作品がこのテーマにぴったりだったほか、第2グループの「間」が生かされた作品では日本画や俳句同様、そのシンプルさが多くを物語っている素敵な演奏で1時間聴き惚れました。
アンコールは田中かれん「ウォーターダンス」第2楽章でした。
音源を探る
CM.レヴィツキ:魅惑の妖精 – ピアノのための詩曲
S.シャリーノ:アナモルフォシ
T.ユイエ:水の主題による7つの俳句
C.グリフェス:アクアパオラの泉 Op.7-3
H.カスキ:泉のほとりの妖精 Op.19-2
P.クラッツォウ:Night Sky, Distant Waters
まとめ
僕の知らない作品ばかりが採り上げられていましたが、どれも興味深い素敵な作品ばかりでした。
福間さんの演奏はいつもそうですが、今回は特に「煌めく水」をテーマとしたこともあって、思いがこもったとても素晴らしいものでした。
これは蛇足ですが、助川作品の解説テロップで「与謝蕪村」が「与謝野蕪村」(3曲目 河郎の恋する…)、「松尾蕪村」(4曲目 しぐるるや…)となってしまっていました。
このような取組みは一部のコアな愛好者だけではなく、多くの人に聴く機会を与えてくれるという意味から、オンラインコンサートが特に有効であることが明らかになったように感じました。
さて、次回第2回はジェフスキの「不屈の民」が演奏されます。聞く方も不屈の精神が必要ですが楽しみですね。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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