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福間洸太朗さんがプロデュースする「レア・ピアノミュージック第11回が2021年5月23日に開催されました。
ピアニスト菊地裕介さんが、酒井健治さんの作品に続き、ベルリオーズの大曲「幻想交響曲」のピアノ版の全曲演奏を披露されました。
その模様について振り返ってみましょう。
福間洸太朗プロデュース「レア・ピアノミュージック」
このプロジェクトの概要、スケジュールについては過去のエントリーをご覧ください。
菊地裕介さんについて
菊地さんは1977年東京のお生まれです。
1994年 日本音楽コンクール第2位入賞
(桐朋女子高校音楽科2年)
1999年 パリ国立高等音楽院ピアノ科卒業(一等賞)
2003〜7年 ハノーファー音楽大学でピアノ演奏研究に加え、作曲法や歌曲伴奏など、多専攻にわたり研鑽を積む
加藤伸佳、ジャック・ルヴィ、アリエ・ヴァルディの各氏に師事。
マリア・カナルス第1位、ジュネーブ第3位等、数多くの国際コンクールに上位入賞
2007年 帰国
東京藝術大学など5音楽大学の講師を歴任、現在は東京音楽大学専任講師、株式会社演代表、CJM神宮の杜音楽院(渋谷区)院長
オフィシャルサイト:http://ykpianoforte.com/
また、ハノーファー音楽大学在学中、ミシェル・ベロフ「スーパーピアノレッスン」に出演されました(ドビュッシー:花火〜前奏曲集)。
5月上旬、福間さんがインタビュアーとなって菊地さんとのプレトークが行われました。
🔸幻想交響曲(オリジナル)について
🔸幻想交響曲(リスト編ピアノ版)について
🔸今後のスケジュール
🔸CJM神宮の杜音楽院について
🔸ハプニングストーリー
第11回レア・ピアノミュージック プログラム
日時:2021年5月23日(日)20:00~21:00
プログラム:
酒井健治 : ピアノのための練習曲集第1巻より I. グルーヴ、III. Scanning Beethoven、IV.ハーモニー
ベルリオーズ/リスト編 : 幻想交響曲
プレトークで印象的だったのは、菊地さんが交響曲などのオーケストラピースを取り上げる場合、その曲のテンポ感を維持することを基本に演奏されるそうですが、この「幻想」の場合には(曲が大き過ぎることから)それ自体到底無理ということもあり、やや遅めのテンポで演奏せざるを得ず、そのことによってオーケストラでは勢いで通り過ぎる部分について新たな発見があるということ、そして、ベートーヴェンのハンマークラーヴィアのテンポについてのアナロジーでした。
ライブ前のつぶやきなど
尊敬するピアニスト福間洸太朗さんが企画された「レア・ピアノミュージック」シリーズに出演させていただきます!他の出演者の方々も、曲目も素晴らしいものばかりです!
— 菊地裕介/Yusuke KIKUCHI (@Uacademia) May 21, 2021
何年も前から楽譜を目にしてはいたのですが、やっと音にするときが来ました!
ライブだと一瞬の出来事なので、緊張します⋯ https://t.co/fV3yJlZuxE— 菊地裕介/Yusuke KIKUCHI (@Uacademia) May 23, 2021
ライブの模様
ライヴは定刻に始まり、冒頭に福間さんからあいさつと菊地さんの紹介ビデオが流れました。
プログラムについてはプレトークビデオの中から抜粋して解説されました。
酒井さんも登場されました。
酒井さんの作品は、特に「III. Scanning Beethoven」ではピアノの鍵盤を目一杯使って、アパッショナータを想起させるような動きもあったりと、一瞬で過ぎ去ってしまう短い曲なのに刺激的でした。
ベルリオーズは完全に僕の楽譜棚の置物となっていますが、その中から曲の冒頭をどうぞ。
そして、こちらがサバトの夜の夢の最後の部分になります。
さらりと書いてあるのに、とんでもないアレンジですね。
菊地さんの演奏は、豊かな音のパレットを使った色彩感溢れる響き、そして類い稀な圧倒的なテクニックで、細部までクリアに表現された素晴らしいものでした。
圧巻は「断頭台」から狂った祭りの「サバト」のラストに至る追い込みでしたが、一方で「野の風景」ではピアノらしいしっとりとした響きが素敵でした。この楽章はオケで聴くと睡魔に襲われるのですが、とても美しい表現に聴き惚れました。
アンコールとしてモーツァルトのアレグロニ長調K.626bが演奏されました。
幻想が終演したところですでに75分を経過していましたし、アンコールはないかと思ったのですが、心安らぐ曲を聴くことができました。
アーカイヴの無料視聴は2021年5月25日までですのでお急ぎください!
まとめ
今回は、菊地さんでなければ到底実現しなかったであろうプログラムでした。
そのライヴ演奏に接することができたのは、この上ない幸運でした。
レア・ピアノミュージック第11回は三浦謙司さんが出演されます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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