2020年7月から、現在のレッスンとその練習記録について記事にまとめ始めました。
直近のレッスン(2020年11月8日)では、バッハの平均律第1巻20番のフーガ、ショパンのエチュード作品10−4、そしてスクリャービンのワルツ作品38の3曲を聴いていただきました。
平均律は20番が第1巻の最後の曲となるため、第2巻の楽譜選びについてお話していきます。
どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
これまでのお話
現在のレッスンについての記事はこちらです。
レッスン再開後の過去の模様についてはこちらでまとめています。
番外編として「大人の発表会」への参加についてもお話ししてきています。
バッハ:平均律第2巻の楽譜選び
僕は、平均律第1巻を難易度順に並んでいるといわれるバルトーク校訂版の順番に沿って練習してきました。
バルトーク校訂版の構成は以下の通りになっています。
<バルトーク校訂版 第1巻> | |
バルトーク校訂版 | オリジナル |
No. 1 | 第2巻 第15番 ト長調 BWV 884 |
No. 2 | 第1巻 第6番 ニ短調 BWV 851 |
No. 3 | 第1巻 第21番 変ロ長調 BWV 866 |
No. 4 | 第1巻 第10番 ホ短調 BWV 855 |
No. 5 | 第2巻 第20番 イ短調 BWV 889 |
No. 6 | 第1巻 第11番 ヘ長調 BWV 856 |
No. 7 | 第1巻 第2番 ハ短調 BWV 847 |
No. 8 | 第1巻 第9番 ホ長調 BWV 854 |
No. 9 | 第1巻 第13番 嬰ヘ長調 BWV 858 |
No. 10 | 第2巻 第21番 変ロ長調 BWV 890 |
No. 11 | 第2巻 第6番 ニ短調 BWV 875 |
No. 12 | 第2巻 第19番 イ長調 BWV 888 |
No. 13 | 第2巻 第11番 ヘ長調 BWV 880 |
No. 14 | 第1巻 第19番 イ長調 BWV 864 |
No. 15 | 第1巻 第14番 嬰ヘ短調 BWV 859 |
No. 16 | 第1巻 第18番 嬰ト短調 BWV 863 |
No. 17 | 第2巻 第2番 ハ短調 BWV 871 |
No. 18 | 第1巻 第5番 ニ長調 BWV 850 |
No. 19 | 第1巻 第7番 変ホ長調 BWV 852 |
No. 20 | 第2巻 第14番 嬰ヘ短調 BWV 883 |
No. 21 | 第2巻 第7番 変ホ長調 BWV 876 |
No. 22 | 第1巻 第1番 ハ長調 BWV 846 |
No. 23 | 第1巻 第17番 変イ長調 BWV 862 |
No. 24 | 第2巻 第13番 嬰ヘ長調 BWV 882 |
<バルトーク校訂版 第2巻> | |
バルトーク校訂版 | オリジナル |
No. 25 | 第1巻 第15番 ト長調 BWV 860 |
No. 26 | 第2巻 第12番 ヘ短調 BWV 881 |
No. 27 | 第2巻 第1番 ハ長調 BWV 870 |
No. 28 | 第2巻 第24番 ロ短調 BWV 893 |
No. 29 | 第2巻 第10番 ホ短調 BWV 879 |
No. 30 | 第1巻 第16番 ト短調 BWV 861 |
No. 31 | 第2巻 第5番 ニ長調 BWV 874 |
No. 32 | 第2巻 第18番 嬰ト短調 BWV 887 |
No. 33 | 第1巻 第24番 ロ短調 BWV 869 |
No. 34 | 第2巻 第9番 ホ長調 BWV 878 |
No. 35 | 第2巻 第4番 嬰ハ短調 BWV 873 |
No. 36 | 第1巻 第23番 ロ長調 BWV 868 |
No. 37 | 第2巻 第3番 嬰ハ長調 BWV 872 |
No. 38 | 第1巻 第12番 ヘ短調 BWV 857 |
No. 39 | 第1巻 第3番 嬰ハ長調 BWV 848 |
No. 40 | 第2巻 第8番 嬰ニ短調 BWV 877 |
No. 41 | 第1巻 第22番 変ロ短調 BWV 867 |
No. 42 | 第2巻 第17番 変イ長調 BWV 886 |
No. 43 | 第1巻 第4番 嬰ハ短調 BWV 849 |
No. 44 | 第1巻 第8番 変ホ短調 BWV 853 |
No. 45 | 第1巻 第20番 イ短調 BWV 865 |
No. 46 | 第2巻 第22番 変ロ短調 BWV 891 |
No. 47 | 第2巻 第16番 ト短調 BWV 885 |
No. 48 | 第2巻 第23番 ロ長調 BWV 892 |
この順番では20番(赤字)がオリジナル第1巻の最後の曲になります。
第1巻は運指と解説、そしてベーレンライター原典版・ウィーン原典版・ヘンレ原典版との比較までついている、全音の市田儀一郎版で練習してきました。
ところが、残念ながら第2巻の市田版は出ていません。
渇望する方も多いようですし、そのうち出るんじゃないかと思っていたのですが、結局今日に至るまでそうはなりませんでした。
平均律の楽譜はそれこそ山ほど出版されていますが、僕のような学習者の場合のポイントはこんなところです。
❶原典版であること
❷(適切な)運指が記載されていること
❸(できれば)解説・校訂報告の記載があること
この観点から、僕は赤本といわれる音楽之友社の「ウィーン原典版」を持っています(弾けないのに楽譜だけはありました)。
そして、現代のピアノでバッハを弾くとどうなるのかというまったく別の観点から園田幸弘版も持っています。
識者を始め、色んな方のサイトでご意見を拝見したところ、アンドラーシュ・シフが運指を担当した2007年ヘンレ版が評判が良さそうなので、早速銀座ヤマハで確認してみました。こうやって弾くの?という運指もありましたが結局購入。
ウィーン原典版ともざっとですが比較してみた結果(ウィーン原典版の方が装飾音が多い)、詳しい日本語の解説があるウィーン原典版を参考にしつつ、このヘンレ版(解説は簡便かつ英語・ドイツ語のみ)を基本として勉強することにしました。
個人的にはシフの運指という点がポイントとしては高かったような気がします。
第1巻の市田版でも「いや、このフィンガリングはないでしょ!」というところもありましたが、弾き込んでいくとその方が音楽が自然に流れて、指定通りの運指に戻すということがよくあったので、第2巻でも同じようなことが発生するのではないかと思います。
レッスン対象曲
今回のレッスンは、バッハの平均律第1巻20番のフーガ、ショパンのエチュード作品10-4番の録音、そしてスクリャービンのワルツ変イ長調作品38でした。
バッハ:平均律第1集第20番イ短調フーガ
前回レッスンでの注意を修正して、頭の中もスッキリ整理されて弾いていたのですが、なんとなく後半部分の収まりが良くないと思ったままレッスンを迎えてしまいました。
全曲通して聴いていただいたあと、やはり後半が落ち着きなく進んでいくことについて指摘を受けました。
和音、タイで伸ばしている音、装飾音の次の音、それぞれきちんと聴きなさいというアドバイスをいただき、次のレッスンが一週間後とスパンが短いので、次回で仕上げましょうということになりました。
ショパン:エチュード作品10−4嬰ハ短調
いったんペダルを全部外して、ゆっくりから練習し直した結果、ペダルはエキエル版記載の通りラストのみにしてレッスンへ。
最初に通して聴いていただいたところ、もう少しペダルを入れましょうということで、数カ所修正した上で録音になりました。
安定したテンポで入れましたし、ごまかしもなく、走らずに最後まで弾けたと思います。
弾いた本人は必死だったので、気持ち良く弾くことからは精神的には遠かったのですが、先生からはとても気持ち良い演奏でしたとコメントをいただきました。
データを先生からいただいたので恥を忍んで公開させていただきます。
この曲は今回で終了です。
スクリャービン:ワルツ変イ長調作品38
最後まで通して弾けないだろうと思っていたのですが、練習のそれなりの成果もあったようで、通して聴いていただきました。
時間がなかったので、細かくレッスンしていただけなかったのですが、
🔸まず跳躍部分をきちんと決めましょう
🔸歌いたいところの内声は、楽譜通りというより、もう少しニュアンスを持って弾いてみましょう
跳躍部分も含めてペダルなしでもう一度精査しつつ、整理して、また跳躍部分はきちんと音を覚えて、次回に備えたいと思います。
ルーティンおよびレッスン外で練習中の曲
ドホナーニの指のエクササイズとハノンのスケールとアルペジオは毎日「まず最初」として必須にしています。
フィンガー・エクササイズは1、2、8番と来て、9番を始めました。まだ手がツっています。左手はこの和音をそもそも掴めないので大変です。それでもなんとか慣れてきたところです。
ハノンは音の粒を揃えること、また黒鍵系の調性の指の潜りや跨ぎの「運動距離」の感覚を頭に叩き込むこと、そして美しく流れることを意識して練習しています。スケールでは和声的短音階の一部の左手、アルペジオでは黒鍵系の調性のゴツゴツをなくすことが課題です。
ラヴェル:水の戯れ
ショパン:バラード第1番ト短調
一度レッスンしていただいた曲で、その次の発表会の候補として考えています。
練習を再開したあと、またお休みして間が空いたので、もう一度初心に戻って丁寧に練習しています(いるつもりです)。
シャブリエ/シュヴィヤール:エスパナ
メトネル:プリマヴェーラ
グールド:ブギウギエチュード
スクリャービンを始めたので当分お休みします。
まとめ
新しい楽譜を開くと気分が上がりますね。
これからどんなバッハの世界が広がっていくのか楽しみです。一方で、また色々と苦労するんだろうなと思う部分もありますが、それも楽しみだと思って取り組んでいきます。
ショパンのエチュードはとにかく録音までたどり着いてホッとしています。しばらくしたら、また弾いてみようと思います。その前にスクリャービンを年内に形にしたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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👋掰掰👋
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