いつもこのブログ「音楽徒然草」をお読みいただきありがとうございます。
2023年1月の締め括りとして、現在の筆者の練習状況についてお話させていただきます。
これまでの練習記録など
これまでのレッスンについての記事はこちらです。
【ピアノ/練習記録54】気がついたらバッハだらけになっていた[blogcardurl=”https://hirofumi24.com/pianolesson_ongoing-54″]
レッスン再開後以降の過去のレッスンなどの模様についてはこちらでまとめています(終了しました)。
番外編「大人の発表会」への参加についてはこちらです。
基礎練習
金子勝子監修:指セットプラスハノン
引続き、指セットは毎日1単元ずつ、ハノン39・40・41・52番、スケールとアルペジオはそのときに練習している楽曲に関連する調性、3度は頭から2つずつ毎日練習しています。
現在練習中の作品
バッハ:フランス組曲
第5番、第6番に続いて第2番ハ短調も全曲一通り終えました。
次は悩んだ結果、どのみち全曲弾いてみるつもりなので第1番ニ短調を始めています。
バッハ:イギリス組曲
パルティータ、平均律とやってきて、フランス組曲にも取り組むことにしたところで、真空地帯となっていたイギリス組曲。
務川さんが動画をアップされた3番の演奏がとても心に染みいる強烈な印象だったことに影響を受けて3番のプレリュードから練習を始めましたが、さすがに手強く、自分がまあ納得できるまででもかなり時間がかかりました。
続いてアルマンドを終え、現在クーラントを練習中です。
バッハ:6つのパルティータ
すべてレッスンを受けたパルティータですが、いずれもちゃんと弾けたなぁという記憶はあまりなく、特に2番が全般にメタメタだったので(自分自身で振り返ってみたときに、最もダメダメと思っていました)、2番に再度チャレンジすることにしました。
2番の中でもシンフォニアのフーガとカプリッチョは、個人的には弾くのすら怖いコンビですが、巷に溢れる素晴らしい演奏のテンポを頭の中から消し去って、自分なりに丁寧に練習し直したところ、恐怖心は消えたようです。
ドビュッシー/デュラン:小組曲(ソロピアノ版)
それぞれなんとか一通り練習して、自分なりに4曲通してどう対比させて組み立てるかというところまではたどり着いたようです。
それでも、楽しく弾くことができるようになったことは事実でした。
おそらく他人様の前で弾くことはないだろうと思いますが。
セヴラック:夾竹桃のもとでーカタルーニャ海岸の謝肉祭の夕べ
スペイン貴族の血を引くフランスの作曲家セヴラックの最後の作品で、演奏時間15分の大曲です。
たびたび訪れたスペインの印象を作品としたものの一つで、カタルーニャ地方の謝肉祭を題材としています。
村の楽団
騎兵たちのワルツ
バニュルスの水の精
サルダーナのように
シャルル・ボルドのために
エマニュエル・シャブリエのために
舟歌ふうに
往時のダカンの魅力的な気配
陽気な小フーガ(かっこう)
場面は上のように展開しています。
作品名の前に「エマニュエル・シャブリエ、イサーク・アルベニス、シャルル・ボルドら愛する大家たちの思い出に捧げられた幻想曲」とあるように、カタルーニャ地方の舞曲がアルベニスのように現れるのですが、それはドビュッシーのようでもあり、またシャブリエのように洒落っ気があります。といって、印象派印象派、フランスフランスしているわけでもなく、ショパンやシューマンのようなロマン派の響きも聴こえてきます。
チッコリーニの演奏はお洒落で素敵です。
この2004年に出版された音楽之友社の「セヴラックピアノ作品集❶❷❸」は3冊すべて発売直後に購入しました。
舘野泉さんのCDも購入して、よく聴きましたが、筆者自身は弾くことがなく、そのままになっていました。
しばらく経過した2011年、岡田博美さんの晩秋恒例のリサイタルで「夾竹桃のもとで」がプログラムとなり、その魅力的な演奏に刺激されて、ようやく譜面台に楽譜を載せることになりましたが、とても手が出ませんでした。
そのままずっと書棚に眠ったままになっていた作品集ですが、今回その存在と岡田さんの演奏をふと思い出して、購入後20年近く経って大胆にもこの「夾竹桃」に挑戦してみようと思い立った次第です(陽の目を見たと書きそうになりましたが、思い止まりました)。
先行きが思いやられますが、ラングドックやセルダーニャなどのほかの作品にも触れつつ、気長に取り組もうと思っています。
岡田博美 ピアノリサイタル ふらんすplus2011(2011年10月31日旧ブログから)
土曜日の夜、上野の文化会館小ホールで行われたリサイタルにお邪魔しました。プログラムは以下の通りでした。
イベール:物語
ファリャ:アンダルシアのセレナーデ、ベティカ幻想曲
アルベニス:イベリア第3集
セヴラック:夾竹桃のもとで(カタルーニャ海岸の謝肉祭の夕べ)
アルベニス:ナバ-ラ
いつもの通り、出て来られて椅子にかけるとすぐさま演奏が始まりました。交響組曲“寄港地”と並んでイベールを代表する“物語”は、10の洒落た楽曲の各々の特徴がさらりと表現されたとてもチャーミングな演奏。クリアな音、透明度の高い響きと明晰な分析ももちろん健在でこのリサイタルに対する期待はますます高まっていきました。
そんな中で演奏されたファリャのベティカ幻想曲、この曲をライヴで聴くのは亡くなったラローチャの東京さよなら公演以来でしたが、彼女の演奏とは異なりシャープでエッジの効いた演奏で、その迫力に終始圧倒されっぱなしであっという間に12分間が過ぎ去りました。ブラヴォの声も聴こえましたが、まさに聴き終わってもう唸るほかないくらいの横綱級の名演奏だったと思います。
休憩をはさんで、今度はアルベニス。イベリアはラ・フォル・ジュルネでの全曲演奏や既に録音もされていることもあって、当日の演奏曲の中では最も手馴れたプログラムかと思われ、前半の演奏もあって非常に期待して聴いたのですが、やや肩透かしだったかなぁ。ややパサついて濁りの感じられた響き、表現もやや平板でやや慌てておられるようにも見え、特にラヴァピエースは「どうしちゃったんだろう」と思ったほどでした。
ファリャで燃焼しきったのかと思いつつ始まったセヴラックの夾竹桃でしたが、前半の音が戻ってきた素晴らしい演奏でした。さまざまな要素のごった煮のようなこの曲をしっかりと捉えた明晰なアナリーゼ、万華鏡のように変わる色あい、セヴラックが最後のこの曲に込めた思いが伝わってくるような凄味もある演奏で、後半の白眉でした。
アンコールは火祭りの踊り~恋は魔術師とアルベニスのタンゴでした。ファリャでめらめらと燃えるようなスリリングな演奏をしたかと思うと、「これで終わりですからね」と静かに歌われたタンゴ。この素敵な夜の締めくくりに相応しい選曲、そして演奏でした。
まとめ
まったく簡単ではない、いや難しいのですが、バッハは練習が進むと、ゴチャゴチャした頭の中が理路整然とスッキリしていくのをはっきりと感じることができて、とても楽しい瞬間でもあります。
そしてスッキリしたところでセヴラックに挑戦してみます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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