いつもこのブログ「音楽徒然草」をお読みいただきありがとうございます。
発表会はおかげさまで、2021年4月29日に予定通り開催されました。
前回は、本番までの3日間で何をしたのかということについて記事にまとめました。
今回は、発表会の模様についてお話させていただきます。
これまでのお話
現在のレッスンについての記事はこちらです。
レッスン再開後以降の模様についてはこちらでまとめています(終了しました)。
番外編として「大人の発表会」への参加についてもお話ししてきています。
発表会での演奏曲
発表会はソロ演奏の第一部と、アンサンブル中心の第二部の二部構成になっています。
僕は第一部の最後でショパンの「バラード第1番ト短調作品23」と、第二部でもラストにグリュンフェルトの「ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツにによるコンサート・パラフレーズ」を弾きました。
これまでは、僕も第二部はアンサンブルで出演していたのですが、今回は一緒に練習することも簡単ではありませんでしたので、当初は第一部だけの予定でした。
そこで、先生の配慮もあって、第二部でもソロ演奏で出演させていただくことになったものです。
第一部、第二部ともに演奏順は最後でした。
本番直前3日間でやったこと
本番4日前のレッスンで指摘されたところ、またその際の録音を聴いて修正すべきところを中心に練習しました。
ショパン:バラード第1番ト短調作品23
最後のプレストの音の厚みを作るため、右手の頂点の音をやや強調して響かせるべく練習しましたが、これがなかなかの難題でした。
どちらかというと内声を聞かせる(意識して自分でも聞く)ことで分散和音の乱れを回避してきたので、これは物理的にも心理的にも重心を逆さにするようなもので、頭の切り替えが必要でした。
どうにかこうにか頭も身体もその流れに慣れ、響きの幅も少しは出てきたかなというところまでは辿り着きました(あくまでも僕自身の感覚です)。
そのほか、録音でミスした箇所を精査しながら、全体をゆっくりとしたテンポでさらいました。
グリュンフェルト:ウィーンの夜会作品56
録音を聴くと、ワルツの冒頭がオドオドして不明瞭なこと、さらに、そのあとのオクターブ和音の中に一つ音が加わって奏する部分の流れが悪いことが気になりました。
そこで思い切って、ワルツ冒頭の装飾音を省いてアクセントに、和音の部分はオクターブのみに変えてしまうことにしました。
和音のところは、当初から先生に「2部はゆったり楽しく、なので思い切って簡単にすることも考えなさい」と言われたときに、例示していただいたところでもあります。「だから言ったでしょ?!」です。
そして、その日の演奏で耳障りになるほど目立ったミスタッチについては、本番用の縮小サイズの楽譜で練習するようになって、音が曖昧なまま流してしまうようになったことに起因していることが、ゆっくり練習してみてわかりした。
また、細かい音符の譜割りもいい加減になってしまっていて、これではきちんと嵌ってくれるわけがありません。
時間もないので、ワークブックのように、左右別々、両手で超スローテンポで練習し直しました。
発表会本番の模様
来場いただく方は事前登録制でしたが、ありがたいことに、これまでの発表会に比べ、多くの方にお越しいただいたように感じました。
ショパン:バラード第1番ト短調作品23
15分与えられたリハーサルで椅子の高さの調整が十分ではなく(高かった)、リハーサル終了後弾きやすいように高さを再調整しておきました。
それでも少し高かったようで、いつもと違うなと思いつつ、アナウンスも終わっていたので、そのまま演奏に入ってしまいました。
冒頭は、慌てると暴走する気配をリハで感じたこともあって、深呼吸して息を長くとって歌うことで落ち着かせて入ることができました。
欲しいところで十分盛り上がることができなかったり、譜割りがおかしくなってしまったり、そしてお約束のミスタッチ、と色々ハプニングはありました。
ただ、たっぷりと歌いたかったところ、心の激しさを表現したかったところ、そしてそれらのコントラストや拍子感については、僕の意識の中では失うことなく、終曲を迎えることができたのではないかと思います。
グリュンフェルト:ウィーンの夜会作品56
ショパンを終えたことで重い荷物が半分になったことと、楽しいアンサンブルばかりでリラックスした第二部の雰囲気のおかげで、僕も肩の力が抜けて、心身ともにとても身軽になったところで出番を迎えました。
全体の流れを阻害するようなミスタッチはなかったと思います。また、4日前の演奏のようなミスタッチの雑音化もなかったのではないかと個人的には感じています。
終演後、聴いていただいた方々から「とても楽しそうに弾いていたね」とおっしゃっていただきました。
そんな余裕はとてもなかったのですが(ここだけは外さない!と必死だったので)、ノリとハッタリで最後まで突っ走ったことは確かなので、そのように感じていただいたのかも知れません。
ショパンを弾き終えたときには深呼吸したのですが、この曲では軽々と立ち上がってご挨拶したように思います。
まとめ
ピアニストの森本麻衣さんが、YouTubeで挙げておられる「本番前(一ヶ月前くらいから)にやっておくべきこと」は以下の7点です。
譜面台を取る ◯
寝起きに弾く ❌
冷たい手で通して弾く ◯
ピアノ椅子の高さを変えて弾く ❌
違うピアノで弾く ◯
家でも本番の装いで弾く ❌
緊張を作る(録音する、誰かに聴いてもらう)◯
僕がやったものには「◯」、やらなかったものには「❌」をつけています。
やっていなかったことの中で、実際に本番に影響があったのは「ピアノ椅子の高さ」と「本番の装いでの練習」でした。
椅子の高さについては上で述べた通りです。
第一部のショパンでは高いなと思いつつ、そのまま演奏を始めてしまいました。第二部では開き直って、納得するところまで高さを下げたので弾きやすくなりました。
本番用の装いについては、女性のようにドレスを着るわけではなく、僕はシャツとパンツだけでジャケットを羽織らないことにも慣れているので大丈夫なのですが、部屋の中で靴を履いて練習することはありません。
それをしておきなさいということだったのですが、そこまでは…と予行演習しませんでした。
ところが、譜めくりのタイミングで右足の位置が動いてしまったようで、ペダルを踏んでも下がりません。そこはペダルが欲しいところなのに。
2小節弾いたところで、隙を見つけて足許を見ると爪先がペダル脚注の上に移動してしまっていて、踵と爪先を結んだ空間の下にペダルがあるという状態でした。
室内で弾いているときには、素足か靴下の状態なので、それでもペダルを踏めますし、スリッパでもなんとかなりますが、革靴はそうはいきませんでした。
気づいたから良かったようなものの、予行演習しておけば焦ることもなかったでしょうね、備えあれば憂いなし。
色々とありましたが、自己満足ですが、音楽の喜びを感じて演奏することができたのではないかと思います。
このような状況にも拘らず、足を運んでくださってお聴きくださったみなさまに厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
コメント
hirofumi様
緊急事態宣言下での発表会、本当にお疲れ様でした!いつもブログ欠かさず読ませていただいています。
発表会練習…..そして本番と臨場感溢れる内容、参考になります。それにしても難曲(全音ピアノピースでいえばFの上くらい?なイメージ)を二曲も….
いやはや….凄いです。そしていつもながら、本番で凄く緻密に自己分析されながら丁寧に奏でていらっしゃる様子が伝わってきて、見習わねば、と思わされました。
森本先生のアドバイス、全部実践は….到底無理ですね(笑)。
私は3月ポピュラー系のコンサートでジャズ(中島みゆきの「糸」)とボサノヴァ(坂本九の「上を向いて歩こう」と )の編曲弾き歌いが終わり、ドビュッシー「水の反映」仕上げに取りかかり(いや、これ確かにホールのよく鳴るピアノで弾いたら凄い綺麗かも!)、10月の発表会に向けてグリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」をソロバージョンで弾こうとして頓挫した(=同じ曲を先に連弾デュオが弾くことが決まっていた)所です。まだ何の曲にするか模索中ですが、何の曲になるにせよ本番までの根気強い練習や本番中の丁寧な自己分析と誠実な演奏、見習わせていただきます。
お疲れ様です、そしてありがとうございました!
> 聖弥さま
コメントいただきありがとうございます。
お忙しい中、音楽を楽しんでおられて大変素晴らしいです。
グリーグのピアノ協奏曲、素敵な曲ですね。
ベルゲンで現地ツアーでグリーグの家を見学したときに、その環境と曲のマッチ度合いの高さに驚きました。
その旅行中、ずっとグリーグを聴いていたような記憶があります(笑)
発表会が終わり、ノリとハッタリで押し切った感が強いのですが、燃え尽き症候群でもあるようです。
しばらくは穏やかにピアノを弾いてみたいなと思っているところです。
引続きよろしくお願いいたします。
[…] […]