【ピアノ/レッスン記9】フェインベルク編悲愴交響曲第3楽章

ピアノ
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前回「レッスン記8」では、2度目の「大人の発表会」参加までのレッスンについてお話しました。

ショパンのスケルツォやバラードといった大曲を弾かせていただき、また初めてバルトークを経験しました。

ここからしばらく次の発表会の準備にとりかかるまで、チャイコフスキーの交響曲第6番の第3楽章スケルツォにチャレンジしました。

最後までどうぞよろしくお願いいたします。

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前回までのお話

第8回「バッハとショパンで実力のなさを知る」

番外編2「色々あった2度目の大人の発表会」

チャイコフスキー/フェインベルク編:スケルツォ〜交響曲第6番ロ短調第3楽章

悲愴と訳されるこのシンフォニーの中でも、第2楽章は5/4拍子の温かいニ長調のワルツ、第3楽章はト長調でスケルツォの中から現れたマーチが力強く高揚します。

この第3楽章を旧ソ連最大のバッハ弾き(僕は平均律を勉強するとき、まずこの演奏を聴きます)かつ大ピアニスト、サムイル・フェインベルクがピアノソロに編曲しています。

僕がこのアレンジの存在を知ったのは20年ちょっと前、ヴィルトオーゾ系のサイト華やかし頃でした。

ちょうど、その時期に発売されたヴォロドスのデビューアルバムを聴いて心躍りましたし、この曲の演奏の元祖ともいえるベルマンはギレリスをして「リヒテルと4手でもこんな演奏はできない」といわせた爽快な演奏にどんなアレンジなのか、どうしても知りたいと思うようになりました。

なお、ベルマンの演奏はニコニコ動画に楽譜つきでアップされていました。

超絶技巧ピアノ編曲作品 ⑥ - ニコニコ動画
超絶技巧ピアノ編曲作品 ⑥ チャイコフスキー作曲/フェインベルク編曲 『交響曲第6番「悲愴」op.74第3楽章‐スケルツォ』 演奏:ベ...

ヴォロドスの音源はこちら(期間限定で掲載します)。

最近は浜コンの予選で弾くコンテスタントもいますし、直近阪田知樹さんがアルバムを出されたようです。

話を戻しますと、当時香港に住んでいた僕はあるサイトを運営なさっていた方に「楽譜を見せてください」とメールでお願いしたところ、快く応諾いただき楽譜までお送りいただいてしまいました。

シンプルな楽譜で簡単に弾けそうに見える…しかし、実際に弾いてみるとまったく歯が立たない。なんだかバッハのようです。

トライしてみたものの、何度やっても冒頭の12/8拍子の3度6度の絡む8分音符からして弾けないような状態で話になりませんでした。
楽譜を手にしてから20年を経て、意を決してレッスンしていただくことにしました。

レッスンの模様

最初のレッスンでは「今日はバッハだけお願いします」申しあげようと何度も思ったくらいの出来でしたが、逃げても何にもなりません。
ともかく見て頂くことにしました。

🔸8分の12の8分音符は面倒でも細かくきちんと刻むこと
🔸すべての音を小節の最後まで聴くこと
🔸左右の八分音符はきっちり合わせること
🔸1、4、7、10拍目、つまり4分の4とみたときの拍の頭は曖昧ではなく明確に入れること
🔸3対1のリズムは、右手同様左手もはっきりと

ハードル高すぎますが、よちよち歩きでなんとか練習して全体を通すところまでやっと来たところで、途中でスタミナが切れ、集中力を失ってバランスを崩す、弾き直すということの繰り返し。

本当に断念しかかったのですが、何度目かのレッスンで最後まで止まらずに弾くことができて「もう無理かなと思ったこともあったけれども、見えてきましたね」と先生からもおっしゃっていただきました。

ここで改めて

🔸8分音符の刻みをひたすら正確に弾くこと
🔸各小節の最後まで丁寧に「聴いて」「弾く」こと
🔸リズムの安定性が崩れると、誰も聴いてくれなくなるということ

最初のレッスンと同じ注意を受けていました。
結局、途中で止まらなくなっただけかと。

そして、この曲のテーマはわかりやすく聴く方は簡単に覚えてしまうので、テーマよりは左手の細かい動きが重要で、実は聴き手はこの動きの違いを追っているということを意識して弾かないと、うまく聴かせられないのだとも。

そして、ここまで来たら

🔸楽譜全部を音にしようとしないこと
🔸「抜く音」「消す音」を考えて全部一生懸命に弾かないこと
🔸新たに登場するテーマへはそのまま雪崩れ込まないこと
🔸左手に出てくる「聴き手が必ず聴く音型」は絶対に外さないこと

よろよろした歩みでしたが、なんとか録音ということになりました。

先生からは、4拍目の音が最後まで自分で聴けているので全体に安定感があったこと、終盤の流れが良くなっていたこと、落ち着いてpに落としてから冷静にクレッシェンドした長い盛り上がりは感動的だったと過分なコメントを頂戴しました。

まとめ

憧れの曲でしたが、実際には途中で挫けて、正直何度も断念しそうになりました。

明るく勇壮なマーチなのに悲壮感が漂う現実から「聴く」と「弾く」は違うんだということを思い知りました。おそらく弾くべきではなかったのだろうと思いますが、低いレベルでの挑戦ではありましたが、僕自身が得たものは少なくなかったと思ってはいます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

コメント

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