【ピアノ/レッスン記26】川上昌裕「ピアニストは、進化する」「限界」を超える奇跡のピアノ指導

ピアノ
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いつもこのブログ「音楽徒然草」をお読みいただきありがとうこざいます。

過去のピアノレッスン記録も、発表会直前となり、同じ曲についてのレッスンなどが続くので、今回はまた寄り道をしてみようと思います。

僕がカプースチンの作品を初めて聴いたのは、アムランの今世紀初年のタケミツメモリアルでのリサイタルの「ソナタ第2番」でした。その音楽と演奏に衝撃を受けたことを今でも覚えています。

また、アムランはメトネルのピアノソナタ全集も録音しており、ラフマニノフやプロコフィエフとはまた異なったロシア音楽をとても新鮮に感じました。

その二人の作曲家の作品に特に熱心に取り組んでおられたのが、ピアニストの川上昌裕さんでした。カプースチン については、ロシアへ本人を訪ね、その後も親交を持たれ、多く作品を僕たちのもとに運んでくださいました。

川上さんは辻井伸行さんの先生でもあり、辻井さんがヴァン・クライバーンコンクールで優勝されたあと出版されたのが、この「ピアニストは、進化する」でした。

今回は、川上さんとこの著作についてお話していきます。

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川上昌裕さんについて

川上さんは1965年5月生まれ、北海道旭川市のご出身です。

1984年 東京音楽大学ピアノ演奏家コース入学(弘中孝氏、三浦捷子氏に師事)
1988年 東京音楽大学ピアノ演奏家コース首席卒業
ウィーン・コンセルヴァトリウム入学(ディアンコ・イリエフ氏に師事)
1992年 ウィーン・コンセルヴァトリウム首席卒業
(ウィーン国立アカデミーのトイフルマイヤー教授のもとでさらに研鑚を積む)
1995年 帰国(帰国後、辻井伸行さんの指導を始める)

2001年 オール・メトネル・プログラムによるリサイタル開催
2006年 オールカプースチン・プログラムによるリサイタル開催

2009年 辻井さん、ヴァン・クライバーンコンクールで優勝

カプースチンの作品普及に関する活動は以下の通りです。

ピアノ協奏曲第3番世界初演(2016年11月)
ピアノ協奏曲第4番、第5番日本初演(各々2012年6月、2018年11月)
ピアノ協奏曲第6番世界初演(2013年3月)

カプースチンのピアノ曲作品137、138は川上さんに献呈されました。

ディスコグラフィーは後述しますが、メトネル、カプースチン の楽譜の校訂を以下の通り手がけておられます。

メトネル:忘れられた調べ 第1集 作品38
カプースチン: 8つの演奏会用エチュード
カプースチン:24のプレリュード
カプースチン:ピアノ作品集1・2
カプースチン:ピアノアルバム1・2・3
カプースチン:2台ピアノのための「マンテカ」パラフレーズ
カプースチン:生誕80年記念特別版「ソナティナ 作品100」

現在、東京音楽大学准教授。

ウェブサイト:https://www.masahiro-kawakami.com/

ディスコグラフィー

カプースチン ピアノ作品全曲録音III

​ピアノ協奏曲第5番
6重奏曲「イントラーダとフィナーレ」 ほか

川上昌裕(ピアノ)
飯森範親指揮 日本センチュリー交響楽団
オクタヴィア・レコード

カプースチン ピアノ作品全曲録音Ⅱ

ピアノ・ソナタ第19番
ピアニスト・イン・ジョパディ作品152
ピアノ・ソナタ第19番作品143
グッド・インテンション作品137
スライト・オヴ・ハンド作品138

川上昌裕(ピアノ)
オクタヴィア・レコード

カプースチン ピアノ作品全曲録音Ⅰ

ピアノ・ソナタ第10番
6つの小品 作品133(世界初録音)
短いけれど超絶技巧の練習曲 作品149
Wandering 作品153

川上昌裕(ピアノ)
オクタヴィア・レコード

カプースチン 室内楽作品集1

カプースチン:
シンフォニエッタ Op.49[連弾]
フルートとピアノのためのソナタ Op.125
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ Op.70
2台のピアノのためのディジー・ガレスピーの「マンテカ」によるパラフレーズ Op.129

川上昌裕(ピアノ)
川上ゆかり(ピアノ)
大塚茜(フルート)
竹中勇人(ヴァイオリン)

カプースチン ピアノ作品集3

カプースチン :
ピアノ・ソナタ第11番
ピアノ・ソナタ第13番ほか

川上昌裕(ピアノ)

カプースチン ピアノ作品集2

カプースチン :
10のバガテル
子守歌 作品65
ユモレスク 作品75
ソナティナ 作品100
「ブラジルの水彩画」によるパラフレーズ 作品118

川上昌裕(ピアノ)

カプースチン ピアノ作品集1

カプースチン:
夜明け 作品26
スウィート・イン・オールド・スタイル 作品28
トッカティーナ 作品36
変奏曲 作品41
モーティヴ・フォース 作品45
ビッグ・バンド・サウンズ 作品46
瞑想曲 作品47
アンダンテ 作品48
ドゥヴォイリンの主題によるパラフレーズ 作品108

川上昌裕(ピアノ)

メトネル 嵐のソナタ

メトネル:
ソナタ変イ長調 作品11−1
2つのおとぎ話 作品20
ソナタ・エレジーニ短調 作品11−2
4つのおとぎ話 作品26
ソナタハ長調 作品11−3
ソナタ・ミナチオーザへ短調 「嵐のソナタ」作品53−2

川上昌裕(ピアノ)

メトネル ソナタ=バラード

メトネル:
ソナタ・バラード 作品27
回想ソナタ 作品38−1
忘れられた調べ 第2集
春 作品39−3
朝の歌 作品39−4
悲劇的ソナタ 作品39−5

バラキレフ:
コンサート・ワルツ
トッカータ
タランテラ

川上昌裕(ピアノ)

バラキレフ&スクリャービン

バラキレフ:
ピアノソナタ
スクリャービン:
ソナタ第5番
8つの練習曲 作品42

川上昌裕(ピアノ)

「ピアニストは、進化する」「限界」を超える奇跡のピアノ指導

この本が刊行される直前、川上さんはご自身のブログで、以下のように書いておられます。

(引用)
私のピアノ人生におけるこれまでの経験、特に海外で学んだことや、辻井伸行君への指導から学んだこと、面白い経験やエピソード、ピアノの演奏法やピアノ教育法について考えてきたことをまとめました。
この本のためにすべて書き下ろし、タイトルは『ピアニストは、進化する』という本になりました。店頭に並ぶのはもう少し先になるかと思います。
多くの人に手に取っていただけると嬉しいです!
(引用終わり 原文ママ)

この本の「はじめに」では、辻井さんのコンクール優勝を区切りとして、これまで経験してきたこと、ピアノを通して学んできたことや考えてきたことを、いろいろな角度から振り返ってみたい、との記載がありました。

そして、こんな人に読んで欲しいとのことです。

ピアノを学んでいる人やピアニストを目指している人
音楽に興味のある人
音楽を勉強しようと思っている人
音楽関係の仕事をしていきたいと思っている人
音楽活動をしながらも将来について悩んでいる人

それでは、目次を見てみましょう。

第1章 音楽家になるための10のヒント

あこがれる
ならう
つづける
くらべる
つきつめる
ひろげる
はたらく
つくる
はばたく
そだてる

第2章 辻井伸行との出会い

辻井くんが成功した理由
楽譜は「データ」である
お母さんの力
本番の機会を作ることの大切さ
本番前は楽しみながら練習⁉︎
即興演奏の経験を積む
「本番は上手く弾けました!」
生演奏を一発成功させるプロ意識
ハノンとチェルニーは必要か?
人によって表現法は違う

第3章 本物を目指すピアノ教育

子どもの中の能力をどう見極める?
教材選びへの考え方
ピアノの先生の役割①【技術的な面・専門性を高める】
ピアノの先生の役割②【精神的な面・良きコーチとして】
指導では「色づけ」しない
「枝葉」ではなく「幹」を押さえる
作曲家の立場に立って考える
音楽の素晴らしさを知る
向上していく喜び
指導者としてのオリジナリティを確立する

第4章 海外に学ぶ

ミット・フロイデ!(喜びを持って!)
欧米人のメンタリティ
響き違えば耳も変わっていく
アーティキュレーションと言語のリズム
良い意味でルーズになろう
演奏に反映されるテンポ感
くつろぎと余裕の大切さ
コミュニケーションが大事
どこの国でも通じる、自分独自の表現法を身につける
トラブルを楽しむ

第5章 ピアニストとして生きる

教育活動と演奏活動
効率的な勉強法と演奏能力の維持
本番でアガらない!
プロの自負心を持とう
練習時間をどう確保する?
インプットとアウトプットのバランス
人前に出ることで得られるもの
ピアニストに求めらる能力
ピアノ科は音大で何を勉強するべきか

第6章 無限の可能性を拓く

「仕事をもらう」ではなく「仕事を創る」
物事は何でもとことんやってみること!
行動に移すことが大事!
クリエイティブとはゼロから作り出すことではない
自分にしかできないことを探す
専門性とマルチ性
突破口を開く
「達成したいものリスト」を作る
感受性をいつまでも失わないこと
自分の「器」を広げる

おわりに

ピアニストは、進化する
「限界」を超える奇跡のピアノ指導
川上昌裕著
ヤマハミュージックメディア2012年刊

まとめ

ずっと以前のことになりますが、川上さんのブログはずっと拝読していて、特にカプースチンについてはその更新を楽しみにしていました。CDや楽譜が出たときには、銀座ヤマハでのミニコンサートに行ったりもしました。

また、メトネルについては「プリマヴェーラ」が収録された「ソナタ=バラード」を探し回ったことも記憶に残っています。そして、その演奏を聴いて弾いてみたいと思ったのでした。

当時の読後感としては、海外の経験によって視野を拡げることや仕事そのものに対する考え方など、ピアノの世界に限らず一般に働いていく中で示唆を受けることが満載で、僕自身を振り返って反省させられることも多かったのですが、逆にこれからでもまだ間に合うかなというところもあり、元気が出たようです。

川上先生の曲の与え方、特に辻井さんにハノンやチェルニーを与えなかった(少しはされたようですし、この本を読むと辻井さんだから必要なかったということではありましたが)ことは有名ですが、僕が子供の頃とレッスンが様変わりしていて、多様になってきていることが良くわかりました。

また、川上さんご自身は音大の学生時代に半年間毎日ハノン全曲を練習したという方でもあります。

一方で、生徒さんがしっかりと自分で考えて決めていかなければいけない部分も多く、その意味では大変な時代になったものだと思います。

ぜひ一度手に取ってみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

コメント

  1. […] […]

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