いつもこのブログ「音楽徒然草」をお読みいただきありがとうございます。
前回は、2019年12月の発表会の演奏曲としたドビュッシーの「喜びの島」について記事にまとめました。
今回は。同じ発表会で演奏したアンサンブルと連弾の選曲、アンサンブルのアレンジなどについてお話していきます。
演奏曲は、エレクトーンとのアンサンブルは吹奏楽曲の「シンフォニア・ノビリシマ」、連弾はフォーレの「ドリー組曲」から抜粋でした。
前回までのお話
これまでの記事もご覧ください。
ドビュッシー「喜びの島」発表会演奏曲
ジェイガー:シンフォニア・ノビリシッマ(Sinfonia Nobilissima)
シンフォニア・ノビリシッマは、アメリカの作曲家ロバート・ジェイガーが1963年に作曲した吹奏楽曲で、婚約者であるジョン・ルシルに捧げられました。ジェイガーの代表作です。
原題はなぜかイタリア語ですが、古くは「吹奏楽のための高貴なる楽章」と邦訳されていました。1970年代の前半には邦訳で呼ばれることもありましたが、一般的には原題で広く浸透しています。
曲は「急ー緩ー急」の3部構成で、華やかで重厚な序奏に始まり、中間部はロマンティックに歌われ、切り替わった再現部は木管、金管が相まって力強く盛り上がり、緊張感に満ちたエンディングを迎えます。
木管、金管、そして打楽器とすべてのパートが大活躍するとてもおいしい曲で、演奏効果も高いので、1970年代の吹奏楽コンクールでは一世を風靡しました。コンクールでの初演は1969年の阪急百貨店吹奏楽団(当時)で、第1位に輝いています。
音源を聴く
この曲をご存知ない方も多いと思いますので、音源をあげておきますね。
一つは、僕がこの曲の演奏に初めて接し、そしてデフォルトにもなった、東京の瑞穂青少年吹奏楽団の演奏です。
オリジナルの編成で演奏されている龍谷大学の演奏もご参考までに掲載しておきます。
シンフォニア・ノビリシッマのアレンジ
この曲には渡辺睦樹さんによるエレクトーンソロのためのアレンジ譜があります。
これは最新のエレクトーン機種には対応していない(機能を使い切っていない)のですが、それは別対応するとして、アンサンブルのためのピアノパート譜を作りました。
基本的には、エレクトーンは渡辺さんのアレンジをそのまま演奏するという前提で、吹奏楽のフルスコアとエレクトーンアレンジ譜を比較して、省かれた音を加えていく作業になります。
例えば、フルスコアのこの部分では赤く囲んだコルネットとホルンの音が、エレクトーンでは再現されていません。
フルスコア
エレクトーン譜
そこでピアノ譜ではその部分を追加します。
ホルンのinFはヘ音記号で読むとわかりやすいのですが、それでも超面倒です。
また、盛り上がるラストでは楽器の数が増えていきますので、木管パートがあっさりとし過ぎているエレクトーン譜(赤く囲んだ部分)にピアノで音を加えます。
フルスコア
エレクトーン譜
その結果、ピアノ譜は全般的にチェルニーの毎日の練習曲のようになってしまいました。
また、速いパッセージはピアノが担当して、エレクトーンでサウンドを作っていくことにしました。その結果、さらにツェルニー度が増して気づいたらかなり大変になっていました。
冒頭などはピアノでメロディを弾いてもあまり意味がないので、和音を基本として音の厚みを加えていく方向です。ティンパニのロールをトレモロで弾いたりもします。
フルスコア
エレクトーン譜
ピアノ譜
もちろん、これをこのままということではなく、先生にバランスを聴いて頂きながら、足したり引いたり、エレクトーンの音を調整したりという作業を加えていきました。
二人で合わせて、そしてテンポを上げていくのは、大きな合奏さながらに大変でしたが、徐々にできあがっていくのを実感できるので、とてもやりがいがありました。
フォーレ:ドリー組曲から子守唄、スペインの踊り
この発表会では、先生との連弾もプログラムに加えることになりました。
演奏時間は5〜7分程度ということで、僕が候補としていたのは次の4つです。
ドビュッシー:小組曲から小舟で、バレエ
ファリャ:はかなき人生からスペイン舞曲
レクオーナ:マラゲーニャ
フォーレ:ドリー組曲から子守唄、スペイン舞曲
先生と相談して、フォーレに決まりました。
先生がプリモ、僕がセコンドという分担です。
手の交差やぶつかる部分の整理
運動範囲の制約から腕や手の動きの工夫
本格的に連弾に取り組むのは実質初めてでした。
ソロでは経験することのない工夫が必要で色々と勉強になりました。
また、プリモとセコンドのバランスや、セコンドのミッションなども新鮮な経験でした。なによりも練習の段階からとにかく楽しいので、本当に嬉しかったです。
まとめ
アンサンブルは3ヶ月ほど、連弾は2ヶ月足らずの練習期間、そして「喜びの島」は久しぶりの暗譜ということで、2019年の秋は濃密な時間を過ごしました。
次回は発表会の模様についてお話させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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