【ピアノ/レッスン記23】プーランク/即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」

ピアノ
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前回は時間をワープして2019年夏のウィーンホールでの「アフターコンサート」への出演についてお読みいただきました。

今回は「映像」のレッスンが終わった2019年4月に戻して、次に弾いたプーランクの「エディット・ピアフを讃えて」についてお話していきます。

最後までよろしくお願いいたします。

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前回までのお話

これまでの記事もご覧ください。

府中の森芸術劇場ウィーンホールで映像第1集を弾く

プーランク/即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」

プーランクのこの曲との出会いは、2019年4月の福間洸太朗さんのピアノリサイタル「ウィーンとパリにて」でした。

福間洸太朗ピアノリサイタル〜ウィーンとパリにて

サントリーホールをほぼ満席にしたリサイタルでした。

前半はウィーン、ハイドンとシューベルト(シューベルトは最後のソナタ)、そして後半はパリ、ショパンのバラード1番を皮切りに、ドビュッシー、プーランク、サティ、ワイセンベルグのエスプリを感じさせるお洒落な曲が並びました。

ショパンでグイグイと聴衆を曳き込んだら、そのあとは親しみやすく、気楽に聴くことができる作品を並べ肩の力を抜かせるという心憎いプログラミング、そしてラストはラヴェルのラ・ヴァルスでした。

このとき、パリ編で演奏された曲はCDに収録されています。

France Romance

ドビュッシー:夢、レントよりおそく
フォーレ:8つの小品から第5番、第8番、3つのロマンス
ラヴェル:逝ける王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル/福間編:ラ・ヴァルス
サティ:ジムノペディ第1番
サティ/福間編:ジュトゥヴ
プーランク:即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」
ワイセンベルク:6つのトレネによる歌の編曲
ルノワール:聞かせてよ、愛の言葉を

2018年11月(Naxos Japan)

プーランクがなぜエディット・ピアフを?

プーランクは、反ワーグナーなどを標榜するフランス6人組の一人で、好き嫌いは結構分かれる作曲家なのかも知れませんね。彼は「芸術はどこへ向かうべきか」について深い関心を持っていました。

そんな当時、フランス芸術のあり方に大きな影響を与えた人物が、詩人のジャン・コクトーでした。彼は、幅広いジャンルの芸術家との親交を持ち、シャンソン歌手のエディット・ピアフとも、晩年に至るまで大親友でした。

そのコクトーのもとにプーランクも頻繁に出入りしていたそうで「ピアフは、まさに偉大というべき存在。彼女の真似は誰にもできない」という彼の影響を受けたことは想像に難くないでしょうね。

プーランクの即興曲集の第15番にあたる「エディット・ピアフを讃えて」は「HOMMAGE A EDITH PIAF」とあります。この曲が作曲されたのは1959年、エディット・ピアフが亡くなったのは1963年なのに、なぜオマージュなのか。

ピアフが34歳の頃に恋人だったマルセル・セルダンというボクサーは、ニューヨークにいるピアフから「今すぐに来て」と言われて、船便をキャンセルして乗った飛行機事故で1949年に死亡しました。それ以降、ピアフは死んだようになってしまったとも言われていることが、タイトルに関係あるのかも知れませんね。

「エディット・ピアフを讃えて」の選曲、レッスン

ドビュッシーの「映像」の次は「クープランの墓」のメヌエットか、「エディットピアフを讃えて」のどちらかにしようと思っています、と先生に申し上げたところ「ピアフを聴いてみたい」ということで、この曲に決めました。

プーランクは好きな作曲家で、楽譜だけは持っていたのですが、福間さんのリサイタルで弾いてみたいと思いました。当然、上に書いた作曲の経緯などは知らず、プーランクがエディット・ピアフのファンだったというのに驚き、そして即興曲集の最後に彼女へのオマージュを持ってきているのにもこれまたびっくりしました。

愛の賛歌、バラ色の人生、パリの空の下、彼女が歌ったシャンソンは数ありますが、プーランクのこの曲からは枯葉に似たメロディが聴こえてきます。彼女のあの声、そしてシャンソンらしいメロディライン等々、見た目簡単なこの曲も実は難敵なんだろうと感じていました。

譜面づらは簡単に見えるこの曲ですが、響きに濁りを作らないようにどうぺダリングするのか、持続音はどう捉えたら良いのか…そして最後の二つの和音はどう弾き分けるのかなど、やはり大変な曲でした。

感情込めて弾いているつもりでも、弾いている側だけが溺れてしまって、聴いている方には伝わらない。そんな感じでしょうか。

レッスンでは

同じテーマが何度も出てくるので「変化」を垣間見せる部分を大切に
ピアニシモの部分の左手のバランス(うるさくならない)
音の広がりをみせる部分はその幅が感じられるような弾き方で
決めるところは絶対に外さないこと

先生からご指導いただきました。

レッスン最後の録音を聴いてみると

ppでの装飾音符がきれいに嵌っていない(かなり工夫したのですが)のが残念だったのですが、客観的に聴いてみて、曲想の切り替え部分が、以前に比べて改善されたようです。抑揚や陰影、纏まりの点では僕自身では満足の出来でした。

平均律のレッスン状況

平均律は1番フーガ、17番のプレリュードを弾いていました。

1番のフーガは僕から「再度」と申し上げて聴いていただいたものでした。

17番のプレリュードは珍しい3/4拍子。楽しい曲のはずなのに、それをどう表現すれば良いのかわかりませんでした。このことを正直に先生に申し上げたところ大解剖開始。

細かい音符は全部鳴らし切らず1拍目の和音を感じて
決してアクセントにならずに長さを感じて
2・3拍目は軽く弾くだけ

これで曲の感じががらりと変わって自分でも弾いていて楽しくなりました。

まとめ

パストレルに続いて2曲目のプーランクは自分なりに感情も込めつつ、客観的にも弾けたように思います。こうなるとナザレなどに挑みたくなりますが、それは無謀でしょうね。

次回は2019年末の発表会に向けた準備などについてお話していきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

コメント

  1. 聖弥 より:

    hirofumi様

    いつも大変ためになる情報提供ありがとうございます。プーランク「エディット….」音源拝聴致しました。すごく素敵な曲ですね。私はシャンソンはクラシックギターで弾くことが多く、ピアノではもっぱらクラシック以外はジャズ(今も3月のコンサートに向けて編曲中です)だったのですが、これは必ずいつか弾いてみたい!と思わされました。この音源、私にとっては「ピアノでシャンソン系ってこんなに素敵なのか!」と気づきのキッカケとなりました。
    譜面はそう難しくない感じを受けましたが、音源レベルの演奏に辿りつくには相当の技術が必要そうですね。ありがとうございました。

    「メルド日記」拝読していますが非常に面白いですね。今お世話になっているピアノの先生(大学教授兼ピアニスト)から伝え聞く内容と重なる部分も多く、クラシック界の内幕について考えさせられました。こちらも、ご紹介ありがとうございました!

    • hirofumi24 より:

      > 聖弥さま

      いつもコメントいただきありがとうございます。

      この曲はとっつき易かったのですが、おっしゃる通りなかなかの難曲でした。

      YouTubeで森本麻衣さんが「譜読み」と称して動画を作っておられますので、ご参考までにURLを貼っておきます。
      https://youtu.be/PJR35miO2eM

      聖弥さんならきっと素敵に仕上がると思いますので、ぜひお弾きになって見てください。

      今後ともよろしくお願いいたします。

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