【ピアノ】反田&務川 YouTubeでラヴェル/スペイン狂詩曲の演奏を探る

ピアノ
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ピアニストの反田恭平さんと務川彗悟さんによるデュオの2020年ツアーは延期実施され、7月には東京公演、そしてCDがリリースされています。

今回はそのプログラムとして演奏され、CDにも収録されているラヴェルのスペイン狂詩曲について、YouTubeで公開されている音源を中心に探ってみました。加えて、僕の所有しているCDについても紹介していきます。

最後までよろしくお願いいたします。

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ラヴェル スペイン狂詩曲

このスペイン狂詩曲はラヴェルが発表した実質的な最初の管弦楽曲です(習作的作品としては「シェヘラザード序曲」があります)。

実は、この曲は管弦楽曲に先立ち、1907〜8年にかけて「夜へのプレリュード」「マラゲーニャ」と「祭り」を2台ピアノのために作曲しており、この3曲に1895年に2台ピアノのために作曲されていた「ハバネラ」を加えてオーケストレーションを行なって、4曲からなる管弦楽曲として1908年3月に初演されました。

スペイン狂詩曲の構成

第1曲:Prélude à la nuit(夜へのプレリュード)
très modéré Molto moderato
冒頭に循環主題「F-E-D-Cis」が提示されます。この主題は「マラゲーニャ」と「祭り」にもあらわれる重要なモチーフとなっています。管弦楽曲では後半に演奏されるカデンツァ(クラリネット、ファゴット、ヴァイオリン)は神秘的です。

第2曲:Malagueña(マラゲーニャ)
assez vif Vivace assai
初演時には単独でアンコールとして演奏された曲。リズムもさることながら、中間部のコールアングレのソロ、そしてエンディングに向かっての木管楽器による上昇〜下降の音型が印象的です。

第3曲:Habanera(ハバネラ)
assez lent et d’un rythme las Lento assai
全曲を通して聴くと、この曲には循環主題が出てこないこともあり、少し異質なものを感じます。

第4曲:Feria(祭り)
assez animé Animato assai
賑わう祭りの日の市場の様子を描いた色彩豊かな曲で、コールアングレとクラリネットのソロを中心とした中間部のアンニュイな雰囲気と、シャブリエの「エスパナ」を思わせる熱狂的な踊りが対照的で、クライマックスの追い込みとあっけないエンディングが魅力です。

YouTubeで音源を探る

YouTubeで公開されている音源を探った中から4つの演奏を紹介します。

アシュケナージ父子 2008

アシュケナージと長男ヴォフカの共演で、ピアノ譜つきの動画になっています。
親子のつながりを感じさせる息のあった演奏です。

ラベック姉妹 2006

夜へのプレリュード


マラゲーニャ

ハバネラ

祭り

エッジの効いたドライブ感溢れる魅力的な演奏です。
僕がブリュッセルにいた頃に、フランスのAn2で彼女たちのこの曲の演奏を見た(聴いた)ときに衝撃を受けたことを思い出します。

ペキネル姉妹 1990

夜へのプレリュード


マラゲーニャ、ハバネラ、祭り

ラベック姉妹と比べると大人しいのですが、色気に溢れた演奏です。

アルゲリッチ&フレイレ 1993

この演奏は2台ピアノの演奏の紹介としてはやや反則でパーカッションが入っています。


アルゲリッチとフレイレのほか、打楽器のザードロとガッジーズが加わったアンサンブルです。
しなやかな音楽の流れが素敵です。

CDで音源を探る

このほか、僕の所有するCDは次の通りです。

アシャツ&永井幸枝

ダフニスとクロエ、ボレロ、そしてマ・メール・ロワとのカップリング。
隅々まで行き届いた端正な音楽作りで、丁寧に組み上げられたラヴェルの演奏です。

ロルティ&メルシエ

マ・メール・ロワ、ボレロやラ・ヴァルスなどとのカップリング。

ロルティのソロ演奏によるラヴェルはとても魅力的ですが、このデュオもとても素敵です。
丁寧かつ繊細で、2人の息の合った演奏が印象的です。

ベロフ&コラール 1994

アルゲリッチと付き合っていたベロフが右手の負傷から復活して最初のアルバムです。
デュカの「魔法使いの弟子」、ビゼーの「子供の遊び」、ドビュッシーの「牧神」「夜想曲(雲・祭り)」とのカップリング。

隅々まで行き届いていて、細かい音符もリズムもドンピシャなことに加えて、推進力に溢れる色彩感豊かな素晴らしい演奏です。

ペキネル姉妹 1990

YouTubeの項で紹介した演奏と同じものになります。

反田恭平&務川彗悟

この演奏についてはよろしければこちらの記事をご覧ください。

まとめ

紹介した演奏はいずれも緻密で、それぞれ魅力に溢れています。

オーケストラとはまた違ったピアノならではの色彩感が表現されていますし、2人の能動的なかけ合い、やりとりを楽しむことができるのも、2台ピアノの魅力だと思います。

反田さんと務川さんのデュオでは、冒頭の音の厚みと色彩感、ゴージャスな音楽と若さ溢れるエッジの効いたスピード感が素晴らしく、二人の息もピッタリで素晴らしい演奏になっていると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

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