海外旅行が難しい中、せめて国内で少しは遠出をしようと思い立って、日帰り弾丸乗り鉄に行ってきました。
観光や滞在ではなく、かねてから乗ってみたいと考えていた近鉄特急の「しまかぜ」と「ひのとり」に乗車することを目的とした、完全な「乗り鉄」旅でした。
乗車券、特急券すべて完全チケットレス、スマホだけで旅行することができたので、旅程、乗車列車とともに、チケットの予約方法についてもお話していきます。
今回はこの乗り鉄のメインイベントともいうべき、名阪甲特急「ひのとり」で大阪へ向かいます。
今回の旅程
以下の条件で予定を組みました。
・日帰りとすること
・近鉄観光特急「しまかぜ」と名阪特急「ひのとり」に乗車すること
・空路は使わず、鉄道のみとすること
全旅程は以下の通りでした。
東京 06:51 のぞみ7 京都 09:06
京都 10:00 近鉄観光特急しまかぜ9001 宇治山田 12:06
宇治山田 13:14 近鉄特急伊勢志摩ライナー7214 近鉄名古屋 14:37
近鉄名古屋 15:00 近鉄特急ひのとり65 鶴橋 17:00
京橋 17:27 京阪特急3000プレミアムカー 丹波橋 18:02
丹波橋 18:13 近鉄特急ビスタカー 京都 18:20
京都 19:08 ひかり520 東京 21:42
近鉄特急チケットの予約
乗車券
近鉄では生駒山ケーブルと葛城山ロープウェイを除く全線でICカードを使うことができます。
使用できるICカードは以下の通りとなっています(2021年3月18日現在)。
僕はモバイルSuicaを使っていますので、チャージさえしておけば大丈夫でした。
特急券の予約
特急券もスマホで予約することができます。
近鉄アプリをダウンロードして開きます。
赤い丸印の「インターネット予約・発売サイト」にタッチすると別サイトに飛びます。
ネット購入、座席選定、クレジットカード払い、3回まで無料列車変更ができます。
会員登録をすることなく予約することもできます(僕は会員になっています)。
あとは画面の指示にしたがって操作するだけです。
京都から宇治山田まで、午前9時以降と指定すると京都10:00発の「しまかぜ」が出てきます。
大人・子供別の人数、座席のタイプ、座席位置の選択の有無を指定します。
座席を「シートマップから選択」とすると、シートマップの画面に移りますので、好みの座席を指定します。
座席が指定できれば、あとはクレジットカードでの支払手続をすれば予約が完了します。
これでチケットレスでの旅ができるようになりました。
しまかぜ・伊勢志摩ライナー乗車記
前回までの記事「しまかぜ」と「伊勢志摩ライナー」乗車記はこちらからご覧くださいませ。
名阪特急「ひのとり」
特急料金に加えて特別料金が必要な観光特急「しまかぜ」が非常に好評だったことを受けて、近鉄社内に結成された「次世代特急プロジェクトチーム」で次世代の名阪特急車両80000系が検討、製造されて、2020年3月に営業運転を開始したのがこの特急「ひのとり」です。
主に大阪難波〜近鉄名古屋の名阪甲(速達型)特急と大阪難波〜近鉄奈良の阪奈特急で運用されています。
名阪甲特急の停車駅は次の通りとなっています。
大阪難波〜名古屋:大阪難波、大阪上本町、鶴橋、津、近鉄名古屋
大阪難波発 07:00〜21:00 の毎時00分(土休日はこれに加えて06:00、16:20、17:20、18:20)
近鉄名古屋発 07:00〜21:00 の毎時00分(土休日はこれに加えて08:20、16:25、17:25、18:25)
以下の列車は大和八木に停車します。
大阪難波発 07:00〜10:00、土休日06:00、16:20、17:20、18:20
近鉄名古屋発 17:00〜21:00、土休日08:20、16:25、17:25、18:25
各々1日1往復だけで、乗車には特急料金に加えて「しまかぜ特別車両料金」が必要です。
車両は専用の80000系、6両編成8本、8両編成3本計72両が使用されています。
(近鉄ホームページより引用)
座席は「くつろぎのアップグレード」をコンセプトとして、種別を問わずすべて「バックシェル」が採用されています。
乗客アンケートの「座席を倒すときに後部座席の乗客を気にする」という声が多かったことを反映していて、気兼ねなくリクライニングすることができるようになりました。
また、大型テーブルや荷物フック、カップホルダーを設置、全席にコンセントも完備されています。
先頭車両(1号車、6(8)号車)がハイデッカー構造のプレミアム車両、中間車両がレギュラー車両となっています。
プレムアム座席は、アーバンライナーや伊勢志摩ライナーのデラックスシートはもちろん、観光特急しまかぜを上回る以上の座席(2-1人掛け、シートピッチ1,300mm)で、新幹線のグランクラスやJALのファーストクラスと同等となっています。
ハイデッカー車両の車内です。
高さ・角度調整機能付きの大型ヘッドレストや電動レッグレスト・シートヒーター・読書灯を備えています。
座席リクライニング操作は全てリモコンで行うことができ、さらにリクライニング、ヘッドレスト、レッグレストをそれぞれ単独で操作することができます。
レギュラー車両の座席はこのようになっています。
インバウンド需要などを見込んで、編成中3ヶ所に大型荷物用ロッカーが設置されています。6つのロッカーのうち、4つは交通系ICカードを鍵代わりに使うことができるようになっています。
プレミアム車両のデッキには、車内への階段横にカフェスポットがあります。
ミルで挽いたホットコーヒーや紅茶、ココアのほか、もう1台の自動販売機でサプリメント食品、ひのとりグッズ(ハンカチ、キーホルダー)を購入することができます。
ワゴンによる車内販売は行われませんので、レギュラー車両も含めてすべてのお客さんが利用することができます。
2号車、5号車には(8両編成の場合には7号車にも)ベンチスペースがあって、多目的な利用に応えています。
そのほか詳しいことは近鉄の特設サイトへどうぞ: https://www.kintetsu.co.jp/senden/hinotori/
名古屋発ひのとりに乗車して
このひのとり用車両80000系は、メタリックレッドにクリア塗装を重ね、プレミアムゴールドの帯をまとっています。
サイドビューにはロゴマーク「HINOTORI」がゴールドでプリントされています。
メタリック塗装のため、素人が画像を撮るのは簡単ではなく、どうしてもホームのファミマのグリーンや「赤福」が写りこんでしまうので苦労しました。
僕の座席は先頭車プレムアム車両の2番目の1人座席、2列目でも前面展望はバッチリでした。
座席をフルにリクライニングさせてみました。
フルフラットにはなりませんが、これでも十分すぎるくらい快適です。
最高運転速度はアーバンライナー同様130km/hで、青山越えの前後で出していたのではないかと思います(アーバンライナーでは速度の表示があったのですが、今回は確認できませんでした)。
驚くほど揺れが少なく、というよりむしろほとんど揺れを感じることなく、まさに滑るように走るあっという間の2時間でした。
なお、2021年1月現在の私鉄長距離特急のランキングで、近鉄名阪特急は第3位です。
第1位 近鉄 京都〜賢島:195.2キロ(営業キロ)
第2位 東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道 特急「リバティ会津」浅草〜会津田島:190.7キロ
第3位 大阪難波〜近鉄名古屋:189.7キロ
第4位 近鉄名古屋〜大阪上本町:187.7キロ
第5位 大阪難波〜賢島:176.9キロ
表定速度は約90キロですから、JR西日本の京阪神新快速とほぼ同じですが、身の危険を感じる新快速に比べ、揺れのレベルは次元が違いました。
まとめ
この「ひのとり」は2020年に日本デザイン振興会「グッドデザイン賞」ベスト100に選定されています。
鉄道友の会の「ブルーリボン賞」の候補としても最右翼なのではないでしょうか。
気になる料金ですが、所要時間とともに新幹線と比較してみましょう。
東海道新幹線 新大阪~名古屋 所要時間約50分(のぞみ利用の場合)
自由席 5,940円(運賃3,410円+自由席2,530円)
ひかり指定席 6,470円
のぞみ指定席 6,680円
近鉄「ひのとり」大阪難波~近鉄名古屋 所要時間約2時間8分
レギュラー車両 4,540円(運賃2,410円+指定席2,130円)
プレミアム車両 5,240円
これまでのアーバンライナーでは4,340円(デラックスシートで4,860円)対比、若干割高になりましたが、快適さへの対価としては十分リーズナブルですし、新幹線で1時間よりはひのとりでゆったり2時間過ごしたくなります。
自販機でキーホルダー(近鉄販売店は売り切れ多発でした)を購入してしまいました(800円でした)。
新しい車両に近鉄の伝統、そして新しい意欲が色々と感じられる素敵な特急電車でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👋掰掰👋
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