いつもこのブログ「音楽徒然草」をお読みいただきありがとうございます。
2022年7月、幻冬舎から反田恭平さんの「終止符のない人生」が出版されました。
7月21日に一般書店で販売開始されたほか、7月12日から始まったコンサートツアーでは会場限定版が別バージョンで先行販売されました。
自叙伝の一面もありますが、反田さんがこれまで夢にどのように立ち向かってきたのか、そしてこれからこの先に見据える夢に向かってどう進もうとしているのかが記されたとても元気の出る一冊だと感じました。
反田恭平さん年譜
大変読みやすく書かれていますが、これまでの歩みをまとめてみました。
1994年 北海道生まれ
幼稚園年長組時代から東京
4歳からピアノを始め、幼少時代はヤマハ音楽教室、一音会にて学ぶ
2006年 桐朋学園大学音楽学部附属子供のための音楽教室「仙川教室」入室
2008年 第18回日本クラシック音楽コンクール 最高位
2009年 第2回エレーナ・リヒテル国際ピアノコンクール 第1位、第16回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール 第1位、第63回全日本学生音楽コンクール中学校の部 第2位
2010年 第11回ショパン国際ピアノコンクールin Asia 中学生部門 ファイナル銀賞
2010年 桐朋女子高等学校音楽科入学
2010年 桐朋女子高等学校音楽科、学内ピアノ・コンチェルト・オーディション第1位、梅田俊明指揮桐朋学園オーケストラと共演
2012年 第81回日本音楽コンクール第1位、野村賞、井口賞、河合賞、岩谷賞(聴衆賞)受賞
2013年 桐朋学園大学音楽学部入学、ミハイル・ヴォスクレセンスキーの推薦によりロシアへ留学
2014年 モスクワ音楽院に「首席(外国人枠の最高得点)で入学」(公益財団法人ロームミュージックファンデーション奨学生)
2015年 第25回チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール古典派部門優勝
2015年 日本コロムビアからメジャーデビュー(アルバム「リスト」)、第96回東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会(バッティストーニ指揮)出演、ロシア国際音楽祭でロシアデビュー(コンチェルト、リサイタル)
2015年 ファンクラブ「SOLID」開設
2016年 サントリーホール日本デビューリサイタル、浜離宮朝日ホール3夜連続別プログラムリサイタル(追加公演あり)、「情熱大陸」出演(1度目)
2017年 ショパン国立音楽大学入学(第46回江副記念財団奨学生)
2017年 第27回 (2016年度)出光音楽賞受賞、「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番/パガニーニの主題による狂詩曲」が第9回CDショップ大賞クラシック賞受賞、佐渡裕指揮、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団特別演奏会全国12公演出演
2017年 全国横断リサイタル・ツアー全13公演
2018年 MLMダブル・カルテット(弦8名)創設、テレビアニメ「ピアノの森」、主人公の恩師、阿字野壮介のピアノ演奏担当
2019年 MLMナショナル管弦楽団(弦9名、管7名計16名)、一人の演奏家による自身のレーベル「NOVA Record」設立(本邦クラシック界初)、株式会社イープラスと共同事業開始、アンドレイ・ボレイコ指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団日本ツアー
2020年 有料オンデマンド・コンサート「Hand in hand」立ち上げ(業界初)、「情熱大陸」出演(2度目)、佐渡裕指揮ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団と共演、ウィーン楽友協会デビュー
2021年 MLMナショナル管弦楽団をジャパン・ナショナル・オーケストラに改名、株式会社化(本邦管弦楽団初)
2021年 第18回ショパン国際ピアノコンクール第2位
2021年 「情熱大陸」出演(3度目)、その他報道番組・情報番組に多数出演
2022年 ショパンコンクール凱旋コンサート開催
終止符のない人生
これまでの反田さんの歩みは、3度出演した「情熱大陸」を始め、「題名のない音楽会」やさまざまなインタビューで公開されてきたほか、またnoteやポッドキャストなどを通じて自ら発信されてきました。
事実としての流れはそれで十分なのかも知れませんが、この作品にはその「行間」に存在する反田さんの考え方や意志が示されており、興味深い内容になっています。
ピアニスト、音楽家に留まることなく、実現したい夢に向かってどう行動していけば良いのか、幅広い視点からよく考え、そして実際に行動していくその様子を読むと実に爽快です。
また、ショパンコンクールのプログラミングについて「傾向と対策」的なものも含めて、コンセプトが詳しく語られています。3次予選のあとの「これまでありがとうございました」「涙が止まらねぇ」についても触れられています。
ただ、お父さまの厳しい姿勢のその訳は、謎のままではありました。
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夢を叶えた瞬間からすべてが始まる
日本人として51年ぶりのショパン国際ピアノコンクール2位の快挙、自身のレーベル設立、日本初“株式会社”オーケストラの結成、クラシック界のDX化
脚光を浴びる若き天才は次代の革命家でもあったー
いま世界が注目する音楽家の軌跡と未来
目次
序章 冠を獲りに行く
第1章 ピアニスト反田恭平誕生
第2章 いざ、世界へ
第3章 人生を変えるショパンコンクール
第4章 僕が世界で2位を獲れた理由
第5章 音楽で食べていく方法
第6章 音楽の未来
第7章 僕を支えた天才たち
おわりに
2014年6月 ホロヴィッツのピアノを弾く
61ページ以降数ページにわたって、タカギクラヴィア、そして高木社長との関わりについて触れられています。
筆者の自宅のピアノもタカギクラヴィアさんに調律をお願いしていることもあり、ホロヴィッツのピアノは色んなピアニストから弾きたいという申し出があるものの、なかなか承諾することはなかったことを聞いていたので、反田さんが弾くということを聞いたときには驚いたものでした。
反田さんが演奏したのは、江口玲さんのリサイタルの第2部で江口さんとのデュオでした。
渋谷のさくらホールでリサイタル6/19, 19:00。使用ピアノはCD75と1887年ローズウッド。二台ともホロヴィッツお気に入りの楽器。ワグナー編曲集、ラフマニノフ、ラヴェル。後半の共演は反田恭平君 @kyohei0901 pic.twitter.com/LRiINLKSq8
— Akira Eguchi 江口玲 (@Akira__Eguchi) June 13, 2014
(タカギクラヴィアさんのブログ、引用始)
毎年恒例、6/19ホロヴィッツピアノ《CD75》誕生日コンサート。
今年は渋谷大和田さくらホールで102歳を祝う事になりました。
しかもホロヴィッツ生誕111年、没25年の年ですから、1887年ローズウッド・スタインウェイも登場、1912年のCD75との共演を企画しました。
タカギクラヴィアだからできる世界初の試みです。
(略)
そして後半はいよいよ1887年製ローズウッドスタインウェイの登場。
とうとう《CD75》と同じステージに立つ時が来ました。
1stに《CD75》、2ndにローズウッドでの2台ピアノ。
今夜は1stに反田恭平を迎えて江口玲とラフマニノ、ラヴェルを競演。
弱冠19歳で比類なき才能の持ち主である反田恭平は、間違いなく今後、クラシックピアニストとして世界に羽ばたいて行くと私は確信します。
圧巻のラ・ヴァルスの後、反田恭平はアンコール曲モシュコフスキー15の練習曲で観客の心をつかみ、シューマンの「献呈」で客席を唸らせる心憎い演出をやってのけ、彼の実力が並のレベルではないことを覗かせました。
(略、引用終)
まとめ
反田さんはもちろんですが、若い方には素晴らしい方が本当に多いということを実感します。
筆者のようなオッサンは邪魔にならないよう、またできる範囲でわずかでもお役に立てることがあれば良いなと痛感する今日この頃です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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