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兵庫県立神戸高等学校OBが運営する管弦楽団の第21回定期演奏会を聴いてきました。
今回から石井勇魚さんが指揮をなさっています。
石井勇魚さんについて
1995年神戸市生まれ
兵庫県立神戸高校66回生
大阪音楽大学音楽学部音楽学科管楽器専攻(サクソフォン)を経て、京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻卒業
2017年 ウクライナ国際マスタークラス指揮部門参加(ウクライナ・チェ
ルニーゴフ・フィルハーモニーとL.v.ベートーヴェン:交響曲8番共演)
オペラでは大阪音楽大学学生オペラTutti2017にてJ.オッフェンバック:オペレッタ「天国と地獄」を指揮
山田貞夫音楽財団第4回指揮者オーディションで山田貞夫音楽賞受賞
指揮を髙谷光信、下野竜也、粟辻聡、米津俊広各氏に師事
また、尾高忠明、高関健、佐渡裕各氏のマスタークラス受講
現在、神戸フィルハーモニック副指揮者(東京在住)
サクソフォーンでは第13回ハバネラ・サクソフォン・アカデミーで研鑽を積む
第9回くらしきジュニアサクソフォンコンクール高校生部門第1位
第17回KOSMAソロ管楽器コンクール高校生部門神戸市教育委員会賞
第16回ジュニア日本管打楽器コンクール本選に出場
第18回「万里の長城杯」国際音楽コンクール管楽器部門大学の部第4位
2016年度大阪音楽大学同窓会「幸楽会」在学生ソロ・アンサンブルコンテスト第1位
第2回豊中音楽コンクール大学・一般の部管楽器部門入選、ローズ賞
第22回KOBE国際音楽コンクール大学・一般の部木管部門奨励賞受賞
サクソフォンを西本淳氏に、室内楽を井上麻子、西本淳各氏に師事
また、赤松二郎、ヴァンサン・ダビット、ジュリアン・プティ各氏、ハバネラ・サクソフォン・カルテットのマスタークラスを受講
オフィシャルサイト:https://isanaishii.com/
余談ですが、筆者は石井さんが高校吹奏楽部現役時代、在阪キー局の番組に吹奏楽部が出演したときに指揮をなさっていたところを、帰省した際に偶然見たことを覚えています。
神戸高校OBオーケストラ
兵庫県立神戸高校には60年以上の歴史のある部活動オーケストラがあります。
1958年に指揮者の朝比奈隆さん(ご子息が神戸高卒業生)の力添えでオーケストラが誕生、弦楽部と吹奏楽部とにより管弦楽団としての活動を行なってきました。
OBオーケストラはその卒業生によって結成され、2001年に第1回の定期演奏会を開催して以来、今回の演奏会で20回を迎えました。
メンバーは弦楽部、吹奏楽部OBを中心に家族も含めたもので、指揮者やソリストも基本的にはOB(ソリストは両部以外の方もおられます)が務めるという特徴もあります。
定期演奏会の記録
第1回定期演奏会
2001年5月26日
東灘区民センター・うはらホール
ベートーヴェン:「エグモント」序曲
モーツアルト:フルート協奏曲第1番
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
アンコール パッヘルベル/カノン(弦楽合奏)
フルート独奏:吉岡美恵子 指揮:吉原彰
第2回定期演奏会
2002年6月2日
灘区民ホール・マリーホール
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
モーツアルト:クラリネット協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番
アンコール ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
サリマライズ
クラリネット独奏:中村真美 指揮:吉原彰
第3回定期演奏会
2003年6月8日
灘区民ホール・マリーホール
シューベルト:交響曲第7番「未完成」
ブラームス:交響曲第2番
アンコール ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
サリマライズ
指揮:吉原彰
第4回定期演奏会
2004年6月20日
神戸新聞・松方ホール
ドヴォルザーク:スラブ舞曲第1番
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調作品104
ソリストアンコール バッハ:チェロ無伴奏組曲第1番より「サラバンド」
ドヴォルザーク:交響曲第8番
アンコール ドヴォルザーク:スラブ舞曲第10番
サリマライズ
チェロ独奏:河野文昭 ゲストコンサートミストレス:林泉 指揮:吉原彰
第5回定期演奏会
2005年10月10日
神戸文化ホール・中ホール
ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
ショパン:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第4番
サリマライズ
ピアノ独奏:戸川晃子 指揮:吉原彰
第6回定期演奏会 神戸高校創立110周年記念「第九」演奏会
2006年9月17日
神戸文化ホール・大ホール
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」
サリマライズ
ソプラノ:溝口真知子 メゾソプラノ:木下千佐子 テノール:小餅谷哲男 バリトン:雁木悟
合唱:神戸高校OB合唱団
指揮:中村健、吉原彰
第7回定期演奏会
2007年12月9日
神戸文化ホール・中ホール
モーツァルト:交響曲第31番「パリ」
チャイコフスキー:イタリア奇想曲
ビゼー:アルルの女 第2組曲
ガーシュイン:ラプソディインブルー
サリマライズ
ピアノ独奏:戸川晃子 指揮:吉原彰
第8回定期演奏会
2008年7月21日
神戸文化ホール・中ホール
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
グルーク:抒情組曲
シベリウス:交響曲第2番
アンコール グリーグ:土井聡子編曲 歌曲「君を愛す」
サリマライズ
ゲストコンサートミストレス:林泉 指揮:吉原彰
第9回定期演奏会
2009年9月6日
神戸文化ホール・中ホール
ディーリアス:「3つの音詩」より
グリーク:ピアノ協奏曲
ブラームス:交響曲第1番
アンコール ブラームス:ハンガリー舞曲第6番
サリマライズ
ピアノ独奏:市川奈巳 指揮:吉原彰
第10回定期演奏会
2010年10月17日
神戸文化ホール・大ホール
土井聡子:Air(委嘱作品)
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」より「ハレルヤ」
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調作品125合唱付
サリマライズ
ソプラノ:山守美由紀 メゾソプラノ:ナムユカ テノール:中川正崇 バリトン:西村圭市
指揮:中村健、吉原彰
第11回定期演奏会
2011年10月2日
神戸文化ホール・中ホール
チャイコフスキー:歌劇「エフゲニ・オネーギン」より「ポロネーズ」「ワルツ」
フィンジ:クラリネット協奏曲
ソリストアンコール コヴァーチ:ファリャへのオマージュ
ブラームス:交響曲第3番
ブラームス:スラブ舞曲第1番
サリマライズ
クラリネット独奏:渡邊一毅 指揮:吉原彰
第12回定期演奏会
2012年9月17日
神戸文化ホール・中ホール
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
シューマン:ピアノ協奏曲
ソリストアンコール
チャイコフスキー:交響曲第5番
サリマライズ
ピアノ独奏:一ノ瀬夏美 指揮:吉原彰
第13回定期演奏会
2013年10月20日
神戸文化ホール・中ホール
ブラームス:悲劇的序曲
ブルッフ:ヴィオラとクラリネットのための協奏曲
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
サリマライズ
ヴィオラ独奏:松田美奈子 クラリネット独奏:中村真美 指揮:内藤謙一、吉原彰
第14回定期演奏会
2014年10月13日
神戸文化ホール・大ホール
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
ブラームス:交響曲第4番
サリマライズ
チェロ独奏:日野俊介 指揮:内藤謙一、吉原彰
第15回定期演奏会
2015年9月21日
神戸文化ホール・大ホール
バーバー:弦楽のためのアダージョ
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調作品104
ソリストアンコール バッハ:アリオーソ(一ノ瀬庸編曲)
チャイコフスキー:交響曲第6番
アンコール チャイコフスキー/バレエ組曲「白鳥の湖」より「ハンガリーの踊り」
サリマライズ
チェロ独奏:日野俊介 指揮:内藤謙一、吉原彰
第16回定期演奏会
2016年10月2日
神戸文化ホール・大ホール
ブルックナー:テ・デウム
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
サリマライズ
ソプラノ:山守美由紀 アルト:竹本節子 テナー:小貫岩夫 バス:麻田健洋
合唱:神戸高校合唱部同窓会 指揮:朝比奈千足
第17回定期演奏会
2017年9月23日
神戸文化ホール・大ホール
チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」より「ワルツ」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:交響曲第7番
サリマライズ
ヴァイオリン独奏:小西もも子 指揮:内藤謙一、吉原彰
第18回定期演奏会
2019年1月14日
ポートピアホール
ドビュッシー/ビュッセル編:小組曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
ソリストアンコール グラズノフ:ヴァイオリンと弦楽合奏のための瞑想曲
ショスタコーヴィッチ:交響曲第5番
サリマライズ
ヴァイオリン独奏:正司円 指揮:内藤謙一、吉原彰
第19回定期演奏会
2019年9月22日
神戸文化ホール・大ホール
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」より
チャイコフスキー:序曲「1812年」
サリマライズ
創立20周年記念第20回定期演奏会
2022年3月20日
神戸文化ホール・大ホール
指揮:内藤謙一、吉原彰
ブラームス:
大学祝典序曲ハ短調作品80
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調作品102
交響曲第2番ニ長調作品73
第21回定期演奏会
2023年1月29日
神戸文化ホール・大ホール
プログラム
ベートーヴェン:
歌劇「フィデリオ」序曲作品72
交響曲第5番ハ短調作品67
交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68
指揮:石井勇魚、吉原彰
演奏会の模様
おそらく70歳を迎えられる大先輩から最近卒業された方まで50年、4世代に亘るメンバーが参加されていました。
指揮をされた石井さんの年齢(27、8歳)はおそらくメンバーのみなさんの平均年齢の約半分と思われます。
若々しくキビキビとした棒捌きと音楽作りが見事でした。
運命、田園ともに作品全体が明確に構成され、推進力と抒情性の両方を兼ね備えた音楽作りに感動しました。
そして、打点が明確で安定したテンポのバトンはアンサンブルに妥協を許さず、明確なアーティキュレーションと相まって、全体をギュッと引き締めていました。
サウンド面でも、第1・2ヴァイオリン、ヴィオラが各々5プルトなのに対して、14名の大所帯からなるチェロが存在感を示していて、分厚い響きが全体をしっかりと支え、木管は安定の上手さ、そして今回は田園のホルンが本当に見事でした。
お客さまにウクライナから避難された方も多くいらっしゃるとのことで演奏された、アンコールのウクライナ🇺🇦国歌には胸が熱くなりました。
素晴らしい演奏を聴かせていただきました。
お邪魔して良かった、次回11月も楽しみです。
まとめ
今回の演奏を拝聴して、古典は時代が変わっても新しいということを再発見できたように感じています。
今回も神戸は昨年以上に冷たい空気に覆われて寒かったのですが、暖かい気持ちでホールを後にすることができました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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