【ピアノ】蘇る 安川加壽子の「ことば」青柳いづみこ編

ピアノ
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今回は安川加壽子さんの生誕100年にあたって出版された、そのインタビューや執筆記事を集めた「蘇る 安川加壽子の「ことば」」(青柳いづみこ編)についてお話していきます。

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蘇る 安川加壽子の「ことば」青柳いづみこ編

(音楽之友社HP紹介ページより引用)

2022年安川加壽子生誕100年にあたり、偉大なピアニストであり教育者であった安川加壽子のインタビュー記事や執筆記事を集めた1冊。

演奏者として、指導者として、戦後日本の音楽界を牽引してきた彼女から発せられる率直な「ことば」を収載。

音楽においても、家庭においても、人付き合いにおいても、どのような信念のもとにその美学を貫いていったのか、興味深いエピソードも満載。

『メトードローズ』をはじめとする数々のピアノ教本や曲集の狙いを読み解くにも大いにヒントになるメッセージが随所に見られる。

愛弟子の一人、青柳いづみこ氏による各章に付されたコラムで、当時の背景を踏まえながらより理解を深くすることができる。(引用終)

目次

第1章 パリ時代の思い出
第2章 レヴィ先生の思い出とフランスの音楽家
第3章 デビューの頃
第4章 ショパン記念祭とラヴェル、ドビュッシー
第5章 日本のピアノ教育とピアノ教本の導入
第6章 さまざまなピアノと調律のこと
第7章 日常と家庭生活
第8章 著名文化人との対話
追悼 安川加壽子(三善晃)
年譜

安川加壽子さんについて

1922年 兵庫県神戸市(東灘区深江)生まれ

生後14ヶ月で外交官のお父さまの仕事で一家でパリに渡り、お母さまのピアノレッスンの流れで3歳からピアノを始める

1932年 パリ音楽院入学(10歳)
1937年 パリ音楽院首席卒業(15歳)

1939年 第二次世界大戦勃発により帰国

17歳で日本に帰国
1944年 安川貞男と結婚(旧姓「草間」)
東京大空襲によりピアノと楽譜焼失

1952年 東京藝術大学音楽学部ピアノ科教授就任

「メトードローズ」「ピアノのテクニック」「ABC」「ラジリテ」など出版
ラヴェル、ドビュッシーなど多くの作品を日本初演

ショパン、ロン=ティボー、ジュネーブ、エリザベート、クリーヴランド、スペイン・ハエン、サンタンデール、浜松など国際ピアノコンクールの審査員を務める

1967年 フランスレジオンドヌール勲章シュバリエ

1993年 勲二等瑞宝章叙勲
1994年 文化功労者として顕彰
1996年  フランス国パルム・アカデミック勲章コマンドール章受賞
1996年 74歳で永眠

門下生は田中希代子、青柳いづみこ、平尾はるな、浜口奈々、岡本愛子、井上二葉、堀江真理子、秦はるひ、多美智子、菅野潤、三舩優子、高良芳枝、重松正大など(敬称略)

読後感など

章立て各々に掲載されたインタビューや対談、エッセイは時代が区々で確認しながら読んでしまいますが、全体を通してレヴィ先生の教えを中心とする音楽、ピアノに対する考え方、妻として、母としての生き方、趣味など各々について、生涯を通じて一本通じる柱があることで、迷子になることはありませんでした。

生後間もなく17歳までパリで育ったこともあり、後年になっても「日本語よりフランス語のほうが得意」と言っておられたようですが、話される言葉や書かれた文章など大変気品が漂う格調高い日本語を使っておられます。

特に個人的に印象に残った部分はこちら。

私たちにとって、リサイタルは1年1度どうしても必要だと思います(略)1年に1回でもリサイタルを持てば、自分の好きなものがある程度出せる。それから、リサイタルといいますのは、いい出来に仕上がらないことのほうが多いんです。それまでは夢中になって、がむしゃらに勉強して、結果が出てくるのはリサイタルが終わってからなんです。そのあとで、しばらくしますと自分でも少し進歩したということがわかってくるわけです(略)その前に自分で勉強していたもので、うまくいかないということがあるわけなんですね。そういうものを自然に解消させていくとか、そういう結果を期待するところにリサイタルの意義があるのだと思います(「リサイタルは勉強の場」)

日本の音楽界が世界に伍していくためには、やはり日本人の個性をはっきり出すということが必要じゃないかと思います

(レヴィ)先生は自分が若いときから見ると、いまのほうが生徒たちに色々要求しているといわれました。教師も生徒と一緒に進歩していかなければならない。教師であるからと言って、ある点で止まってしまってはならない。かならずいつまでも進歩を目がけて、とにかく自分も一緒に努力していかなければならない(略)と言われるのですが、非常に考えさせられました。

第7章では、安川さんの6つ年上の駐仏大使の長女の青木和子さんによってパリ時代からの振り返りが描かれています。青木さんは安川さんとご主人とのお見合いを仕掛けた張本人です。

最後の第8章では、同時代の文化人、谷川俊太郎、草野心平、三善晃、吉田秀和さんらとの対談が掲載されています。三善さん、吉田さんとの対談のテーマは「相撲」でした。

お相撲って、一人の相撲取りが登場し、強くなって、やがて引退していく、その過程を見るのが楽しみね

蘇る、安川加壽子の「ことば」
2022年安川加壽子生誕100年にあたり、偉大なピアニストであり教育者であった安川加壽子のインタビュー記事や執筆記事を集めた1冊。演奏者として、指導者として、戦後日本の音楽界を牽引してきた彼女から発せられる率直な「ことば」を収載。音楽においても、家庭においても、人付き合いにおいても、どのような信念のもとにその美学を貫い...

音源など

YouTube

ショパン

ドビュッシー

Spotify

まとめ

筆者のピアノの導入は「メトードローズ」でした。

この赤い教本と安川さんのお名前は小さい頃から「バイエル」よりも強烈な記憶として残っています。また、4度講師を務められたNHK教育テレビの「ピアノのおけいこ」でも厳しいながらも、常に余白があってゆったりとレッスンされていた様子が印象に残っています。

とても残念なのは、現在入手できるCDが少ないことで、ドビュッシーの4枚組(12の練習曲、子供の領分、小さな黒人、ベルガマスク組曲、スケッチブックから、映像第1集、映像第2集、版画、ピアノのために、前奏曲集第1巻、前奏曲集第2巻、アラベスク第1番、アラベスク第2番、ボヘミア風舞曲、夢、バラード、ロマンティックなワルツ、舞曲、喜びの島、夜想曲、マズルカ、仮面、ハイドン礼讃、レントより遅く、英雄的な子守唄収録)は今は入手できないようですし、筆者が持っている「ショパン名曲集」(文化功労賞顕彰記念)も簡単には手に入らないようです。

生誕100周年を記念してこれらのアルバムが復活すると良いですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋

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