ピアニストの金子三勇士さんがジャパン・アーツの新シリーズ「Japan Arts Live Streaming+」の第2回に登場しました。
金子さんの演奏は、リストの再来と言われるほどの超絶技巧、かつとびきりの美しい音とサウンド、かつ音楽が優しさに溢れていて、音楽を愛しているということが伝わってきます。それでいて、身近な存在だと感じさせてくださいます。
それではライヴ配信についてみていきましょう。
Japan Arts Live Streaming+
中国ウイルスの影響で、全世界的にストリーミング・サービスの流れが起きていますが、ジャパン・アーツでもイープラスの有料LIVE配信サービス「Streaming+(ストリーミングプラス)」による新シリーズ「Japan Arts Live Streaming+」をスタートしました。
演奏とトークの1時間ライブで視聴チケットは1,000円で、チケットを購入すればライヴ後2週間限定でアーカイブ配信も視聴できるというものです。
Japan Arts Live Streaming+ vol.1(開催済)
森麻季(ソプラノ) & 鈴木優人(ピアノ)
【LIVE配信】 2020年6月22日(月) 20:00
配信実施会場: eplus LIVING ROOM CAFE & DINING
Japan Arts Live Streaming+ vol.2
金子三勇士による「音楽宅配便 “MYUBER”」
金子三勇士(ピアノ)
【LIVE配信】 2020年6月29日(月) 20:00
配信実施会場: eplus LIVING ROOM CAFE & DINING
ベートーヴェン:ソナタ第17番ニ短調Op.31-2「テンペスト」第3楽章
ショパン:24の前奏曲第15番変ニ長調「雨だれ」
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻第15番ト長調BWV.884
リスト:ラ・カンパネラ ほか
また、6月15日(月)からジャパン・アーツ公式Twitterでアンコール曲の募集キャンペーンが行われました(6月28日まで)。
演奏曲に関するメッセージなど
雨だれ、ラ・カンパネラについて、金子さんがnoteにコラムを書いておられます。
雨だれ

ラ・カンパネラ

演奏曲とは異なりますが、バッハの平均律についての一考察も書いておられます。

ライヴの模様
ライヴは予定通り6月29日20:00に始まりました。
視聴する方はお仕事の関係もあり「あとでゆっくり聴こう」というところなのでしょう。
オンタイムでは開始直後180人ほど、雨だれが終わったところで250人弱でラストまでその状況が続きました。
ベートーヴェンのテンペストの第3楽章は速く弾かれることが多いのですが、金子さんの「指定テンポはアレグレットで、ベートーヴェンは「速さ」を求めてはいません。すべての音にベートーヴェンの意志が入っています」というトークの通り、落ち着いたテンポで、その一方で音楽の幅が広く、僕は思わす楽譜を取りに行って、確認しながら聴いてしまいました。とてもドラマティックで素晴らしい演奏でした。
バッハは「こういうときに弾きたくたる作品はバロックや古典、中でもバッハ」とおっしゃる通り、心に染み渡るような平均律でした。金子さんのバッハは実に素敵!
ラ・カンパネラは十八番中の十八番ですが、とても落ち着いたテンポで、ヴィルトオージティを存分に発揮しつつも、それをひけらかすことのない演奏。リビングルームで聴くことを意識されたのでしょうか。みんなでピアノを囲んで聴いているかのような魅力的な演奏でした。
このあとお話しされたときには、さすがの金子さんも肩で息をされているのがわかりました。
アンコール(ネタバレあり)
ショパン:ノクターン第20番嬰ハ短調(遺作)
バッハ:フランス組曲第5番からサラバンド
シューマン/リスト編:献呈
アンコールが終わって質問コーナーへ。
ステージに立つ前のルーティンは?
練習するときに今一番大切だと考えているものは?
音楽に合う食事はどんなもの?
この3つの質問に答えておられました。
回答はさすがにチケットなしではまずいのでストリーミング配信をご覧くださいね。
そして、もう一曲。
お別れの曲は、シューマンのトロイメライでした。
まとめ
リサイタルはもちろん「名曲アルバム」や「ららら♪クラシック」などメディアでもその演奏を聴く機会が多い金子さんは、ステイホーム期間中もSNSでバッハのフランス組曲などを日替わりで配信していました。その演奏に触れた方も多かったのではないでしょうか。
しばらくは引続きオンラインで活躍されるのでしょうが、ホールでのリサイタルも再開されていくだろうと思います。金子さんの温かい音楽にライヴで触れられる日を楽しみに待ちましょう!
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