台湾の京都とも呼ばれる台南は、長い間台湾の中心地で古都として多くの台湾人から愛されています。
街を歩くと、数多くの文化遺産に目を見張るほどの歴史文化都市である台南は、同時に美食の都でもあります。台南発祥のものも数多くあって、食で台湾を語る上でも台南は絶対に欠かせないところです。
そんな台南で、地元の人々に人気の3つのお店があります。TV番組の「二度目の台湾」でも紹介されていた「金三角」と称される3店で、永楽市場で隣同士、あるいは向かい合って営業しています。それが「富盛號碗粿」「阿松割包」「金得春捲」です。
台北から台南への行き方
台北から台南へのアクセス手段は、台鉄(鉄道)、高鉄(高速鉄道)とバスの3つです。
台鉄
朝6時以降に台北駅を出発して13時までに台南駅に着く列車は、新自強普悠瑪(特急プユマ)が1本、自強(特急)が3本と莒光(急行)が1本のみです。プユマの所要時間は3時間08分、特急の所要時間は4時間14~26分(急行も4時間13分/列車番号1の速達タイプ、ただし台北6:10発)、料金はいずれも特急が738元、急行569元です。
高鉄
高速鉄道の台北駅は台鉄と同じところにありますが、台南駅は台鉄の沙崙駅が接続駅で、沙崙駅から台鉄沙崙線に乗換える必要があります(台南駅は沙崙線駅から5つ目、約25分で着きます)。
朝6時以降に台北駅を出発、台鉄に乗換えて台南駅に13時までに着く列車は、高鉄台中~台鉄新烏日間の徒歩移動時間を十分余裕をみて20分とすると、6〜9時台各3本、10時台2本です。徒歩移動時間込の所要時間は2時間25~45分、高鉄の料金は指定席1,350元、自由席1.305元プラス台鉄料金25元となります。
なお、高鉄には予約時期、列車によって10%、20%、35%の割引料金が設定されています。
バス
バスは台北駅の北にある台北轉運站(バスターミナル)から出ています。
国光バス、統聯バス、和欣バスの3つのバス会社によって運行されていて、いずれも標準所要時間は4時間〜4時間30分です。台北を6時以降に発車して13時までに台南に着くことが想定されるバスは、国光バス3本(1時間ごと)、統聯バス6本(30分ごと)、和欣バスの3列シートバスは2〜5本(曜日によって異なります、週末は多い)のほか、2列シートの豪華バスが6本(30分ごと)です。
台南での到着場所は国光バスは台南駅ですが、統聯バスと和欣バスは兵工廠轉運站になります。兵工廠轉運站は台南公園の横、成功路より北の公園北路と公園南路の間にあります。台南駅から遠くはありません。
料金は450〜460元、和欣バスの2列シートバスは630元です。
アクセスのまとめ
台鉄のプユマ(台北8:00発、台南11:08着)が色んな要素で最強かと思います。ただ、全席指定が基本のため、予約が非常に取りにくいのが難点です。当日販売120席の無座(自由席、空席があれば座れる)という手もなくはないですが、容赦なく飛ばしますからお薦めしにくいです(関西の新快速や関東の京急の快特を想像してみてください)。
プユマが取れない場合には、乗換の面倒さと料金の高さというデメリットはあるものの、速達性と確実性の点で高鉄が良いと思われます。外国人観光客限定の乗り放題チケット(3日乗り放題、2,200元)を使えば、台南往復だけで元が取れます。また、アーリーバードという10%、20%、35%の割引もあります。
鉄道、バスに限らず車内のエアコン設定温度は寒さの限界を超えますので、夏場でも上に羽織る長袖はもちろん、ブランケットを用意するか、男性は半パンではなく長いパンツを履かれた方が良いと思います。
金三角へのアクセス
金三角は永楽市場にあります。台湾が特集された2017年7月15日に発売された「BRUTUS」の表紙となったのが永楽市場のある國華街です。こんなものもありましたよね。台南駅からは徒歩20分ほど。
駅から地下道をくぐって向こう側に出て「中山路」を進みます。左手に見える三越を過ぎ、もう一つ次の信号で右折して「民族路」に入り、途中右手に赤崁楼(ただいま工事中です)を見ながらそのまま直進。あるいは、駅前ロータリーのもう一つ向こうの「成功路」をまっすぐ歩き「西門路」で左折、ほどなく民族路と交差するロータリーが見えるので、そこを右折すると永楽市場です。
金三角の3店舗のメニューと注文の仕方
富盛號碗粿
お米をすりつぶして蒸し上げた「碗粿」(ワングオ)のお店です。豚肉、エビ、椎茸などが入った碗粿の上に、とろみのある甘辛タレがかかっています。見た目は「??」と一瞬ひるんでしまうかも知れませんが、具材とタレがマッチしていて美味しいのです。「二度目の台湾」で呂敏さんは「牛丼みたい」と言っていましたが、そうかも知れません。トッピングはすりおろしニンニクとわさびソースです。お好みでどうぞ。メニューは碗粿のほか、魚のとろみスープのと魚焿二つだけです。
碗粿 35元
魚焿 35元
内用(イートイン)と外帯(テイクアウト)は別の列に並ぶようになっています(調理をしている屋台の横がテイクアウト、上の画像の右の壁際が内用です)。内用の場合には、お店の人に声をかけた方がスムースかも知れません。席に案内されたら「碗粿」「魚焿」、あるいはその両方など壁にかけられたメニューを指させばOKです。
最近、2号店「民族店」ができました。台南駅方面からはオリジナルのお店の手前になります。50mも行かないくらいのところです。
阿松割包
ここは白い生地にお肉を挟んだ「割包」(グワバオ)」のお店。普通(豚バラ肉)包、痩肉(豚赤身肉)包、猪舌(豚タン)包の3種類から選ぶことができます。人気のある豚のタンは独特の食感で、甘いピーナツソースとの相性も抜群、とても美味しいです。
メニューには1份2包と書かれていますが、1つずつ選んで注文することもできます。画像は猪舌と痩肉の組み合わせです。内用と外帯の別を言って、あとは壁のメニューを指させば大丈夫です。お店のお兄さんは英語を話されるようです。
普通包 70元
痩肉包 80元
猪舌包 90元
1つずつチョイスした場合には1つあたりの価格の合計です。猪舌と痩肉の組み合わせだと85元(45元+40元)となります。
割包のほか、各々の肉だけのメニューとスープのメニューがあります。食べやすいとは言えず、どうしても溢れてしまうので、そのためにこういうものも置いてありますし、ティッシュペーパーもちゃんとありました。
お母さんとその子供と思しき兄妹で営業していて、ほんわかした優しい雰囲気がありました。
金得春捲
このお店のメニューは具材たっぷりの春巻だけです。春巻といっても、普通に想像する揚げてあるものではなく、また生春巻きでもありません。薄いクレープのような生地にキャベツ、香菜、ニンニク、玉子、エビ、豚肉、更に砂糖を合わせたピーナッツ粉などの具がたっぷりと包まれています。そして、少し焼き目をつけて提供されます。
春捲 40元
注文の仕方は本数を告げるだけで超簡単です。2019年12月台南に行った際、時間の都合で食べることができませんでしたので、画像はツイートされた方のものです。この春巻には砂糖が入っていますので、甘いのが苦手な方は「半糖」「無糖」でオーダーできることを教えていただきました。甘いのが苦手な方は「バンタン」「ウータン」と注文してみましょう。また、具材の中から苦手なものを除くこともできます。パクチーが苦手なら「不用」(ブーヨン)と言って指させば大丈夫です。
お店の基本情報
富盛號碗粿
住所 台南市中西区西門路二段333巷8號
営業時間 7:00~17:30
定休日 木曜日
阿松割包
住所 台南市中西区國華街三段181號
営業時間 8:00〜18:00
定休日 木曜日
金得春捲
住所 台南市中西区民族路三段19號
営業時間 7:30〜17:30
定休日 なし
2019年12月時点の情報です。
最新情報は公式ホームページなどでご確認をお願いします。
まとめ
台南グルメには牛肉湯、擔仔麵、肉粽(ちまき)などまだまだたくさんの小吃があります。
その中でもこの金三角は間違いないというお墨付きのお店ですので、台南を訪れた際にはぜひ味わってみてください。
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