いつもこのブログ「音楽徒然草」をお読みいただきありがとうございます。
今回は、今でもアクセスを頂戴している2006年の出雲一中吹奏楽部に関する記事について、音源なども加えてリメイクして再掲しました。
出雲市立第一中学校吹奏楽部 2006年05月22日付記事
この記事では以下のように書きました(一部加筆修正があります)。
この学校を始めとして今津中・豊島十中・山王中といった大御所や、土気中・宝梅中・野田中・城陽中等については触れるまいと思っていましたが、指導する先生によって水準が大きく左右される中学校の中にあって、何度も先生が交代する中で全日本に35回も駒を進めた出雲一中は、圧倒的な別格ということで、敢えてコメントさせて頂こうかと思います。
本来であれば生演奏に一度くらい接していておかしくないのですが、実は一度もライブは聴かせて頂いておらず、録音、それもコンクールの音源のみ。
スケールの大きな堂々たる響きの片寄哲夫先生
丁寧なアンサンブルから美しい音楽を紡ぎ出す渡部修明先生
ハイレベルなテクニックを最大限に生かしつつスマートな音楽を作り上げた錦織雄司先生
伝統を守りつつも新しいサウンド・音楽を追求し続けておられる原田実先生
少々(かなり?)乱暴ですが、筆者の持っている大掴みな印象です。
中でも筆者の現役時代に様々なインパクトを受けたのが渡部、錦織両先生の時代(片寄先生のトッカータとフーガやジェリコの印象はある意味別格で強烈ですが)。
一番最初に聴いた演奏はこの曲でした。
舞踊組曲「ダフニスとクローエ」第2番より日の出、全員の踊り(プログラム表記そのまま)(1976年)
奇を衒うわけでもなく、丁寧なアンサンブルから生まれた自然な音楽、それも中学生の演奏は圧倒的な存在感をもってボクの心に迫ってきました。
海外のプロのレコード録音ならいざ知らず、国内のオケではベートーベンやブラームス、チャイコフスキーしか聴けなかったこの当時、ダフクロの演奏を聴いたのはワセオケくらいだったと思います。
45人編成の約1/3を占めたクラリネット群が色んなところで大活躍、同じクラリネットをやっていたボクには大きな刺激となったのも事実です。
素朴な語りかけの一方で洗練された演奏の「吹奏楽のための寓話」(1973年)
輝かしい金管と鮮やかな木管、打楽器のスパイスが素敵だった「祝典序曲」(同)
見事なアンサンブルで楽しいカーニバルを描いた「ローマの謝肉祭序曲」(1974年)
繊細さと冷静さをもってスケールの大きな物語を作った「シェヘラザード第4楽章」(1975年)
驚くべき立体感でドビュッシーの世界を表現した「イベリア第2・3楽章」(1977年)
圧倒的なテクニックで大きなスケールの中でも小気味良く情景を描いた「イタリア奇想曲」(1983年)
挙げればキリがありません。
1982年の「火の鳥」は、フィナーレに焦りが感じられたのは少し残念だったものの見事で、どうして銅賞だったのか、一体全体さっぱり理解できませんでした(今でも)。
中学校の吹奏楽が日本の吹奏楽をリードしていた時代を知る筆者にとって、出雲一中は特別な存在。
これからも益々のご活躍を願っております。
音源など
J.S.バッハ/ライゼン編:トッカータとフーガニ短調BWV565
グールド:ジェリコ狂詩曲
この2つは片寄哲夫先生の指揮でした。
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り
兼田敏:吹奏楽のための寓話
ショスタコーヴィッチ/ハンスバーガー編:祝典序曲
小林徹:吹奏楽のためのシンフォニア
ベルリオーズ:ローマの謝肉祭序曲
郡司孝:吹奏楽のための小前奏曲
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」より第4楽章 バグダッドの祭り・海・船は青銅の騎士のある岩で難破・終曲
ラヴェル/渡部修明編:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り
ドビュッシー/錦織雄司編:管弦楽のための映像「イベリア」より 夜の香り、祭りの日の朝
ここまで渡部先生が指揮をなさっています。
チャイコフスキー/錦織雄司編:イタリア奇想曲作品45
この演奏は錦織雄司先生の指揮です。
まとめ
いずれも40〜50年ほど前の演奏ですが、出雲一中の個性が存分に発揮された演奏だと思います。
コンクールを始め、学校吹奏楽のあり方が云々されていますが、生徒さんたちが音楽の素晴らしさを味わえる環境を大切に考えていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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