お正月と言えば、おせち料理とお雑煮、こたつでミカン、福袋、そしてお子さんならお年玉が思い浮かびますね。
そして、何と言ってもお正月の行事ナンバーワンは今でも「初詣」ではないでしょうか。
毎年のように参拝者数ランキングが出ますし、その混雑もとても気になるように初詣に訪れる人は多いと思います。
ただお参りすれば良いということはなく、参拝マナーがありますよね。
そんな知っているようで実はあまり知らなかったりする参拝の作法を順番に紹介していきますね。
参拝の服装
服装についてはそれほど気にすることはないといわれています。
ただ、原色の洋服は避けた方がよい、脚は露出しないよう男性は長いパンツ、女性のスカートは膝下になる方がよいというようなことはいわれています。初詣の時期は寒いのでそうなる方が自然ですが。
コートはやマフラー、帽子などを着用している場合は脱いだ方が良いのですが、コートやマフラーの着脱は混雑する初詣では却って邪魔になるのでそのままで構いません。帽子と手袋だけ外してバッグにしまいましょう。
鳥居のくぐり方
初詣の作法はお参りするときだけのものではありません。
神社に必ずある鳥居には、一般社会と神域を区切る結界のような意味があるともいわれています。
だからといって、別に難しいことをしましょうというのではなく、手前で立ち止まって「お邪魔いたします」と会釈(小揖/しょうゆう)をしてから入りましょう。
参道の歩き方
何気なく歩いてしまう参道ですが、参道の中央は「正中/せいちゅう」と呼ばれ、神様の通り道と捉えられています。
参道の真ん中は避けて歩くようにするというのが作法、敬意の表れです。
また、中央を横切るときには、軽く頭を下げながら通ったり、中央で神前に向き直って一礼してから横切るという敬意の表し方もあります。
なお、右側通行なのか左側通行なのかについては、中央を避けていればどちらでも良いというのが一般的です。初詣のときにはルートが決められていることも多いので、それに従えば大丈夫です。
手水/ちょうずの作法
水は古くから、けがれを洗い流すものと考えられ、神にお参りする人はまず身のけがれを落とすということで、神社には手水があります。
手水の作法は次の通りです。
① 右手で柄杓(ひしゃく)で水をすくい、まず左手を清めます。
② 柄杓を左手に持ち替えて右手を清めます。
③ もう一度柄杓を右手に持ち、左の掌(てのひら)に柄杓の水を受けて、その水で口をすすぎます。
④ 口をすすぎ終えたら、もう一度使った左手を洗います。
⑤ 両手で柄杓を縦にしながら、その水を柄杓の柄を流しながら、静かに伏せて置きます。
ところで、なぜ左手からなのでしょうか?
イザナギ(日本神話に登場する男神)が左目を洗った時に天照大神(皇室の祖神で日本国民の総氏神)が生まれたとされていますので、神道では「左」を重視するのだそうです。
神前の立ち方
参道と同じく中央は神様の道ですから、なるべく神前の中央には立たないようにし、神前では小さく一礼しましょう。
お賽銭の供え方
今ではお賽銭箱にお金をお供えしますが、このように金銭のお供えが一般的になったのは、そう古いことではないそうです。
もともとは海や山の幸が供えられていて、なかでも特にお米を白紙で巻いて「おひねり」としてお供えしてきました。秋になってお米の実りに神様に感謝してお供えするという信仰に基づいて、お米をお供えするようになりました。
貨幣の普及に従ってお米に代わって、金銭を供えるようになりました。ですから、感謝の気持ちを忘れずに、決してお賽銭箱に投げ入れたりせず。丁寧な動作でお供えしましょう。
お賽銭の金額について
神様は金額で願いを叶えるなんてそんな心の狭い方ではないでしょう。
自分の願いが叶えられたときの感謝の気持ちとして、供えたいと思った金額で良いようです。あくまでも丁寧にお供えするということを忘れずに!
5円=ご縁という考え方もありますが、これは貨幣価値の異なる時代のお話のようですよ。
最近では、電子マネーでのお賽銭システムも登場しています。銭箱に貼りつけられたQRコードをスマホで読み取って支払うという方法で、東京港区の愛宕神社、日光の二荒山神社などで導入されているようです。
鈴の鳴らし方
鈴は「その清々しい音色で参拝者を敬虔な気持ちにするとともに参拝者を祓い清め、神霊の発動を願うもの」(神社本庁HP)とされています。
大きく鳴らす必要はなく、静かに1回で大丈夫です。
拝礼の方法
基本的には「二礼二拍手一礼」で、2回お辞儀をした後に、2回手を叩き、最後にもう一度お辞儀をします。
① 深いお辞儀(礼)を二回繰り返します【二礼】
② 両手を胸の高さで合わせ、右手を少し手前に引き、肩幅程度に両手を開き拍手を二回打ちます【二拍手】
③ 両手をきちんと合わせながら心を込めて祈ります。
④ 両手を下ろして、最後にもう一度深いお辞儀(礼)をします【一礼】
二礼二拍手一礼について
私の祖父母は明治から大正の生まれ、父母も戦前の生まれで、一緒に初詣してお参りするときに、もっと何やらやっていたような記憶があります。「二礼二拍手一礼」をはっきり認識したのは就職後に、一人であるいは仲間とお参りしたりするようになってからです。単に周りに合わせていただけなのですが。
どうやら1875年(明治8年)に式部寮から頒布された「神社祭式」に「再拝拍手」と記載されたことから始まったようです。時代とともに作法が変化し、1907年(明治40年)の「神社祭式行事作法」では「再拝→二拍手→押し合せ→祝詞奏上→押し合せ→二拍手→再拝」と長い動作が示されています。
その後、円滑な進行などの観点から見直され、1948年(昭和23年)の改訂で「二礼二拍手一礼」が正式な作法となったようです。
古くからのしきたりのように感じますが、そうでもなかったと…
なお、この例外もあって、出雲大社では「二礼四拍手一礼」が正式な参拝方法とされています。
古来より無限の数を表す「8」を基準に、普段はその半分の「4」で神様を讃えるということなのだそうです。毎年5月14日の例祭では「二礼八拍手一礼」を行なっています。
大分県の宇佐神宮、新潟県の弥彦神社でも「二礼四拍手一礼」が正しい参拝方法とされているそうです。
参拝が終わったら
必ず鳥居から出るようにしましょう。
そして鳥居から出たら振り返って、本殿の方向に再度一礼します。
寄り道はしない
お参りをすると神様から福を戴いた状態になります。せっかく戴いた福を、途中寄り道をして落とさず、まっすぐに家に持ち帰りましょう。
まとめ
いかがでしたか?
鳥居で一礼
参道の真ん中を避けて歩く
手水を正しい作法で行う
神前では中央を避けて立つ
お賽銭は静かにお供えする
お賽銭の金額は気持ちで
鈴は静かに鳴らす
拝礼の基本は「二礼二拍手一礼」
鳥居で再度一礼
寄り道はしないで帰宅する
その年の初めはきちんとして迎えたいものですね。
コメント
[…] […]