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昭和の吹奏楽、今回は楽団創設以来、職場の部のみならず日本のアマチュア吹奏楽団の雄として君臨した阪急百貨店吹奏楽団です。
この記事では昭和40年代前半の第1〜3位の順位表彰制時代の演奏を取り上げます。
過去記事より抜粋
まず、最初に当ブログの過去記事から振り返ってみようと思ったのですが、肝心の記事が少なかったのは意外でした。
当時、新たに発表されたオリジナル作品を多く自由曲として採り上げていました。「シンフォニア・ノビリッシマ」は少なくともコンクール初演だったと思います。
指揮者の鈴木竹男先生がバンドジャーナル誌などに寄稿された記事を思い起こすと、社員食堂で練習していたことやデパートの激務の中で揃って合奏練習する時間がなかなか取れないなど、当時から職場の吹奏楽団の環境は厳しいものがあったようです。
そのような中でも阪急百貨店の存在は大変大きなものがありました。
阪急百貨店でも1957年に将来の優秀な社員を育成する目的で阪急商業学園を設立、入学者は全員「阪急少年音楽隊」として吹奏楽活動を行い、学園を卒業後は阪急百貨店に就職するという、すでにサッカーのクラブチームのような運営を行なっていました。
鈴木先生は名門西宮市立今津中学校吹奏楽部を創部なさった方で、得津先生の今津中赴任後阪急に招聘されました。
2019年1月23日「シンフォニア・ノビリッシマ」
このロバート・ジェイガーの作品は、今の演奏会では採り上げられることはあるのでしょうか。少なくともコンクールでは、もはや聴かない曲になってしまいましたが、70年代を中心に広く演奏され「演奏したい曲」の一つでした。
(略)
阪急百貨店の69年コンクールの演奏も重厚感のある構成で、ちょっとモノトーンで制限時間の影響でカットがあるのが残念なのですが、落ち着いた大人の演奏の一方で「行てまえ!」が信条の阪急らしい演奏。
冒頭のアンダンテ・フィエラメンテからアレグロ・コン・ブリオに入り音が少なくなってからも重厚さが失われず、それが最後まで持続していること、そのバックグラウンドとなるスピード感と一種のスウィング感が重さを感じさせず、ドライブ感のあるエッジの効いた演奏になっていることなど、他ではなかなか聴くことができないと筆者は思っています。
サウンドは今の吹奏楽のように「すっきりきれい」ではなく、些か古さも感じますが、そんなことよりも「この曲はこうだ!」という主張が聴き手に伝わってくるところに「凄み」があると思います。
2006年7月20日「日本の吹奏楽’70」
バーナム・アンド・ベーリーズ・フェイバリット(阪急百貨店)
(略)
阪急百貨店!お見事。
三年連続第一位の後の特別演奏、大序曲「1812年」に続いて演奏された「いてまえ!」後年の5金後特演での「サーカス・ビー」も凄かったですが、そのルーツともいえる演奏。
この頃の阪急はコンクール本番でも「いてまえ!」だったような気もしますが。
音源など
序曲「パリスとヘレナ」
歌劇「雪娘」より軽業師の踊り
吹奏楽のための「ディヴェルティメント」
マンハッタン交響曲
吹奏楽のための幻想曲「移り気な五度のムード」
ダンスと間奏曲
吹奏楽のための音詩「南極点への序曲」
シンフォニア・ノビリッシマ
3年連続第1位受賞特別演奏
序曲「1812年」
行進曲「バーナムとベイリーのお気に入り」
まとめ
50年以上前の演奏ですが、素晴らしく圧倒的な音楽を披露していたことが偲ばれる演奏がならんでいます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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👋掰掰👋
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