【ピアノ】江口玲・川口成彦 ピアノリサイタル!3台のヴィンテージピアノ

ピアノ
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毎年6月19日に行われる江口玲さんのピアノリサイタルは、2020年はショパン国際ピリオドピアノコンクールで2位となった川口成彦さんをゲストに迎え、紀尾井ホールで開催されました。

中国製流行病の影響で開催そのものが危ぶまれる中で、予め席数を限定してチケットを販売、ソーシャルディスタンスの確保などの措置を講じた上で実施されたもので、関係者のみなさんのご尽力に感謝致します。

それでは、リサイタルの内容について見ていきましょう。

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6月19日のリサイタルの謎

ピアニストの江口玲さんのピアノリサイタルは、直近8回は毎年6月19日に開催され、今年はその9度目の公演になりました。

なぜ6月19日なのかと言えば、リサイタルで使用されるピアノ「スタインウェイCD75」の誕生日が1912年6月19日だからなのでした。その理由でリタイタルは何曜日になっても必ず6月の19日に実施されてきました。

2020年は緊急事態宣言が出る中で、6月19日にできないのであれば中止ということも検討されたとのことでしたが、神の御加護かこのピアノの魔力なのか、一定規模以上のホールでのライブも実施できる状況となったため、来場人数も含め安全確保のための対策を講じた上で実施されました。

このあたりは、タカギクラヴィアの高木社長が公演に先立ってお話されることが多いのですが、今回はプログラムに以下のようなコメントを寄せておられます。

今回のリサイタルは、2020年がショパン生誕210年ということもあり(ややこじつけっぽいような)オールショパンプログラムとなりました。

川口成彦さんをゲストに迎えて、前半は川口さんが、ショパン33歳の1843年に製作されたプレイエルでの演奏を、後半は江口さんが1887年製のローズウッドのスタインウェイでマズルカとノクターン、そしてCD75でバラードとポロネーズを演奏するというものです。

プレイエルとスタインウェイの違いについて、次のYouTubeで概要をご覧になれます。

一同驚愕! ホロヴィッツ・ピアノとプレイエルの弾き比べ

また、CD75については、今回のリサイタルを主催したタカギクラヴィアの高木社長による「ホロヴィッツ・ピアノの秘密」に詳しく書かれています。

プログラム

開演前に撮ったステージ画像です。左からスタインウェイ/ローズウッド、プレイエル、スタインウェイ/CD75です。江口さんのリサイタルでは、曲によってピアノが変わるのは珍しいことではありませんが、2台ピアノの演奏があるわけでもないのにこのような光景はまず見かけることがないでしょう。

第1部:川口成彦/プレイエル

レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ(夜想曲嬰ハ短調遺作)
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
幻想即興曲嬰ハ短調Op.66
ノクターン第10番変イ長調 p.32-2
バラード第1番ト短調Op.23
聖歌「神よ、ポーランドをお守り下さい」変ホ長調(ショパンによるハーモニゼーション)
ラルゴ変ロ長調(チェロソナタト短調Op.65第3楽章/コルトー編)
春ト短調Op.74-2(リスト編)

第2部:江口玲/スタインウェイ

ローズウッド
エチュードOp.10-5、Op.10-6
ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2
マズルカOp.7-1、Op.7-3、Op.41-1
ノクターン第17番ロ長調Op.62-1
CD75
バラード第4番ヘ短調Op.52
幻想ポロネーズ変イ長調Op.61

第2部:江口玲・川口成彦連弾/プレイエル

4手のための変奏曲ニ長調

プレイエルは非常に繊細でありながら力強い響きも湛えていて、自然な口当たりに膨よかさを持ち合わせたピアノでした。川口さんの演奏は淡々としているなかで芯の強さを感じるもので、プログラムの自然な流れも印象的でした。

20分の休憩を挟んで始まった第2部はスタインウェイ、そして江口さんにバトンタッチ。こちらは一言でいえばゴージャスなのですが、ローズウッドは深みを感じ、CD75は美しさが極みに達した弱音と、朗々と響く強音をまた聴くことができたのは幸せでした。江口さんの演奏は、いつもながら音楽的かつ遊び心もあって、聴き手の心をくすぐる素敵なものでした。

アンコール

こういう環境なのでアンコールはなし、その前に連弾もなしかと思っていたのですが、連弾を終えてお二人がマイクを持って出てこられてトークタイム。

3月以降ほぼすべてのコンサートが中止となる中で、演奏家にとってその状況がいかに空虚なものなのかということを感じたと、江口さんはおっっしゃいました。アンコールは川口さんはワルツ12番江口さんは当初夜想曲の予定だったのが「寂しいな」ということで急遽英雄ポロネーズに変更されました。

プログラムに掲載された江口さんのコメントをご覧ください。

この夜の演奏は、ステージで演奏する喜びを爆発させたようなところもあったのではないでしょうか。少なくとも僕はホールでライヴを聴くことができるという喜びにどっぷりと浸かりました。

CD販売など

通常は満席になるリサイタルですが、今回は席数を約半分に限定しての開催ということで、ライヴレコーディングが行われ、今秋CDとして販売が予定されています。

今回はCDの販売も、サイン会もありませんでした。江口さんが演奏された曲は以下のYouTubeでお聴きになれます(ピアノはCD368、収録されていない曲もあります)。

Polonaise in G Minor, B. 1

まとめ

緊急事態宣言に係る規制が全面解除となった2020年6月19日当日開催のこのリサイタルは、演奏はもちろん、主宰のタカギクラヴィア、紀尾井ホールのご尽力で素晴らしいものになりました。

CD75はお披露目の頃、タカギクラヴィアのスタジオで一度だけ触らせていただいたことがあります。そっと触れただけで音が鳴ったことに驚きました。また、江口さんがこのピアノは発想を変えて弾かなければなりませんとおっしゃっていたことも覚えています。そういえば、当日大雨で電車が止まったこともありました。嵐を呼ぶピアノ、CD75。

プレイエル、ローズウッド、そしてそのCD75の3つのピアノ、そしてそのピアノが紡ぐショパンを堪能したソワレでした。

次回、2021年6月19日はプログラムに書かれていた予告では、ラフマニノフ、それも2台ピアノによるコンチェルトという気がしました。来年が楽しみです。何事もなく開催されることを祈っています。

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