この記事は2020年2月27日、5月14日のエントリーに加筆したものです。
台中の南に位置する彰化は、交通の要所であると同時に台湾で現存する唯一の扇形車庫があることでも知られています。
台湾鉄路管理局の彰化機務段(機関区)は現役の車庫ですが、古跡指定されたことから2000年から一般公開されており、開放時間であれば誰でも見学可能です。目の前でC101やC124などのSLやディーゼル機関車など移動する様子を見ることができます。
2020年4月13日から一般開放が中止されていましたが、5月27日から開放されることになりました。関連情報を加筆しました。
彰化へのアクセス
台北から彰化へのアクセス手段は、台鉄(鉄道)、高鉄(高速鉄道)とバスの3つです。
台鉄
朝8時以降に台北駅を出発してお昼過ぎまでに彰化駅に着く列車は、自強號(特急)が6本、莒光號(急行)が1本あります。特急の所要時間は2時間28~47分、料金は415元(特急料金込)、急行は3時間22分かかり、料金は320元(急行料金込)となっています。
高鉄
高速鉄道の台北駅は台鉄と同じところにありますが、彰化駅は台鉄とは離れて位置しています。扇形車庫の最寄駅は台鉄彰化駅ですので、高鐡を利用する場合は高鐡台中駅まで行き、台鉄との接続駅の新烏日駅で台鉄に乗換えます(彰化駅は新烏日駅から2つ目、10分で着きます)。
朝8時以降に台北駅を出発、台鉄に乗換えて台中駅にお昼過ぎに着く列車は、高鉄台中~台鉄新烏日間の徒歩移動時間を十分余裕をみて20分としても、8時台4本、9時台5本、10時台3本、11時台3本あります。台鉄の新烏日〜彰化間の列車は1時間に2、3本です。
徒歩移動時間込の所要時間は1時間30分〜2時間、高鉄の料金は指定席700元、自由席675元プラス台鉄料金15元となります。
高鉄には予約時期、列車によって10%、20%、35%の割引料金が設定されています。
バス
國光客運1828:台北轉運站〜彰化駅 約2時間40分 320元(台北発 8:10 8:30 8:50 9:30 10:10 10:40)
統聯客運1615:台北轉運站〜彰化駅 約3時間 320元(台北発 9:40のみ(平日)、土日は増便あり)
バスは台北駅の北にある台北轉運站(バスターミナル)から出ていて、彰化では彰化駅に到着します。
アクセスのまとめ
所要時間はどのケースも大差ないので、乗換えの手間や渋滞の可能性などを考えると台鉄の特急利用が安心だと思われます。
彰化駅から扇形車庫への行き方
彰化駅を出て左手、台湾らしくバイクが無造作に止められているゴチャゴチャした亭子脚(アーケード)を進み、三民路に入ります。しばらく歩いて三叉路で左側の和平路に入ります。先に台鉄の縦貫線が見え、線路沿いに少し進んだ右手に地下道の入口があります。左手線路沿いの壁にも矢印と「扇型車庫」と書かれていますので、すぐにわかります。
地下道から外に出たらすぐに左折、機関区施設の壁沿いに1分ほど歩くと左手に入口、この画像の看板が見えます。
扇形車庫への入り方
機関区の入口に受付があります。係りの方から「安全維護切結書」(安全管理誓約書)へ氏名と住所を記入するように言われます。外国人の場合はパスポートの提示を求められる場合がありますのでご準備ください(僕は求められませんでした)。入場は無料です。
以前は、午前中から開放されていたのですが、車両入替作業への支障などを考えて、平日は13時からの開放に変更されました。見学時間は平日13~16時、土日休日は10~16時です(月曜休み)。なお、10人以上での入場の場合は、予約すれば無料でボランティアガイドを受けることができます。
扇形車庫に入ると
車庫は線路上からも、扇形車庫に向かって右手手前にある展望台からも見ることができます。線路上からは機関車などをそばで見ることができますし、展望台からは車庫の扇形形状を見ることができます。車庫は12台の機関車が収容できるようになっていて、手前には転車台があります。
見どころその1 転車台
彰化扇形車庫の一番の見どころと言えるでしょう。蒸気機関車の時代、運転台が片方にしかない蒸気機関車はこの転車台で方向を変えることで効率よく車庫に入ることができるというものです。上空から見ると、建物が扇を広げたような形に見えることから、「扇形車庫」と呼ばれています。日本では京都鉄道博物館(旧梅小路機関区)で見ることができます。
台湾でも、以前は台北、新竹、高雄港、嘉義にもあったのですが、台湾鉄道の電化が進むに連れ、蒸気機関車そのものが使われなくなり、この彰化扇形車庫も電車車両基地建設のために廃止予定だったのですが、ファンを中心に保存運動を行った結果、今も残されています。
転車台が動くタイミング
せっかく彰化扇形車庫に来たのなら、転車台が動くところを見たいものですよね。ただ、車庫は実際に使用されていることから、車両の入替ニーズに応じて動くことになっています。1時間に一度くらいは動いているという話もあるようですので、ゆっくり見学すればチャンスがあるかも知れません。
見どころその2 (蒸気)機関車
彰化扇形車庫はSLの博物館とも言えるでしょう。可愛らしく愛嬌の感じられる蒸気機関車、CK101型とCK124型は人気があります。蒸気機関車の他にも、ディーゼル機関車R20やS300、ディーゼル車DRC1000なども見ることができます。駅構内にかけて広大なヤードになっているので電気機関車や電車が動く様子も見ることができます。
見どころその3 煙突
この扇形車庫の12列の屋根には煙突が前後に2本ずつ立っていて、その煙突には番号が書かれています。この数字の字体も可愛らしいですが、この煙突は蒸気機関車が発する煙を車庫外へ排出する役割を担っていました。
注意事項など
車庫の中に入ること、機関車に触ることは厳禁です(注意書きとして記載されています)
地面の矢印に沿って、見学用の通路を通って経路に従い見学し、立入禁止区域に入ることも厳禁です
なお、画像の通り、車庫には日射しを遮るものがありませんので、帽子、タオルなどで日除けをすること、そして十分な水分を取れるようペットボトルの水を持っていくことをお奨めします。
扇形車庫の基本情報
住所 彰化市彰美路一段1號 台湾鉄路管理局彰化機務段内
開放時間 13:00~16:00(土日休日は10:00~16:00)(月曜休み)
料金 無料
彰化縣関連情報 https://tourism.chcg.gov.tw/AttractionsContent.aspx?id=29&chk=e51a4fad-7be7-43fd-9a61-56939757426f
2020年4月13日から一般開放中止
2020年4月10日、交通部臺灣鐵路管理局のFBで、4月13日から武漢肺炎対応のため一般開放を中止することを発表しました。
(FBから引用)
發文單位:交通部臺灣鐵路管理局彰化機務段
發文日期:109年4月9日發
聯 絡 人:段 長 曾碧賢 04-7624438
彰化扇形車庫暫停參觀
因應嚴重特殊傳染性肺炎(2019 冠狀病毒病COVID-19)疫情日趨嚴峻,為防疫需要並維護社會大眾
及本段同仁健康,本段所屬扇形車庫自109年4月13日起暫停對外開放參觀,俟衛生福利部中央流行疫情指揮中心公告疫情趨緩後再重新公告開放參觀,防疫期間,造成不便,敬請見諒。
2020年5月27日から開放再開
今回の中国ウイルスの感染状況の改善を受けて、2020年5月最終週から(月曜は休館のため27日から)一般開放を再開することとなりました。
ソーシャルディスタンスや個人の防疫確保、実名の登録や人数制限(500人)を実施した上で再開されるとのことです。
報道内容はこちらから:https://udn.com/news/story/7325/4585129
まとめ
日本でも京都の鉄道博物館の扇形車庫は、僕が子供の頃に梅工事機関区として開放されたときから人気のスポットでした。一方、台湾のこの車庫は人気はあるものの、これまでのところ観光客ラッシュということもありませんので、比較的ゆっくりと楽しむことができます。
彰化からは歴史のある鹿港へのアクセスも可能ですし、台中へも近いですから、観光コースに組み入れて楽しんでみてください!
2020年4月13日から見学ができなくなってしまいました。はやく収束してまた見学ができるようになって欲しいですね。
2020年3月18日、台湾外交部は、中華民国籍ではない旅行者について、中華民国での在留許可があることを証明する居留証、外交公務証明、商務履約証明のいずれかを所持している人などを除いて一律入国を拒否すると発表、外国人は原則入国禁止となっています。
それでは台湾🇹🇼でお会いしましょう! 大家台湾見!
コメント
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