彩虹眷村(さいこうけんそん/ツァイホンヂュェンツン)、レインボー・ビレッジは台中市の市街地から離れた嶺東科技大学の近くにあります。ここに住んでいる退役軍人の黄さんが自宅付近の壁に施したペイントが話題となり、保存運動が起こり、現在の芸術公園となりました。
眷村とは何か、彩虹眷村が生まれた背景も含めて、見ていきましょう。
眷村とは
1949年から1960年代にかけて、国共内戦に敗れた中国国民党は、多くの政府官僚、公務員、軍人と関連住民を台湾へ移住させざるを得ませんでした。その結果建設された家屋が密集した地区が誕生、既存の集落と区別されて眷村と称されました。官僚、軍人、一般公務員、教師、地域の5種類に分類されて、それぞれの街並みが形成されました。
日本統治時代の建築物を利用したことから、かつて日本人が多く居住していた台北市、嘉義市、台南市、高雄市などに集中しています。また、軍事基地付近の新北市と桃園市等にも多くみられました。ただ、人口の急増から家屋も急造されたことも併せて、新たな都市計画の阻害要因となり、また衛星環境や公共施設が整っていないこと、また治安上の問題も発生しました。
これらの問題を解決するため、1980年代より政府による改善事業が実施され、マンションへの建て替えも進み、かつては900ヵ所弱存在した眷村の数は10ヶ所を切っています。
この中で、歴史的建造物として保存されている眷村もあり、台北101の裏手に突然現れる「四四南村」はその一つで、眷村文物館やカフェなどに利用されています。
また、このレインボー・ビレッジ、彩虹眷村もその一つです。
彩虹眷村とは
その居住者の一人、香港出身の中華民国退役軍人黄永阜さんは、養老院に入居する予定を変更して、1979年にこの一角の家屋を買い取りました。その後2000年代に入って、黄さんは自宅付近の家屋にペイントを施すようになりました。そこに描かれた子供のあどけなさ、可愛さなどの表情をみた嶺東科技大学などの先生や学生さんたちが、その保存を申請するに至りました。
この日は黄さんの姿をお見かけしました(寝ておられるようでしたが)。
当初は都市開発によって撤去する予定でしたが、「彩虹芸術公園」として保存されることが決まりました。現在は黄さん夫婦の住居のみが残されて、2014年1月から芸術公園となっています。
構内にある案内版の通り、とてもコンパクトな作りになっています。
建物の壁に描かれた黄さんの手によるペイントの数々(5枚画像が続きます)。
彩虹眷村へのアクセス
高鉄新幹線台中駅からのアクセス
コンコースから1階にある「5・6番出口」を出て、バスターミナルの「16番乗場」から「617番」のバスに乗車、停留所「彩虹眷村(嶺東南路)」で下車すぐ(バスの乗車時間は15分ほど)。
なお、「26番」「70番」「99番」のバスでも「彩虹眷村」へ行けますが、停留所が異なり、15分程度歩く必要がありますので、乗車はお薦めしません。
台鉄新烏日駅からのアクセス
高鉄台中駅の「3番出口」が台鉄新烏日駅への出口になります。台鉄の新烏日駅は高鉄台中駅との接続駅ですので、同じ建物の中を移動するだけで大丈夫です。移動した先、駅の2階からエスカレーター(階段)で1階に降りたところが駅の出口で、その先100mほど先にバス停があります(高鐡一路上)。
台鉄新烏日駅から彩虹眷村へ行く路線バスは「56番」「74番」「655番」の3路線で、停留所「彩虹眷村(嶺東南路)」下車してすぐ(バスの乗車時間は15分ほど)。
なお、見学後台中駅方面に向かう場合には、新烏日駅に戻って台鉄に乗車した方が便利です。56番のバスは台鉄台中駅近くの干城バスターミナル行きですが、五権西路、五権路で台中市街を突っ切り、さらに台中一中、台中公園までぐるっと遠回りしますので1時間近くかかります。バスで市街地散策するには絶好ですが、渋滞の可能性もありますので、止めておく方が無難です(経験者は語ります)。
彩虹眷村の基本情報
住所 台中市南屯區春安路56巷25號
料金 無料開放(住宅地域のため早朝や夜の訪問はご遠慮ください)
2019年5月時点での情報です(バス情報含め)。
公式サイトなどで最新情報の確認をお願いします。
まとめ
彩虹眷村は観光スポットで観光バスも乗り入れ、観光客用トイレも整備されていますが、この一角だけが観光スポットで周りには、それらしい施設はありません。帰りのバスの時刻を確認の上、壁画アートを楽しみましょう。
内部にはお土産品売場、グッズ販売のブティックやカフェが設けられています(画像はお土産品の一部で、購入したものです)。運が良ければ黄さんの姿を見ることもできますよ。
それでは台湾🇹🇼でお会いしましょう! 大家台湾見!
コメント
[…] […]