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ブルース(シャオユー)・リウさんの再来日公演が発表され、チケット販売が始まりましたが、東京公演は瞬間蒸発、川崎公演も残席が少なくなっていることから、急遽公演が決定した2022年12月公演が東京オペラシティで行われました。
ブルース(シャオユー)・リウ Bruce (Xiaoyu) Liuさんについて
1997年5月8日パリ生まれ
両親は北京からのフランス留学生、後にカナダへ移住
2011年 モントリオール・コンセルヴァトワールでリチャード・レイモンドに師事、2018年に卒業後ダン・タイ・ソンに師事
2012年 OSMコンペティションピアノ部門グランプリ
2016年 第6回仙台国際音楽コンクールピアノ部門第4位
2017年 第17回ルービンシュタイン国際ピアノコンクールファイナリスト
2021年 第18回ショパン国際ピアノコンクール第1位
クリーヴランド管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、モントリオール交響楽団、 オーケストラ・オブ・ジ・アメリカズなどのオーケストラと共演
直近ではウクライナ国立交響楽団、リヴィウ・フィルハーモニー管弦楽団と各々中国ツアーを実施、またサル・ガヴォーでラムルー管弦楽団と共演
ディスコグラフィ
ブルース・リウ第18回ショパン・コンクール優勝者ライヴ(SHM-CD、デジタル配信)
収録曲
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
マズルカ 嬰ト短調 作品33の1(第22番)
マズルカ ニ長調 作品33の2(第23番)
マズルカ ハ長調 作品33の3(第24番)
マズルカ ロ短調 作品33の4(第25番)
エチュード 嬰ハ短調 作品10の4(第4番)
エチュード イ短調 作品25の4(第16番)
夜想曲 嬰ハ短調 作品27の1(第7番)
ワルツ 変イ長調 作品42(第5番)
スケルツォ 第4番 ホ長調 作品54
モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》の「お手をどうぞ」による変奏曲 作品2
(2021年10月 ワルシャワ、ショパン国際ピアノ・コンクールライヴ録音)
国内盤SHM-CD:12月1日(水)発売 UCCG-1890 定価¥3,080(本体¥2,800)
ブルース・リウ~第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ
収録曲
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
マズルカ風ロンド Op.5
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 《葬送》
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11*
(2021年10月 ワルシャワ、ショパン国際ピアノ・コンクールライヴ録音)
*アンドレイ・ボレイコ指揮 ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
前回公演2021年11月東京リサイタルの模様
日時:2021年11月11日(木) 19:00(ポーランド独立記念日)
開場:18:00
開演:19:00(21:25終演)
会場:東京オペラシティ コンサートホール
<オール・ショパン・プログラム>
夜想曲 第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54
バラード 第2番 ヘ長調 Op.38
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
4つのマズルカ Op.33 (第22〜25番)
ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
「ドン・ジョヴァンニ」の “お手をどうぞ”による変奏曲 変ロ短調 Op.2
<アンコール>
ショパン:夜想曲遺作嬰ハ短調、エチュード第5番変ト長調「黒鍵」
バッハ:アルマンド〜フランス組曲第5番
ショパン:ワルツ第5番変イ長調 Op.42
(以下、個人の感想です)
まず、背筋がピシッと伸びて登場する姿、演奏中も重心がブレない姿が大変美しい。
コンクールで話題になった脚の動きは運動神経の良さということでまったく気になりませんでした。
ホールの良さを活かした素晴らしい演奏で、動画配信よりも立体的、そしてありきたりですがファンタジーを感じました。
このあたりは演奏動画を視聴していただけでは分からないところですね。
豊かな倍音と響きを湛えた芯のある音は、細かいパッセージやオブリガートではブリリアントで煌びやかに輝いていました。
音の魔術師が数えきれないほどの豊富な色のパレットから、太いものから細かいものまで多数揃った筆を使って、素晴らしい音の絵を描いていきます。
ホールは満員の聴衆でブラヴォが飛び出し、最後はほぼ全員がスタンディングオベーション。
アンコールは最初の2曲は準備されていたようですが、鳴り止まない拍手に応えてさらに2曲演奏してくださいました。
うち1曲はまさかのバッハ、おそらくペダルも使った優しく上品かつ知的な演奏はサプライズでした。
ラストはワルツ、冒頭のトリルが聴こえたところでホッと落ち着きました。
ワルシャワで審査員を含めホール全体を虜にした理由がわかったような気がしました。
ぶらあぼインタビュー
2021年11月の東京公演(8、11日)の合間にインタビューが行われました。
コンクールのこと、今後のことなどについて語っています。

ブルース・リウ ピアノ・リサイタル2023
川崎公演
日時:2023年2月21日(火)19:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
東京公演
日時:2023年2月24日(金)19:00開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール
プログラム
ショパン:マズルカ風ロンド ヘ長調 Op. 5
ショパン:バラード 第2番 ヘ長調 Op. 38
ショパン:モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の“お手をどうぞ”の主題による変奏曲 変ロ長調 Op. 2
(休憩)
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 「葬送」Op. 35
ショパン:3つの新練習曲
リスト:ドン・ジョヴァンニの回想 S. 418
チケット発売情報
S席:8,000円
A席:6,500円
B席:5,000円
2022年10月8日(土)午前10:00:ジャパン・アーツぴあオンラインチケット
2022年10月15日(土)午前10:00:一般販売
神奈川芸術協会 045-453-5080 (川崎公演のみ)
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999(東京公演のみ)
ミューザ川崎シンフォニーホール 044-520-0200 (川崎公演のみ)
チケットぴあ(Pコード224-827東京公演、226-683川崎公演)
イープラス
ローソンチケット(Lコード33847東京公演、32757川崎公演)
全国公演日程
2023/02/18 広島上野学園ホール
2023/02/19 札幌コンサートホールKitara
2023/02/21 ミューザ川崎シンフォニーホール
2023/02/24 東京オペラシティ コンサート2023/02/25 愛知県芸術劇場コンサートホール
2023/02/26 ザ・ヒロサワ・シティ会館
2023/03/01 ザ・シンフォニーホール
2023/03/02 アクロス福岡シンフォニーホール
スーパーソリスト達による秋の特別コンサートVol.5 ブルース・リウ ピアノ・リサイタル
リサイタルツアー2023のチケットは東京公演は瞬間蒸発、川崎公演も残席僅少とのことから、急遽公演が決定しました。
日時:2022年12月5日(月)19:00開演
場所:東京オペラシティコンサートホール
プログラム
ショパン:マズルカ風ロンド ヘ長調 Op. 5
ショパン:バラード 第2番 ヘ長調 Op. 38
ショパン:モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調 Op. 2
ラヴェル:鏡
第1曲「蛾」/第2曲「悲しい鳥たち」/第3曲「海原の小舟」/第4曲「道化師の朝の歌」/第5曲「鐘の谷」
リスト:ドン・ジョヴァンニの回想 S. 418
このリサイタルではFAZIOLIのコンサートグランドが持ち込まれることが、ファツィオリジャパンから発表されました。
FAZIOLIによってブルース・リウさんの持ち味がさらに引き出されることが期待され、楽しみです。
2022年12月東京公演の模様
東京オペラシティもクリスマス仕様になりました。
そして、コンサートホールロビーにも假屋崎省吾さんのクリスマスツリーが飾られていました。
プログラムにも変更はなく、前半ではショパンの、そして後半ではリストの「ドン・ジョバンニ」が演奏されました。
使用されたピアノは予告通りFAZIOLIでした。
ピアニシモからフォルテシモに至るまで決して痩せない音、特にフォルテを超える強音における分厚いサウンドが大変魅力的でした。
怖いくらいに粒の揃った細かい音は驚くほど美しく、キラキラと輝いたり、心に突き刺さるような鋭さがあったり、最初から聴き手の心を鷲掴みにしました。
ショパンのドン・ジョバンニでは変奏曲の面白さが、そしてリストのそれでは単なるヴィルトオーゾではなく、ドン・ファンの人生そのものが浮かんでくるような魅力的な演奏でした。
そして、ラヴェルではサウンドの素晴らしさとタッチの筆致の多彩さが極限まで生かされていて、色彩感と陰影に溢れ、海上の小舟や鐘の音では音楽のうねりが、道化師の朝の歌ではスピード感溢れる一方で道化師の悲哀も十分に感じられました。
アンコールはなんと5曲
ラモー:優しい嘆き
ラモー:未開人
ショパン:ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作
ショパン:3つのエコセーズ op.72-3
リスト:パガニーニ大練習曲集 第3曲「ラ・カンパネラ」嬰ト短調
ブルース・リウさんの魅力を堪能した素晴らしいリサイタルでした。
まとめ
背筋がシュッと伸びてとても姿勢が良く、運動神経の良さを感じさせる堂々たるシルエット、颯爽と始まったリサイタルでした。
ショパンの2番ソナタなどに代わって12月公演でプログラムに入ったラヴェルの「鏡」では、さらにブルース・リウさんの魅力を感じることができました。
また、ショパンとリストの「ドン・ジョバンニ」それぞれの楽しさを味わい、まさかの5曲のアンコールも第3部とも言いたくなるような構成でホール中が湧きに湧いて、総立ちで、みなさんまだ帰りたくなかったのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
👍 🎹とともに 🎼とともに 🤞
👋掰掰👋
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