【不倫/中野信子】なぜ不倫バッシングはなくならないのか ?

日々是好日
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週刊誌報道の格好のネタとして度々登場する不倫。国会議員や芸能人のこの手の話題は途切れることなく続いています。おしどり夫婦と言われていた女優杏さんと俳優東出さんが別居状態にあり、原因は東出さんによる唐田さんという女優との不倫ということで、連日ワイドショーを賑わせています。

そもそもは他人のできごとであるはずの不倫が、毎回毎回なぜこれほどまでにバッシングされるのかについて、中野信子さんの新書「不倫」をご紹介します。今回の杏/東出夫妻の一件はいわゆる文春砲だったようですが、この新書も文藝春秋から出版されているというのも興味深いですね。

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文春新書「不倫」の内容

本書の構成は以下の通りとなっています。

不倫 中野信子著

「不倫」がなくならない原因は人類の脳の仕組みにあった
脳科学者が分析する、人類が「一夫一婦制」に向かない理由

はじめに なぜ「不倫」はなくならないのか?
第1章 人類に一夫一婦制は向いていない
第2章 不倫遺伝子
第3章 あなたの恋愛体質を診断する
第4章 不倫はなぜ叩かれるのか?社会的排除のしくみ
第5章 不倫をやめられないあなたへ


(出典:文藝春秋BOOKS

なお、新書で出版されていることもあり、科学的なデータを使った説明ではなく、ともすれば書きたい放題のようにも見えなくもありませんが、僕のような一般人が入門書的な位置づけとして読むのにはわかりやすく書かれているように思います。

不倫はなくならない

元も子もありませんが、そのように結論づけられているようです。

そもそも一夫一婦制が正しいというわけではなく、後づけで人間社会に発生したもので、生物界では特定のパートナー以外と性行為をすることは普通のこと、そして、個人的には意外に感じられましたが日本人は不倫率が高いとのことです。

(以下引用)

日本はおそらく世界の中では不倫率が高い部類の国だろうことが予想できます。日本社会はとくに近年、不倫が発覚した著名人に対するバッシングが凄まじいわりには、実際には社会のそこかしこで不倫が行われているという、まことに不思議な状態にあると言えます(P.23)

特定のパートナー以外との性行為をすることは、生物界では普通のことです。むしろ一夫一婦型のほうが珍しい変わり者と言えます(P.35)

富や地位の格差が大きく、それらが子供に受け継がれる社会は女性の貞操に厳しい傾向がある(ステファニー・クーンツ)(P.44)
実は男性にとって、一夫多妻は一夫一婦よりもはるかに面倒でストレスフルな制度なのです。多くの女性を心理的にも肉体的にも満足させ、些細な面倒事にも嫌がらずに対応し、妻たちの信頼を勝ち得なければならない。そもそも多くの妻や子供を養えるだけの経済力がなければ、一夫多妻型の家を維持するのは不可能です(P.47)

「一夫一婦が正しい結婚」「不倫は悪」といった倫理観は、後付で人間社会の中に生じたものであり、もともと人類が持ち合わせていた観念とは言いにくいでしょう(P.54)

不倫バッシングもなくならない

人類は社会的動物であり、国家から家族まで共同体を維持すること、即ち共同体の資源を増やすために構成員たる個人が一定の協力をする、そしてリターンを得るという仕組みの中で社会が成り立っているため、一定の協力をせずにリターンだけを得ようとする人は「フリーライダー」として排除(制裁)しなければならないということのようです。

不倫するカップルをフリーライダーとみなす

不倫するカップルは、当事者以外からは、家庭を維持するための労力を回避し、恋愛の「おいしいところ」だけを享受しているように見えるため、彼らをフリーライダーとして、激しい攻撃を加えることが共同体の秩序を守るための「正義の行動」だと信じて叩く、このような行動には快楽がともなうことから、執拗にフリーライダーを検出してバッシングするのは理由がないことではないと書かれています。

一夫一婦制では「姦通罪」という仕組みにより社会的な制裁や刑罰が科されてきたのは、単に倫理的な理由だけではなく、生物学的なメカニズムが働いているのだと説いています。そして、現代社会においては、週刊誌やメディア、ネットが不倫検出/排除の優秀なツールとして機能してきたと言えるとのことです。

ネットバッシングで炎上させている人は、人一倍共感力が高く、他者との協調に重きを置き、利他的な傾向が強いと整理されるようです。

(以下引用)
私たちは子供の頃から「利己的に振る舞ってはいけない」と教育されます。自分を犠牲とし、コミュニティ全体の利益となる行為が推奨されるのです(P.137)

日本は歴史的に長い間、けっしてリソースの豊かな環境ではありませんでした。台風や地震などの自然災害が多く、四季の変化が大きい風土の中で農耕を続けるのは、相当な困難を伴ったはずです。その結果、日本人はアクティブで冒険好きな遺伝子が淘汰され、共同体内の作業に向いた遺伝子をもつ個体が生き延びてきたのだと推測されます(P.141)

不倫を撲滅するとか、逆に結婚制度をなくすといったことは、非現実的です。人間も生物である以上、こうした矛盾や課題がもたらす苦しみを抱えながら生きる以外ないのです(P.183)

不倫 中野信子著 文春新書

まとめ

人類にはそもそも一夫一婦制が向いてないというと、元も子もないように感じてしまいますが、説得力を持って書かれているように感じました。「あなたの恋愛体質を診断する」という章もありますので、興味があればご一読くださいね。

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