【吹奏楽/音源あり】1993/第41回全日本吹奏楽コンクール 高校の部

吹奏楽コンクール
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1993年度全日本吹奏楽コンクール高校の部は、北海道2 東北3 関東4 東京2 北陸2 東海3 関西3 中国3 四国2 九州3 の計27団体が出場しました。

課題曲は4曲で全部門共通ですが、本大会から西暦奇数年はすべてマーチ、偶数年はマーチ以外の作品となりました。
また、課題曲の種別がアルファベットのA~Dからローマ数字のI~IVへ変更されました(課題曲の参考音源がカセットテープからCDへと変更されたことによるものだそうです)。

初出場は光が丘女子高校、1校のみでした。

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第41回(平成5年度、1993年)全日本吹奏楽コンクール

開催日時 1993年10月30日
開催場所 東京普門館

課題曲 IIが連盟委嘱作品、Iが朝日作曲賞受賞作品。
課 I : ターンブル・マーチ (川辺真)
課 II : スター・パズル・マーチ (小長谷宗一)
課 III : マーチ「潮煙」 (上岡洋一)
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ (矢部政男)

出場団体(自由曲、指揮者)と審査結果一覧

01 関東代表 柏市立柏高等学校 指揮 : 石田修一 🥈銀賞
課 II : スター・パズル・マーチ
バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より :プロコフィエフ/八田泰一
02 九州代表 精華女子高等学校 指揮 : 藤重佳久 🥈銀賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
ディオニソスの祭 :F.シュミット
03 中国代表 広島市立基町高等学校 指揮 : 土居晃 🥉銅賞
課 I : ターンブル・マーチ
喜歌劇「天国と地獄」序曲 :オッフェンバック/ヒバート
04 東京代表 関東第一高等学校 指揮 : 塩谷晋平 🥇金賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
交響曲第1番「指輪物語」 :デ=メイ
05 関東代表 埼玉栄高等学校 指揮 : 大滝実 🥈銀賞
課 III : マーチ「潮煙」
交響詩「ローマの噴水」 :レスピーギ/磯崎敦博
06 中国代表 山口県立下松高等学校 指揮 : 福田望 🥈銀賞
課 II : スター・パズル・マーチ
バレエ組曲「シバの女王ベルキス」より :レスピーギ /小長谷宗一
07 北海道代表 北海道札幌白石高等学校 指揮 : 米谷久男 🥇金賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
吹奏楽のための神話(天岩屋戸の物語による) :大栗裕
08 中国代表 金山学園高等学校 指揮 : 佐藤堯史 🥈銀賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
バレエ組曲「シバの女王ベルキス」より :レスピーギ /小長谷宗一
09 四国代表 愛媛県立伊予高等学校 指揮 : 上甲広文 🥉銅賞
課 II : スター・パズル・マーチ
イタリア奇想曲 :チャイコフスキー/淀彰
10 関西代表 大阪府立淀川工業高等学校 指揮 : 丸谷明夫 🥇金賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
エル・サロン・メヒコ :コープランド/ハインズレー
11 東北代表 青森県立八戸北高等学校 指揮 : 佐々木孝男 🥈銀賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
管弦楽のための協奏曲 :三善晃/天野正道
12 東海代表 愛知工業大学名電高等学校 指揮 : 松井郁雄 🥇金賞
課 II : スター・パズル・マーチ
交響詩「ローマの祭り」 より チルチェンセス、主顕祭 :レスピーギ/磯崎敦博
13 北陸代表 福井県立武生東高等学校 指揮 : 奥田健雄 🥉銅賞
課 II : スター・パズル・マーチ
交響詩「ローマの祭り」 より チルチェンセス、主顕祭 :レスピーギ/上埜孝
14 東海代表 光ヶ丘女子高等学校 指揮 : 渡辺尚也 🥉銅賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
バレエ組曲「エスタンシア」 より 開拓者たち、小麦の踊り、終曲の踊り :ヒナステラ/仲田守
15 関東代表 神奈川県立野庭高等学校 指揮 : 中澤忠雄 🥇金賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 :コダーイ/森田一浩
16 東北代表 秋田県立新屋高等学校 指揮 : 高野豊昭 🥈銀賞
課 II : スター・パズル・マーチ
バレエ組曲「ペトルーシュカ」より :ストラヴィンスキー/小長谷宗一
17 北海道代表 東海大学付属第四高等学校 指揮 : 井田重芳 🥈銀賞
課 III : マーチ「潮煙」
バレエ組曲「シバの女王ベルキス」より :レスピーギ/小長谷宗一
18 九州代表 福岡工業大学附属高等学校 指揮 : 屋比久勲 🥇金賞
課 II : スター・パズル・マーチ
幻想交響曲 より  サバトの夜の夢 :ベルリオーズ/藤田玄播
19 関東代表 習志野市立習志野高等学校 指揮 : 新妻寛 🥇金賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
スペイン狂詩曲 より マラゲーニャ、祭り :ラヴェル/八田泰一
20 東京代表 東京都立永山高等学校 指揮 : 馬場正英 🥇金賞
課 II : スター・パズル・マーチ
この地球を神と崇める より 破壊の悲劇、終章 :フサ
21 関西代表 天理高等学校 指揮 : 新子菊雄 🥇金賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
交響詩「海」 より 風と海との対話 :ドビュッシー/上埜孝
22 九州代表 福岡第一高等学校 指揮 : 松澤洋 🥈銀賞
課 II : スター・パズル・マーチ
歌劇「ピーター・グライムズ」より四つの海の間奏曲から :ブリテン/小長谷宗一
23 東北代表 山形県立山形南高等学校 指揮 : 今川昌弘 🥉銅賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
交響詩「ローマの祭り」 より チルチェンセス、主顕祭 :レスピーギ/磯崎敦博
24 四国代表 高松第一高等学校 指揮 : 石川孝司 🥉銅賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 :J.S.バッハ/ライゼン
25 北陸代表 富山県立高岡商業高等学校 指揮 : 竹田雄彦 🥈銀賞
課 II : スター・パズル・マーチ
バレエ音楽「ビリー・ザ・キッド」より :コープランド/小長谷宗一
26 東海代表 東海大学第一高等学校 指揮 : 榊原達 🥈銀賞
課 II : スター・パズル・マーチ
吹奏楽のためのレクイエム :ヒラード
27 関西代表 兵庫県立兵庫高等学校 指揮 : 松井隆司 🥇金賞
課 IV : マーチ・エイプリル・メイ
バレエ音楽「シンデレラ」より序奏、舞踏会への出発、ワルツ、真夜中 :プロコフィエフ/西山潔

この大会は金賞が10団体と多く、銀賞は11団体、そして銅賞が6団体でした。

札幌白石高は4年連続7回目の金賞を受賞、5年連続金賞に王手をかけました。習志野高は3年連続10回目の金賞で、新たに設けられた3金制度により次の大会は出場しないことになります。天理高は2年連続でなんと17回目の金賞に輝きました。

愛工大名電高は6年ぶり8回目、野庭高は5年ぶり5回目、淀川工高、福工大附属高、兵庫高は4年ぶりで、それぞれ11回目、6回目、3回目の金賞を受賞、そして関東一高、永山高が初めての金賞に輝きました。

課題曲では「エイプリル・メイ」が13団体で最多、「スター・パズル」が11団体と続きます。「潮煙」は2団体、「ターンブル」は1団体でした。

音源を探る

柏市立柏高等学校

バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より

精華女子高等学校

ディオニソスの祭

広島市立基町高等学校

喜歌劇「天国と地獄」序曲

関東第一高等学校

交響曲第1番「指輪物語」

埼玉栄高等学校

交響詩「ローマの噴水」

山口県立下松高等学校

バレエ組曲「シバの女王ベルキス」より

北海道札幌白石高等学校

吹奏楽のための神話(天岩屋戸の物語による)

金山学園高等学校

バレエ組曲「シバの女王ベルキス」より

愛媛県立伊予高等学校

イタリア奇想曲

大阪府立淀川工業高等学校

マーチ・エイプリル・メイ

エル・サロン・メヒコ

青森県立八戸北高等学校

管弦楽のための協奏曲

愛知工業大学名電高等学校

交響詩「ローマの祭り」 より チルチェンセス、主顕祭

福井県立武生東高等学校

交響詩「ローマの祭り」 より チルチェンセス、主顕祭

光ヶ丘女子高等学校

バレエ組曲「エスタンシア」 より 開拓者たち、小麦の踊り、終曲の踊り

神奈川県立野庭高等学校

マーチ・エイプリル・メイ

ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲

秋田県立新屋高等学校

スター・パズル・マーチ

東海大学付属第四高等学校

バレエ組曲「シバの女王ベルキス」より

福岡工業大学附属高等学校

幻想交響曲 より サバトの夜の夢

習志野市立習志野高等学校

マーチ・エイプリル・メイ

スペイン狂詩曲 より マラゲーニャ、祭り

東京都立永山高等学校

この地球を神と崇める より 破壊の悲劇、終章

天理高等学校

マーチ・エイプリル・メイ

交響詩「海」 より 風と海との対話

福岡第一高等学校

歌劇「ピーター・グライムズ」より四つの海の間奏曲から

山形県立山形南高等学校

交響詩「ローマの祭り」 より チルチェンセス、主顕祭

高松第一高等学校

トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 :J.S.バッハ/ライゼン

富山県立高岡商業高等学校

バレエ音楽「ビリー・ザ・キッド」より

東海大学第一高等学校

吹奏楽のためのレクイエム

兵庫県立兵庫高等学校

バレエ音楽「シンデレラ」より

出場した全27団体の音源を掲載しました。

まとめ

この大会の高校の部は個人的には魅力的な演奏ばかりです。

音源を掲載した「マーチ・エイプリル・メイ」の4団体は、颯爽と駆け抜けるもの、軽い足取りながらも堂々と歩くもの、春らしい花が咲く様子を表現したものなど、いずれも持ち味を活かした演奏で、春という季節ならではの悦びが伝わってきます。

天理高のドビュッシーは、一音一音の響きやニュアンスまで行き届いていた上に、色彩感とスピード感に溢れた、そしてスケールの大きな素晴らしい音楽を聴かせています。

野庭高の「くじゃく」は「ブラバンキッズ・オデッセイ」(134ページ以降)に書かれた通り、当初土気中の加養先生が森田さんに依頼したアレンジで、土気中との共演が実現しました。細部までよく整理され、各々の変奏を対比させながらクライマックスに至るその演奏は感動的です。定期演奏会では全曲演奏しており、それをCDで楽しめるのは嬉しいことです(CD「音楽は心」)。

ラヴェルの作品と習志野高の相性は抜群ですね。音のパレットが豊富で、色彩感に溢れ、音楽のしなやかな畝りが見事です。まさに新妻先生と習志野高ならではの音楽の世界だと思います。

嬉しい初めての金賞受賞となった永山高の自由曲は、演奏して欲しいけれども、難曲かつコンクールではどうなんだろうと思ってしまうフーサの「この地球」でした。プラハはもちろん素晴らしい作品ですが、この曲も聴くものに示唆を与えてくれる深い作品。今回、改めて永山高の演奏を聴いて、まさに現代の我々への問いかけを感じました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Viva! 吹奏楽!
👋掰掰👋

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