1990年度全日本吹奏楽コンクール大学の部は、北海道1 東北1 関東2 東京1 北陸1 東海1 関西2 四国1 九州1 の計11団体が出場しました。
この大会の課題曲は1976年度から続く全部門共通の4曲となっています。
初出場は、宮崎大学、金沢工業大学、埼玉大学、愛媛大学の4団体でした。
第38回(平成2年度、1990年)全日本吹奏楽コンクール
開催日時 1990年10月21日
開催場所 北海道厚生年金会館
課題曲は4曲(A、BとCが連盟委嘱作品)で全部門共通でした。
課A : ランドスケイプ―吹奏楽のために (池辺晋一郎)
課B : 吹奏楽のための「風の黙示録」 (名取吾朗)
課C : マーチ「カタロニアの栄光」 (間宮芳生)
課D : 行進曲「マリーン・シティ」 (野村正憲)
出場団体(自由曲、指揮者)と審査結果一覧
01 東京代表 中央大学 指揮 : 林紀人 | 🥇金賞 |
課A : ランドスケイプ―吹奏楽のために | |
バレエ音楽「ガイーヌ」 より 前奏曲、友情の踊り、アイシェの孤独、剣の舞、収穫祭 :ハチャトゥリアン/林紀人 | |
02 東北代表 東北学院大学 指揮 : 淀彰 | 🥈銀賞 |
課C : マーチ「カタロニアの栄光」 | |
イタリア奇想曲 :チャイコフスキー/淀彰 | |
03 北海道代表 北海道教育大学函館分校 指揮 : 寺中哲二 | 🥈銀賞 |
課D : 行進曲「マリーン・シティ」 | |
ドラゴンの年 :スパーク | |
04 九州代表 宮崎大学 指揮 : 坂梨正典 | 🥉銅賞 |
課D : 行進曲「マリーン・シティ」 | |
バレエ音楽「四季」 より 秋 :グラズノフ/バンクロフト | |
05 関東代表 神奈川大学 指揮 : 小澤俊朗 | 🥇金賞 |
課A : ランドスケイプ―吹奏楽のために | |
交響詩「海」 より 風と海との対話 :ドビュッシー/小澤俊朗 | |
06 北陸代表 金沢工業大学 指揮 : 永井満 | 🥉銅賞 |
課D : 行進曲「マリーン・シティ」 | |
シンフォニックバンドのためのパッサカリア :兼田敏 | |
07 関東代表 埼玉大学 指揮 : 近藤久敦 | 🥈銀賞 |
課C : マーチ「カタロニアの栄光」 | |
交響曲 より第4楽章 :矢代秋雄/近藤久敦 | |
08 四国代表 愛媛大学吹奏楽団 指揮 : 東原雅徳 | 🥈銀賞 |
課D : 行進曲「マリーン・シティ」 | |
華麗なる舞曲 :C.T.スミス | |
09 関西代表 関西学院大学 指揮 : 内田裕士 | 🥈銀賞 |
課B : 吹奏楽のための「風の黙示録」 | |
シンフォニエッタ より III、V :ヤナーチェク/上埜孝 | |
10 東海代表 三重大学 指揮 : 沖公智 | 🥇金賞 |
課D : 行進曲「マリーン・シティ」 | |
スペイン狂詩曲 より マラゲーニャ、祭り :ラヴェル/八田泰一 | |
11 関西代表 近畿大学 指揮 : 薮中登来夫 | 🥇金賞 |
課C : マーチ「カタロニアの栄光」 | |
カルミナ・ブラーナ :オルフ/クランス |
金賞は4団体でした。近大が2年連続9回目、5金特演明けの神奈川大が8回目、三重大が3年ぶり6回目、そして4年連続金賞のあと前年度にまさかの東京都大会銅賞となった中央大が6回目の金賞に輝きました。銀賞は5団体、銅賞2団体でした。
課題曲は「マリーン・シティ」が最多約半数の5団体、「カタロニアの栄光」が3団体、「ランドスケイプ」は2団体、そして「風の黙示録」が1団体でした。
なお、神奈川大の自由曲は8名(今大会の大学の部は8名)の審査員全員から10点満点を得ています。
音源を探る
中央大学
バレエ音楽「ガイーヌ」 より 前奏曲、友情の踊り、アイシェの孤独、剣の舞、収穫祭
東北学院大学
イタリア奇想曲
北海道教育大学函館分校
ドラゴンの年
宮崎大学
バレエ音楽「四季」 より 秋
神奈川大学
交響詩「海」 より 風と海との対話
金沢工業大学
シンフォニックバンドのためのパッサカリア
埼玉大学
交響曲 より第4楽章
愛媛大学
華麗なる舞曲
関西学院大学
シンフォニエッタ より III、V
三重大学
スペイン狂詩曲 より マラゲーニャ、祭り
近畿大学
マーチ「カタロニアの栄光」
カルミナ・ブラーナ
全団体の音源を掲載しました。
まとめ
この大会の大学の部では素敵な演奏が続きました。
伝説の名演ともいわれる近大の演奏は課題曲、自由曲ともに、近大が伝統的に有するパワーと、辻井先生時代の丁寧さと緻密さ、森下先生時代の高い音楽性に加えて、しなやかさを兼ね備えた素晴らしい演奏でした。
中央大が自由曲「ガイーヌ」を採り上げたのは87年に続き2度目ですが、有名な「剣の舞」をアクセントに中に挟み、レスギンカ舞曲ではなく収穫祭で締めるという斬新な選曲、アレンジでした。演奏が見事だったことは言うまでもありませんが、このアレンジは後年ほかの団体によって盛んに演奏されるようになりました。
そして、三重大のラヴェルはフルボディのたっぷりとしたワインのようで、このチームのサウンドと音楽性によくあった、気品溢れる演奏で何度も聴き返したことを覚えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Viva! 吹奏楽!
👋掰掰👋
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