【吹奏楽/音源あり】1982/第30回全日本吹奏楽コンクール 高校の部

吹奏楽
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音源情報を更新しました。

1982年度全日本吹奏楽コンクール高校の部は81年度同様、北海道2 東北3 関東3 東京2 北陸2 東海3 関西3 中国3 四国1 九州3 の計25団体が出場しました。

この年の課題曲も1976年度から続く全部門共通の4曲が基本とした路線が踏襲されています。

初出場は、北海道帯広三条高校、秋田県立仁賀保高校、長野県屋代高校、錦城高校、宮城県仙台第一高校、石川県立金沢二水高校の6校でした。

また、前年度まで5年連続金賞を受賞した青森県立弘前南高校と天理高校が特別演奏を行いました。

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第30回(昭和57年度、1982年)全日本吹奏楽コンクール

開催日時 1982年10月30日
開催場所 東京普門館

課題曲は4曲で全部門共通。
課A : 吹奏楽のためのカプリチオ (吉田公彦)
課B : 序奏とアレグロ (木下牧子)
課C : アイヌの輪舞 (早川博二)
課D : サンライズ・マーチ (岩河三郎)

課題曲A〜Cはいずれも公募入選作品、Dのみが連盟委嘱作品でした。Aの吉田さんは当時早稲田大学のオーケストラ団員、木下さんは合唱を始め多くの作品を生んでいる押しも押されぬ作曲家ですが、当時は芸大作曲科卒業直後、早川さんは歌謡曲などを手がける作曲家でした。課題曲の内容については、当時盛んに議論がありました(B以外は駄作など)。

審査方法が、従来の各審査員によるA・B・Cの3段階評価から、以下の方法に変更されました。

・課題曲と自由曲の2曲を、技術と表現の各々2項目について、A・B・C・D・E の5段階で評価
・A〜Eを点数に換算(A=5 B=4 C=3 D=2 E=1)、合計点の高い団体から金・銀・銅の3つのグループで表彰
・金・銀・銅の3つのグループ判定は採点委員が行い、審査委員長が決定。その結果を審査員に報告し了解を得る

以降、上下カットなどの追加はありましたが、基本的にはこの方法が2012年まで継続することになります。

出場団体(自由曲、指揮者)と審査結果一覧

01 北海道代表 北海道帯広三条高等学校 指揮 : 小滝孝夫 🥉銅賞
課D : サンライズ・マーチ
組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 :コダーイ/上埜孝
02 関西代表 尼崎市立尼崎東高等学校 指揮 : 馬場武彦 🥈銀賞
課B : 序奏とアレグロ
三つの夜想曲 より 祭り :ドビュッシー/W.シェイファー
03 関東代表 逗子開成高等学校 指揮 : 西野明男 🥈銀賞
課B : 序奏とアレグロ
バレエ音楽「四季」 より 秋 :グラズノフ/バンクロフト
04 四国代表 香川県立観音寺第一高等学校 指揮 : 村山英一 🥉銅賞
課B : 序奏とアレグロ
序曲「フィンガルの洞窟」 :メンデルスゾーン/J.サーディ
05 東北代表 秋田県立仁賀保高等学校 指揮 : 高野豊昭 🥇金賞
課B : 序奏とアレグロ
交響曲 より第4楽章 :矢代秋雄/高野豊昭
06 東海代表 長野県屋代高等学校 指揮 : 佐々木忠司 🥉銅賞
課B : 序奏とアレグロ
交響曲 より 第3楽章 :松村禎三/大竹賢
07 関西代表 兵庫県立尼崎西高等学校 指揮 : 中村弘之 🥈銀賞
課B : 序奏とアレグロ
スペイン奇想曲 :リムスキー=コルサコフ/ハインズレー
08 東北代表 秋田県立秋田南高等学校 指揮 : 高橋紘一 🥇金賞
課B : 序奏とアレグロ
パロディー的四楽章 より 第4楽章 ルーセル :深井史郎/天野正道
09 東海代表 名古屋電気高等学校 指揮 : 松井郁雄 🥇金賞
課B : 序奏とアレグロ
交響的断章 :ネリベル
10 北陸代表 富山県立富山商業高等学校 指揮 : 坪島照信 🥇金賞
課D : サンライズ・マーチ
バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 よりモンタギュー家とキャピュレット家、タイボルトの死 :プロコフィエフ/上埜孝
11 九州代表 福岡県立嘉穂高等学校 指揮 : 竹森正貢 🥈銀賞
課D : サンライズ・マーチ
バレエ音楽「三角帽子」 より 粉屋の踊り、終幕の踊り :ファリャ/岩井直溥
12 関西代表 大阪府立淀川工業高等学校 指揮 : 丸谷明夫 🥇金賞
課C : アイヌの輪舞
エル・サロン・メヒコ :コープランド/ハインズレー
13 東京代表 錦城高等学校 指揮 : 梶原政利 🥉銅賞
課D : サンライズ・マーチ
火の伝説 :櫛田胅之扶
14 関東代表 川口市立川口高等学校 指揮 : 信国康博 🥈銀賞
課C : アイヌの輪舞
吹奏楽のための「無言の変革」より そこに人の影はなかった :信国康博
15 中国代表 広島市立基町高等学校 指揮 : 増広卓三 🥈銀賞
課C : アイヌの輪舞
歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 :ニコライ/ゴドフリー
16 関東代表 習志野市立習志野高等学校 指揮 : 新妻寛 🥈銀賞
課B : 序奏とアレグロ
祈りとトッカータ :バーンズ
17 東北代表 宮城県仙台第一高等学校 指揮 : 荒井弘 🥈銀賞
課D : サンライズ・マーチ
グランド・キャニオン組曲 より 山道を行く、豪雨 :グローフェ/児玉英誉、寺田潤
18 中国代表 就実高等学校 指揮 : 村松勲 🥇金賞
課D : サンライズ・マーチ
幻想舞曲集 より 夢、酒宴 :トゥリーナ/マルクィーナ
19 九州代表 沖縄県立首里高等学校 指揮 : 名渡山愛文 🥉銅賞
課A : 吹奏楽のためのカプリチオ
交響曲第5番 より第4楽章 :ショスタコーヴィチ/ライター
20 東京代表 日本大学第二高等学校 指揮 : 木村護 🥉銅賞
課B : 序奏とアレグロ
交響詩「ローマの祭り」 より 主顕祭 :レスピーギ/上原圭詞
21 中国代表 島根県立出雲高等学校 指揮 : 金本克康 🥈銀賞
課B : 序奏とアレグロ
交響詩「魔法使いの弟子」 :デュカス/ウィンターボトム
22 九州代表 福岡工業大学附属高等学校 指揮 : 鈴木孝佳 🥇金賞
課D : サンライズ・マーチ
序曲「春の猟犬」 :A.リード
23 北陸代表 石川県立金沢二水高等学校 指揮 : 川合政之 🥈銀賞
課C : アイヌの輪舞
スキタイ組曲「アラとロリー」 より ヴェレスとアラへの讃仰、邪神チュジボーグと魔界の悪鬼の踊り :プロコフィエフ/川合政之
24 東海代表 三重県立白子高等学校 指揮 : 園田幸男 🥈銀賞
課A : 吹奏楽のためのカプリチオ
歌劇「イスの王様」序曲 :ラロ/カイエ
25 北海道代表 東海大学付属第四高等学校 指揮 : 井田重芳 🥇金賞
課B : 序奏とアレグロ
天使ミカエルの嘆き :藤田玄播
特別演奏
青森県立弘前南高等学校
組曲「ペレアスとメリザンド」作品80 :フォーレ/斎藤聖一、歌劇「サルタン皇帝の物語」より熊蜂の飛行 :リムスキー=コルサコフ/斎藤聖一
天理高等学校
喜歌劇「こうもり」序曲:J.シュトラウス/カイエ、グリーンスリーブス:イングランド民謡/A.リード、民族舞曲:ショスタコーヴィチ/F.エリクソン

審査方法変更初年度は金賞が8、銅賞が6、そして銀賞が11という結果になりました。課題曲の選択状況は「序奏とアレグロ」が約半数の12、「サンライズマーチ」がその残りの半数強の7、「アイヌの輪舞」が4、「カプリチオ」が2でした。難曲の「序奏とアレグロ」を演奏した団体から金賞の半数が出ています。

金賞団体の中では淀川工が3年連続、富山商と福工大附属が2年連続の受賞、就実高と東海大四が金賞に返り咲いたほか、名電高も77年以来の金賞を受賞しました。また、秋田南は特演明けのコンクールを金賞で飾り、同じ東北代表の仁賀保高が初出場で金賞に輝きました。

YouTubeで音源を探る

仁賀保高校

序奏とアレグロ

交響曲より第4楽章

屋代高校

交響曲より第3楽章

尼崎西高校

秋田南高校

パロディ的な4楽章より第4楽章「ルーセル」

名古屋電気高校


富山商業高校

淀川工業高校


広島市立基町高校


習志野市立習志野高校

序奏とアレグロ

呪文とトッカータ

宮城県仙台第一高校

組曲「グランド・キャニオン」より(グローフェ)
組曲「グランド・キャニオン」より(グローフェ) 音質悪し  1982年全日本吹奏楽コンクール  仙台第一高校  銀賞  テープ音源です。  ...

就実高校

サンライズマーチ

幻想舞曲集より夢、饗宴

日本大学第二高校

福岡工業大学附属高校

序曲「春の猟犬」

金沢二水高校


白子高校

歌劇「イスの王」序曲

東海大学付属第四高校

弘前南高校

ペレアスとメリザンド(全曲)

熊蜂の飛行

天理高校



今回あらためてプログラムを眺めてみると、各チームが意欲的な選曲をしていることがよくわかります。また、単なる聴衆の立場からは、例えば矢代秋雄と松村禎三の交響曲が並び、一つおいて深井史郎のパロディー的4楽章、しかも課題曲はすべて木下作品というプログラムは、見ているだけでも胸がワクワクしてきます。

結果と比べると「これで銅賞はあまりにも気の毒」という演奏がある一方、演奏順やコンディションなどから「今回が申し訳ないけれども仕方がないのかも知れないな」という演奏もありました。

金賞団体の中では、初出場の仁賀保高校が2曲を通して、空間に羽ばたいて舞っているかのような、活きいきとして積極的な見事な演奏を聴かせてくれています。この大会の仁賀保高は、何度聴いても素晴らしいと思います。また、秋田南高はがっちりと組み立てられた安定のサウンドとアンサンブルで、これまた積極的に語りかけてくる演奏が見事でした。「バルトークなのになぜルーセルなのか?」という問いかけにも答えている演奏ではなかったでしょうか。

福岡工大附属は柔軟性に富み、そして明るく輝かしいサウンドが光っており、2曲を通して演奏することの楽しさが伝わってくる演奏でしたし、トゥリーナの名曲を優れたソロ奏者、繊細かつ色彩感に溢れたサウンドで、これまた楽しい演奏を披露してくれた就実高も見事でした。淀川工、富山商、名電高、東海第四も各々さすがの演奏だったと思います。

銀賞団体でも、この大会が最後の全日本となった増広先生のタクトが冴え、メンバーもそれに応えた広島基町高や、とっ散らかった演奏になりがちなラロの「イスの王様」を緻密に組み立てて、ラストの盛り上がりまで冷静に音楽を進めていった白子高など素敵な演奏が多くありました。

まとめ

コンクールの結果は所詮結果に過ぎないわけですが、それでも参加する以上はより上の大会に進みたいし、より良い賞を頂きたいと思うのは当然だと思います。その意味で賞を配分する審査方法は、ときに残酷な結果になるような気もします。

ゴールド金賞や銀賞に比べて(もともと聞き取りにくいから、片手を挙げたり、ゴールドをつけたりして区別したという経緯からわかるように、同じような語感なのですよね)、銅賞はなぜかトーンが低いし唸るように告げることが多く、第三者的にも聞きたくないなと思ってしまいます。

いずれにせよ、今ひとつ冴えない課題曲が過半数を占める中で、どのチームも聴き応えのある演奏を繰り広げた大会でした。翌年がとても楽しみになってきました。

Viva! 吹奏楽!
👋掰掰👋

コメント

  1. […] […]

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