【吹奏楽】1982/第30回全日本吹奏楽コンクール 職場の部

吹奏楽
スポンサーリンク

2020年5月10日、全日本吹奏楽連盟は2020年度コンクールを中止する旨発表しました。武漢肺炎の影響で開催が厳しい状況ではやむを得ない判断なのでしょう。

ただ、最終学年のみなさんなど特にこの大会が最後という方にとっては、仕方がないねということは到底できないと思います。コンクールに向けての練習はもちろん、部活動が学校生活の中で占めるウエイトが高かった(単に勉強していなかっただけとも言いますが)僕も、自分が今その立場なら、気持ちの切り替えには相当の時間がかかるだろうということは間違いありません。

1982年度全日本吹奏楽コンクール職場の部は、北海道1 東北1 関東1 東京1 東海1 関西1 中国1 九州1 の計8団体が出場しました。初出場はなく常連の団体が揃いました。

この年の課題曲も1976年度から続く全部門共通の4曲が基本とした路線が踏襲されています。

スポンサーリンク

第30回(昭和57年度、1982年)全日本吹奏楽コンクール

開催日時 1982年10月24日
開催場所 尼崎市総合文化センター

課題曲は4曲で全部門共通。
課A : 吹奏楽のためのカプリチオ (吉田公彦)
課B : 序奏とアレグロ (木下牧子)
課C : アイヌの輪舞 (早川博二)
課D : サンライズ・マーチ (岩河三郎)

課題曲A〜Cはいずれも公募入選作品、Dのみが連盟委嘱作品でした。Aの吉田さんは当時早稲田大学のオーケストラ団員、木下さんは合唱を始め多くの作品を生んでいる押しも押されぬ作曲家ですが、当時は芸大作曲科卒業直後、早川さんは歌謡曲などを手がける作曲家でした。課題曲の内容については、当時盛んに議論がありました(B以外は駄作など)。

審査方法が、従来の各審査員によるA・B・Cの3段階評価から、以下の方法に変更されました。

・課題曲と自由曲の2曲を、技術と表現の各々2項目について、A・B・C・D・E の5段階で評価
・A〜Eを点数に換算(A=5 B=4 C=3 D=2 E=1)、合計点の高い団体から金・銀・銅の3つのグループで表彰
・金・銀・銅の3つのグループ判定は採点委員が行い、審査委員長が決定。その結果を審査員に報告し了解を得る

以降、上下カットなどの追加はありましたが、基本的にはこの方法が2012年まで継続することになります。

出場団体(自由曲、指揮者)と審査結果一覧

01 関西代表 阪急百貨店吹奏楽団 指揮 : 鈴木竹男 🥇金賞
課D : サンライズ・マーチ
歌劇「ファウスト」のバレエ音楽より :グノー/ローレンドー
02 北海道代表 新日鐵室蘭吹奏楽団 指揮 : 山田達夫 🥉銅賞
課D : サンライズ・マーチ
歌劇「どろぼうかささぎ」序曲 :ロッシーニ/ブラウン
03 関東代表 日本電気玉川吹奏楽団 指揮 : 稲垣征夫 🥉銅賞
課D : サンライズ・マーチ
組曲「パイナップル・ポール」 :サリヴァン/マッケラス
04 東北代表 青森県信用組合吹奏楽部 指揮 : 箕輪響 🥈銀賞
課A : 吹奏楽のためのカプリチオ
飛天 :櫛田胅之扶
05 東海代表 ヤマハ吹奏楽団浜松 指揮 : 原田元吉 🥇金賞
課B : 序奏とアレグロ
吹奏楽のためのファンタジー :夏田鐘甲
06 東京代表 ヤマハ吹奏楽団東京 指揮 : 高倉正巳 🥈銀賞
課B : 序奏とアレグロ
吹奏楽のためのバラードII :兼田敏
07 九州代表 ブリヂストンタイヤ久留米工場吹奏楽団 指揮 : 小山卯三郎 🥇金賞
課C : アイヌの輪舞
交響組曲「シェエラザード」より 第4楽章 バグダッドの祭、海、船の難破 :リムスキー=コルサコフ/ウィンターボトム
08 中国代表 電電中国吹奏楽団 指揮 : 佐藤正二郎 🥉銅賞
課D : サンライズ・マーチ
日本祈願太鼓 :渡邊浦人

前年度、金賞ラッシュに沸いた職場の部でしたが(5団体が金賞)、この年はヤマハとブリヂストンが戻り、金賞3団体、銀賞2団体、銅賞3団体という結果となりました。課題曲では「サンライズ・マーチ」が半数の4団体、「序奏とアレグロ」を浜松と東京のヤマハが選択、「カプリチオ」と「アイヌの輪舞」が1団体ずつでした。

昼休み明け1番の阪急百貨店が4年連続金賞に輝き、前年度不参加のヤマハ浜松と特演から復帰したブリヂストン久留米が金賞を受賞しました。

この尼崎市総合文化センター(アルカイックホール)での演奏は、僕もすべて聴きました。そのときの様子は、以下の別ブログ(基本的には日記です)に記載していますので、よろしければご覧くださいね。

音源を探る

阪急百貨店吹奏楽団

1982年 課題曲D「サンライズ・マーチ」【阪急百貨店吹】

ヤマハ吹奏楽団浜松

ブリヂストンタイヤ久留米工場吹奏楽団

1982年 課題曲C「アイヌの輪舞」【ブリヂストンタイヤ久留米】

阪急百貨店のマーチは心地良い演奏で、いつもながらの「阪急のマーチ」を聴くことができました。自由曲のファウストはヌビアの踊り、クレオパトラと奴隷の踊り、フリネの踊りの3曲が演奏されました。よく伸びる音で歌い上げている一方で、ラストのフリネの踊りではシンバルが大活躍でリズムはもちろん、音色や表情ともに素晴らしいものがありました。

ヤマハは課題曲の音源がないのが残念ですが、自由曲はヤマハ自身の委嘱で作曲されたもので、朝鮮半島のメロディやリズムを活かしたこの作品を緻密なアンサンブルで格調高い演奏に仕上げていました。

ブリヂストンは課題曲の音源しかありませんでしたが、ともすれば安易に演歌調になってしまうこの曲を、このチームらしく輝かしいサウンドと自然な音楽の流れで、この団体でなければ聴けない演奏になっていたと思います。

まとめ

この大会で職場の部に先立って行われた大学の部では、当初金賞が出ませんでしたが、職場の部では金銀銅の3賞でグループ表彰されました。安堵した一方で、大学の部の結果についてすっきりしない印象が余計に強まったのも確かでした。

この年の職場の部の演奏はすべて会場で聴きましたが、それぞれの結果に表れた通りの演奏レベルだったと思います。前年度の結果が素晴らしかっただけに、期待して聴かせて頂いたのですがやや残念でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました