【吹奏楽/音源更新】1980/第28回全日本吹奏楽コンクール 中学の部

吹奏楽
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音源情報を更新しました。

1980年度コンクール中学の部では、北陸、中国、西部支部の代表枠が各々1ずつ増えて、北海道 (2) 東北 (3) 関東 (3) 東京 (2) 北陸 (2) 東海 (3) 関西 (3) 中国 (3) 四国 (1) 西部 (3) の計25団体が出場しました。

この年の課題曲はすべて連盟委嘱作品で、1976年度から続く全部門共通の4曲が基本とした路線が踏襲されています。

初出場は、大月市立大月東中学校、明石市立朝霧中学校、 宗像町立城山中学校、小山市立間々田中学校、敦賀市立粟野中学校の5校で、全体の1/5と前年度、前々年度のニューカマーラッシュは落ち着きました。

なお、音源については従来リンクさせて頂いていたアカウントが無効となり、開くことができない音源が多くなってしまい、せっかくご覧頂いたにも拘らずご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。今後はYouTubeに限らずニコニコ動画や手許の資料も活用して、1970年から82年まで順次見直して参りますので、しばらくお時間を頂戴できれば幸甚です。

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第28回(昭和55年度、1980年)全日本吹奏楽コンクール

開催日時 1980年11月2日
開催場所 東京杉並普門館
課題曲は4曲全部門共通で各々選択。
課A : 吹奏楽のための「花祭り」 (小山清茂)
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」 (服部公一)
課C : 北海の大漁歌 (岩河三郎)
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」 (齋藤高順)

A~Cの3曲はわが国の素材を題材とした曲で、BとCはその名の通り各々沖縄、北海道の旋法、民謡などが使われています。

Aの「花祭り」は一般的にはお釈迦さまの誕生日(4/8)をお祝いする行事を指しますが、この課題曲については、愛知県奥三河の東栄町などの花祭(「花祭」は700年以上続く伝統的な神事で、1976年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。花祭の起源ははっきりとは分かりませんが平安時代に最盛期を迎えた吉野・熊野の修験道が奥三河に暮らす人々に影響をもたらしたと言われています。 東栄町では、毎年11月から3月の冬の寒い時期に町内各地区で花祭は行われます。なぜ、こんな寒い時期に行うのかというと…花祭は霜月祭とも言われ、もとは旧暦の霜月に行われていました。これは、新暦の12月から1月頃にあたり、一年で最も寒い時期です。 冬の間に衰えた太陽と大地の生命力を、花祭を行うことで呼び醒まします(東栄町HPより引用))を題材としているようです。

出場団体(自由曲、指揮者)と審査結果一覧

 

01 東京代表 板橋区立赤塚第三中学校 指揮 : 磯和利 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
バレエ音楽「三角帽子」 より 終幕の踊り :ファリャ
02 中国代表 出雲市立第一中学校 指揮 : 錦織雄司 🥇金賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
三つの夜想曲より祭り :ドビュッシー/錦織雄司
03 関東代表 大月市立大月東中学校 指揮 : 平野廣海 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
朝鮮民謡の主題による変奏曲 :チャンス
04 中国代表 総社市外二箇村中学校組合立総社東中学校 指揮 : 禰屋雅典 🥈銀賞
課A : 吹奏楽のための「花祭り」
歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 :ヴェルディ/木村吉宏
05 関西代表 明石市立朝霧中学校 指揮 : 栗林宏枝 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
リシルド序曲 :パレ
06 北海道代表 紋別市立紋別中学校 指揮 : 浜幸雄 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
喜歌劇「天国と地獄」序曲 :オッフェンバック
07 東海代表 蒲郡市立蒲郡中学校 指揮 : 小川和人 🥈銀賞
課C : 北海の大漁歌
組曲「展覧会の絵」 より バーバ・ヤガーの小屋、キエフの大門 :ムソルグスキー/ライゼン
08 北陸代表 福井市森田中学校 指揮 : 中山芳淳 🥈銀賞
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」
歌劇「イスの王様」序曲 :ラロ/カイエ
09 西部代表 宗像町立城山中学校 指揮 : 岡本英司 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
ドラマティコ :マクベス
10 東北代表 秋田市立城南中学校 指揮 : 大越寿 🥈銀賞
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」
楽劇「サロメ」 より七つのヴェールの踊り :R.シュトラウス/ハインズレー
11 関西代表 伊丹市立東中学校 指揮 : 永澤譲 🥇金賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
幻想交響曲 より サバトの夜の夢 :ベルリオーズ
12 関東代表 小山市立間々田中学校 指揮 : 藤尾裕 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
アルメニアン・ダンス・パートI :A.リード
13 関西代表 大阪市立城陽中学校 指揮 : 神出有光 🥇金賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
バレエ音楽「ガイーヌ」 より 子守歌、レスギンカ :ハチャトゥリアン
14 東海代表 島田市立島田第二中学校 指揮 : 首藤栄市 🥇金賞
課A : 吹奏楽のための「花祭り」
交響詩「海」 より 海の夜明けから真昼まで :ドビュッシー/藤田玄播
15 西部代表 宮崎市立大淀中学校 指揮 : 下之薗制勝 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
歌劇「キャンディード」序曲 :バーンスタイン/ビーラー
16 四国代表 徳島市富田中学校 指揮 : 寺沢栄 🥈銀賞
課C : 北海の大漁歌
吹奏楽のための神話(天岩屋戸の物語による) :大栗裕
17 東北代表 八戸市立湊中学校 指揮 : 佐藤憲一 🥇金賞
課A : 吹奏楽のための「花祭り」
交響詩「海」 より 風と海との対話 :ドビュッシー/藤田玄播
18 西部代表 那覇市立石田中学校 指揮 : 屋比久勲 🥇金賞
課C : 北海の大漁歌
歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 :ヴェルディ
19 関東代表 銚子市立第五中学校 指揮 : 市原正行 🥈銀賞
課A : 吹奏楽のための「花祭り」
ローマの謝肉祭序曲 :ベルリオーズ/サフラネク
20 東京代表 練馬区立田柄中学校 指揮 : 塚田誠 🥇金賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
アルメニアン・ダンス・パートII より ロリの歌 :A.リード
21 北海道代表 羽幌町立羽幌中学校 指揮 : 原田賢雄 🥈銀賞
課C : 北海の大漁歌
イタリア奇想曲 :チャイコフスキー/ローレンドー
22 東海代表 長野市立柳町中学校 指揮 : 内田満 🥈銀賞
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」
狂詩曲スペイン :シャブリエ/カイエ
23 中国代表 出雲市立第二中学校 指揮 : 渡部修明 🥇金賞
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」
交響組曲「シェエラザード」 より 第4楽章 バグダッドの祭、海、船の難破 :リムスキー=コルサコフ
24 東北代表 秋田市立山王中学校 指揮 : 羽川誠 🥇金賞
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」
バレエ音楽「四季」 より 秋 :グラズノフ/佐藤正人
25 北陸代表 敦賀市立粟野中学校 指揮 : 荒木則通 🥇金賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
飛鳥 :櫛田胅之扶

課題曲は、Dの「オーバー・ザ・ギャラクシー」が大人気で約半数の12団体がこの曲を選んでいます。そのほかの3曲は、Aが4団体、Bが5団体、Cが4団体とほぼ均等に割れています。

この年も水準が高く、金賞が10団体、そして銅賞はなく15団体が銀賞を受賞しています。この状況が後年の審査方法の見直しに繋がっていったようです。

1979年度に永年指揮者表彰を受けた今津中と豊島十中は、この年のコンクールには参加しませんでした。前年度金賞を受賞した学校では、出雲二中、石田中、島田二中が連続金賞に輝きました。5金特演後の前年に惜しくも銀賞となった出雲一中、同じく銀賞だった山王中が金賞に返り咲き、2年ぶり2度目の出場の田柄中が初めての金賞、前年度初出場の伊丹東中も今回初めての金賞を受賞しました。

また、八戸湊中が9度目の全日本出場で初めての金賞を受賞したほか、76年以来2度目の出場となった城陽中も初金賞で、以降の連続金賞のスタートを切りました。そして、出演順最後に登場した粟野中が初めての出場で見事金賞に輝きました。

音源を探る

出雲市立第一中学校


三つの夜想曲より祭り

紋別市立紋別中学校

福井市森田中学校

歌劇「イスの王様」序曲

大阪市立城陽中学校

オーバー・ザ・ギャラクシー

バレエ組曲「ガイーヌ」より

島田市立島田第二中学校

八戸市立湊中学校

那覇市立石田中学校

北海の大漁歌

歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲

練馬区立田柄中学校


出雲市立第二中学校

秋田市立山王中学校

バレエ音楽「四季」より秋

敦賀市立粟野中学校

課題曲に「南の島から」ではなく「北海の大漁歌」を選んだ石田中の演奏は、自由曲共々豊かなサウンドを伸び伸びと響かせつつ、歌心にも溢れ、そして要所要所がキリっとしまったメリハリという一言で表現するのは勿体ない演奏でした。演奏が終わったときに音の大きさではなく、心の奥深くから感動の拍手が湧き起こってくるような素晴らしい演奏だったと思います。

出雲一中が「オーバー・ザ・ギャラクシー」だったのも個人的には意外でしたが、錦織先生はこのあとにもポップス系の課題曲を選んでおられるので、先生の趣味なのか、生徒さんの選択に任せられたのかなとも勝手に想像しています。自由曲のドビュッシーまで高い技術に裏打ちされた律動感、そして躍動感の溢れる見事な演奏でした。

一部評論家の方からはあまり良い講評が出なかった城陽中の演奏は、それこそメリハリの効いた音楽作り、低音から高音に至るまで美しい響きを聴かせた良い演奏だったと思います。また、田柄中のリードも爽快で気持ちの良い演奏でした。出雲二中は安定した大人の演奏。

そして、トリを務めた初出場の粟野中は、既に完成された独自の世界が出来上がっていました。櫛田作品の「飛鳥」という曲が中学生とは思えないほど深掘りされていて、指揮者とメンバーのこの曲に対する共感がジンジンと伝わってくる演奏でした。

まとめ

この年は全体の水準が押し並べて高いだけではなく、金賞を受賞したチームのレベルが上がっているように感じました。粟野中のような個性を打ち出した演奏は驚異的でしたし、クラシック作品のアレンジ、オリジナル作品の別なく、表面的にきれいに仕上げてくるのではなく、何を訴えたいのかが伝わってくる演奏が多かったように思います。

こうなってくると、別次元の線引きが必要と連盟が考えるようになっても、仕方がないのかなという気もしますね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Viva! 吹奏楽!
👋掰掰👋

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