【吹奏楽/音源あり】1980/第28回全日本吹奏楽コンクール 一般の部

吹奏楽
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音源情報を更新しました。

1980年度全日本吹奏楽コンクール一般の部は79年度同様、各支部の代表10団体が参加しました。創価学会関西吹奏楽団が初出場しています。

この年の課題曲はすべて連盟委嘱作品で、1976年度から続く全部門共通の4曲が基本とした路線が踏襲されています。

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第28回(昭和55年度、1980年)全日本吹奏楽コンクール

開催日時 1980年11月9日
開催場所 名古屋市公会堂
課題曲は4曲全部門共通で各々選択。
課A : 吹奏楽のための「花祭り」 (小山清茂)
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」 (服部公一)
課C : 北海の大漁歌 (岩河三郎)
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」 (齋藤高順)

A~Cの3曲はわが国の素材を題材とした曲で、BとCはその名の通り各々沖縄、北海道の旋法、民謡などが使われています。

Aの「花祭り」は一般的にはお釈迦さまの誕生日(4/8)をお祝いする行事を指しますが、この課題曲については、愛知県奥三河の東栄町などの花祭(「花祭」は700年以上続く伝統的な神事で、1976年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。花祭の起源ははっきりとは分かりませんが平安時代に最盛期を迎えた吉野・熊野の修験道が奥三河に暮らす人々に影響をもたらしたと言われています。 東栄町では、毎年11月から3月の冬の寒い時期に町内各地区で花祭は行われます。なぜ、こんな寒い時期に行うのかというと…花祭は霜月祭とも言われ、もとは旧暦の霜月に行われていました。これは、新暦の12月から1月頃にあたり、一年で最も寒い時期です。 冬の間に衰えた太陽と大地の生命力を、花祭を行うことで呼び醒まします(東栄町HPより引用))を題材としているようです。

出場団体(自由曲、指揮者)と審査結果一覧

01 東海代表 蒲郡市吹奏楽団 指揮 : 西浦稔 🥇金賞
課A : 吹奏楽のための「花祭り」
交響曲第8番 より 第4楽章 :ドヴォルザーク/小長谷宗一
02 四国代表 鏡野中学OB吹奏楽団 指揮 : 宮地憲一 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲 :ロッシーニ/宮地憲一
03 北海道代表 札幌市民交響吹奏楽団 指揮 : 坂井繁 🥈銀賞
課C : 北海の大漁歌
交響詩「ローマの松」より IV.アッピア街道の松 :レスピーギ
04 東京代表 豊島区吹奏楽団 指揮 : 八田泰一 🥈銀賞
課A : 吹奏楽のための「花祭り」
幻想交響曲 より サバトの夜の夢 :ベルリオーズ/八田泰一
05 東北代表 郡山吹奏楽団 指揮 : 荒川健秀 🥇金賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
組曲第3番「劇的風景」 :マスネ/荒川健秀
06 関東代表 上尾市民吹奏楽団 指揮 : 小長谷宗一 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
海の歌 :R.ミッチェル
07 関西代表 創価学会関西吹奏楽団 指揮 : 磯貝富治男 🥇金賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
交響曲第3番「オルガン付き」 より 第2楽章 :サン=サーンス
08 西部代表 大牟田奏友会 指揮 : 吉永忠晴 🥈銀賞
課C : 北海の大漁歌
小交響曲「ディヴァージェンツ」 より 第3・4楽章 :マクベス
09 北陸代表 金沢吹奏楽研究会 指揮 : 大久保功治 🥈銀賞
課D : 行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」
行進曲「威風堂々」第一番 :エルガー
10 中国代表 出雲吹奏楽団 指揮 : 片寄哲夫 🥇金賞
課B : 吹奏楽のための序曲「南の島から」
シンフォニックバンドのためのパッサカリア :兼田敏

一般の部も、中学、高校、大学の各部門同様、この大会では銅賞が出ませんでした。課題曲は半数の5団体が「オーバー・ザ・ギャラクシー」、「花祭り」が2団体、「南の島から」が1団体、「北海の大漁歌」を2団体が選択しました。

トップバッターの蒲郡市吹は、指揮者が山本先生からクラリネットの西浦さんに替わり、ドヴォルザークの8番交響曲のフィナーレを演奏。前年度の銀賞から金賞に返り咲きました。ドヴォルザークの8番終楽章はこの後しばらくコンクールの自由曲として盛んに演奏されました。その多くは長2度低く移調されたシェーファー版でしたが、蒲吹が使用したのは小長谷宗一さんの原調版。

東北代表の郡山吹奏楽団はアンサンブルの緻密さに磨きがかかり初めての金賞、創価学会関西はオルガン交響曲を採り上げて初出場で金賞を受賞しました。この年の関西大会では、常勝の尼崎市吹を破ってわずか1枠の兵庫県代表の切符を手にした西宮市吹奏楽団との代表枠争いとなりましたが、関吹が代表の座を掴みました。

トリを務めた出雲吹奏楽団は片寄先生の指揮で、すでに古豪の貫禄で堂々と金賞を受賞しました。

音源を探る

蒲郡市吹奏楽団


交響曲第8番ト長調より第4楽章

豊島区吹奏楽団

創価学会関西吹奏楽団

交響曲第3番ハ長調「オルガンつき」より第2楽章フィナーレ

蒲郡市吹のドヴォルザークはすでに記載した通り原調で、この曲の持つ本来の響きを聴くことができました。木管高音がややフラットになってしまうのは惜しいところですが、このチームのアンサンブル力は本当に素晴らしく、緻密で鮮やかな演奏を披露しています。

関吹は初出場とは思えないほどの堂々とした演奏で、力強くかつ美しく響くサウンドは本当に素晴らしいものでした。ただ、さすがの関吹も初出場の緊張のためか細かいミスがあって、演奏内容そのものは関西大会の方が良かったようです。

まとめ

70年代前半には、中学の部がもっとも上手で、年齢が上がっていくに連れてレベルが下がっていくと言われていたことが信じられないくらい、一般の部の充実ぶりを示したのがこの大会だったと思います。

新たに金賞を受賞したチーム、初出場のチームなど、顔ぶれも多彩になってきて、今後の発展がますます楽しみになってきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Viva! 吹奏楽!
👋掰掰👋

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