【吹奏楽】1975/第23回全日本吹奏楽コンクール 高等学校の部

吹奏楽
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1975年度コンクール高校の部の代表枠は、北海道2、東北3(前年度比+1)、関東3(同+1)、東京1、北陸1、東海2(同+1)、関西2、中国1、四国1、西部2(同+1)の18となり、全日本コンクール主催地区枠1を加えて19団体が出場しました。その結果、北海道地区からは3団体が出場しています。

この年の課題曲は前年度の「全部門共通」から、それ以前の「中学校の部」と「それ以外」の区分に戻り、、各々2曲(うち1曲はポップス系)の中から各々の団体が選択する方法に変わりました。1974年度以降の課題曲の対象、選定についての試行錯誤が続いています。

初出場は、福井県立藤島高校 沖縄県立浦添高校、沖縄県立那覇高校、北海道函館中部高校、高松第一高校の5校でした。

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第23回(昭和50年度、1975年)全日本吹奏楽コンクール

開催日時 1975年10月26日
開催場所 北海道厚生年金会館
課題曲
課A : 吹奏楽のための小前奏曲 (郡司孝)
課B : ポップス・オーバーチュア「未来への展開」 (岩井直溥)
課C : 吹奏楽のための練習曲 (小林徹)
課D : 吹奏楽のためのシンフォニック・ポップスへの指標 (河辺公一)
この年より課題曲の参考音源として連盟よりプロの吹奏楽団の演奏による参考演奏のカセットテープの発売が開始されています。

出場団体(自由曲、指揮者)と審査結果一覧

01 北海道代表 札幌光星高等学校 指揮 : 坂井繁 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
小交響曲「ディヴァージェンツ」より 第3・4楽章 :マクベス
02 東海代表 名古屋電気工業高等学校 指揮 : 松井郁雄 🥈
課C : 吹奏楽のための練習曲
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 :J.S.バッハ
03 東北代表 秋田県立秋田南高等学校 指揮 : 高橋紘一 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
交響曲第5番 より 第4楽章 :チャイコフスキー/木内博
04 中国代表 島根県立出雲高等学校 指揮 : 金本克康 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
交響曲第5番 より第4楽章 :ショスタコーヴィチ
05 東海代表 静岡県立浜松工業高等学校 指揮 : 遠山詠一 🥈
課C : 吹奏楽のための練習曲
組曲「若き人々」より I. 希求 :中村隆一
06 北陸代表 福井県立藤島高等学校 指揮 : 尾島小兵衛 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
交響曲第9番「新世界から」より 第1楽章 :ドヴォルザーク
07 北海道代表 北海道留萌高等学校 指揮 : 松本和幸 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
ダイヤモンド・ヴァリエーション :ジェイガー
08 関東代表 千葉県立銚子商業高等学校 指揮 : 小澤俊朗 🥇
課C : 吹奏楽のための練習曲
歌劇「運命の力」序曲 :ヴェルディ
09 関東代表 群馬県立前橋商業高等学校 指揮 : 大木隆明 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
交響詩「ローマの松」より IV.アッピア街道の松 :レスピーギ/大木隆明
10 東北代表 秋田県立横手高等学校 指揮 : 石塚保 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
呪文と踊り :チャンス
11 西部代表 沖縄県立浦添高等学校 指揮 : 富原守哉 🥈
課C : 吹奏楽のための練習曲
楽劇「神々の黄昏」より ジークフリートの葬送行進曲 :ワーグナー
12 西部代表 沖縄県立那覇高等学校 指揮 : 富原守和 🥈
課C : 吹奏楽のための練習曲
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第一幕への前奏曲 :ワーグナー
13 東北代表 秋田県立花輪高等学校 指揮 : 佐藤修一 🥇
課C : 吹奏楽のための練習曲
交響曲第1番「冬の日の幻想」 より 第1楽章 :チャイコフスキー/佐藤修一
14 関東代表 逗子開成高等学校 指揮 : 西野明男 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より :プロコフィエフ
15 北海道代表 北海道函館中部高等学校 指揮 : 阿部哲治 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
バンドのためのシンフォニック・ソング :R.R.ベネット
16 関西代表 大阪府立淀川工業高等学校 指揮 : 丸谷明夫 🥇
課C : 吹奏楽のための練習曲
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 :J.S.バッハ/木村吉宏
17 四国代表 高松第一高等学校 指揮 : 石川孝司 🥉
課C : 吹奏楽のための練習曲
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 :J.S.バッハ
18 東京代表 玉川学園高等部 指揮 : 高浪晋一 🥈
課C : 吹奏楽のための練習曲
交響詩「海」より3. 風と海との対話 :ドビュッシー
19 関西代表 天理高等学校 指揮 : 谷口眞 🥇
課C : 吹奏楽のための練習曲
交響詩「おやさま」 より 第2楽章 :山田耕筰/矢野清

金賞4、銀賞5、銅賞10と、中学校の部同様厳しい結果となりました。課題曲は出場19全団体が「吹奏楽のための練習曲」を演奏し「シンフォニックポップスへの指標」を選んだ団体はありませんでした。

銚子商高は3年連続の金賞受賞、花輪高と天理高は前年度の雪辱を果たし金賞に返り咲きました。淀川工は2度目の全日本出場となった今回、初めて金賞を受賞しました。現在のような連続金賞受賞は、結果的に時間を要することになりましたが、このチーム、丸谷先生の全日本金賞の原点の年になりました。

銀賞は東海代表の常連2校、西部代表の沖縄県の初出場の2校と東京の玉川学園、金賞の関西2校を含めて、地域的な偏りも感じられる結果となっています(あくまでも並べてみるとという意味です)。

YouTubeで音源を探る

秋田南高校

 

銚子商業高校

歌劇「運命の力」序曲 銚子商業 全日本吹奏楽コンクール 1975

花輪高校

吹奏楽の為の練習曲 花輪高 全日本吹奏楽コンクール 1975 課題曲
交響曲第1番 花輪高 全日本吹奏楽コンクール 1975

淀川工業高校

トッカータとフーガ ニ短調 淀川工業 全日本吹奏楽コンクール 1975

玉川学園高等部

天理高校

交響詩「おやさま」 天理高 全日本吹奏楽コンクール 1975

中学校の部と同じく音源が少ないのが残念です。

銚子商高の「運命の力」はこのチームにしては珍しくミスがポロポロと出ていますが、調性が既存のアレンジを使わず(基本はそのアレンジを修正しているのではないかと推測しますが)に、この曲の展開通りに整理されていますし、改めて和声も見直されていて、気持ちよく聴くことができました。また色彩感の豊かなサウンドは見事でした。課題曲は安定していて、特に最後の部分の解釈は、指定通りではないと思われるものの「これはあり」と思うところがありました。

花輪高は模範的な課題曲と同じく端正に仕上げた自由曲、ともに見事な演奏でした。いつも丁寧な音楽作りをされていますが、この曲とバンドのカラーが合っていて音楽的で感動的な演奏でした。天理高は選曲も演奏も手堅くまとめてきました。手慣れた曲のように思われ、いつも以上に安心して聴くことができました。

淀工の今に続く金賞受賞の原点となったこの年の演奏。全日本の本番を聴いたわけではないので単純に比較はできませんが、関西大会の演奏の方が音と音楽に伸びがありましたし、アンサンブルも安定した堂々とした演奏だったように感じます。ストコフスキーのオケ編を元にしたこのアレンジは演奏が難しそうで、個人的にはライツェンの編曲の方が吹きやすいと思います(変なところはありますが)が、よくまとめられていました。

個人的に音源がありましたのでアップロードした秋田南高の演奏は「これで銅賞はないでしょう」と今でも思います。翌年以降聴くことができる見事なアンサンブルはすでに完成されていますし、何が足りなかったのか聞いてみたいくらいです(展開部が(カットされて)ない、とかではなくて(笑))。

また、トリから2番目の玉川学園の自由曲はドビュッシーの「海」でした。バンドジャーナルの記者座談会では「フランスものを採り上げた玉川学園と邦人作品の天理との対決は天理に軍配」的な書かれ方をしていました。ドビュッシーやラヴェルの作品が採り上げられるようになってからも「「海」は吹奏楽に向いていない」と盛んに言われていたことを懐かしく思い出します。

まとめ

結果は厳しく、盛り上がりも今一歩というこの年の大会でしたが、それぞれのチームが選曲、音楽作りも含め、試行錯誤しながら取り組んできたものは先々花開くことになるという意味で、23回大会の高校の部は大きな意味を持っているように思います。

1976年は会場を神奈川県民ホールに移して開催されます。

Viva 吹奏楽!

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